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カプごった煮

「うへへ〜あるふれっどしゃんんんん〜♡」
「うわっ、なんだい!?ちょっ、菊、酒臭っ!」
アルフレッドの首に手を回し顔を近づける。菊からは強烈な酒の匂いがした。それに思わず顔を顰める。
「誰だい、こんなになるまで菊を酔わせたのは」
「こいつだよ」
ん、とビールを煽っているギルベルトに指をさされたのはフランシスとアーサー。2人とも白目で服を着ていない。相当な酩酊状態だ。
「フランシス、アーサー。俺は君たちに確かに菊が酔いすぎないように見ててくれって頼んだよね?どういうことだい、これは」
「あ、アル坊♡」
「いよ〜ぉアルフレッドぉ!お前も飲まねぇか!べはははは!!」
「………ったく。このおっさんたちは」
まともに会話ができそうにない2人のことは放っておく。後でどうなるかわかってるんだろうね、2人とも。
「おーい、ギルベルト。菊を連れて帰ってもいいかい?」
「おー?別にいいゼー!ていうかダメって言っても聞かねえだろお前」
「当たり前だろ?俺を誰だと思ってるんだい?」
「へーへー、世界のアメリカ様ですよ」
「じゃあね。ほら行くよ、菊」
「あるふれっろしゃん〜うふふ〜」
菊の手を引いて…と思ったがまともに歩けそうにないので彼を背負って帰ることにする。


「あるふれっとしゃんのせなかあったかいれふ…すぅ、」
「菊?寝たのかい?」
数歩も歩くうちに彼は夢の中へと落ちていった。寝息をたて、安心しきって寝ている彼を見て心に浮かぶのは、歓びと嫉妬。
「ねえ、菊。俺の知らないとこで、俺の知らない君をそう簡単に見せびらかさないでくれよ…」
俺は酒を美味しく感じるほど大人じゃない。だから、彼とこうやって騒げるフランシスやアーサー、ギルベルトのことを羨ましいと思う。
「菊、飲むのなら今度からは俺のいるところで飲んで」
菊の家につき、彼を下ろす。そしてあどけないその寝顔にキスをした。
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