単発.長めの話まとめ
あ、ダメだこれ。話が通じない。要らない、なんて言うことも許されず抗議の声はつむぎの唇に塞がれた。
「んぐッ……ふ、ゥンン……ッ」
最初から舌をねじ込まれ上顎を擦られる。舌を吸われ、夏目の弱い箇所ばかりを狙って動き回っている。太い舌が歯列をなぞり、ぞわぞわとした快感を腰に募らせていく。
ついうっとりとキスに夢中になってしまって抵抗することさえ忘れていた。つむぎのキスは夏目が全て仕込んだもので、だからこそ夏目好みなのだ。
つむぎの手がすり、と腰を撫でた。尻の丸みをざらついた指先でたどり、割れ目の奥……後孔に。
「ン゛んッ!?」
孔のふちを指が叩いた。夏目の下半身は彼の膝の上に乗せられていて、つむぎがやりやすいような体勢に変えられていたのだ。気づかなかったんだけど、どういうことなんだよ……。呆れてしまうが、そんな思考はすぐに霧散した。つむぎの指が中に入ってきたからだ。
「ッ!」
「媚薬ってここもゆるゆるになっちゃうんですか?いつもより挿れやすいんですけど……」
「う、ァ……筋弛緩剤、も入っ、てル……か、ラッんン……!」
「挿れやすいってことですか?」
既に指は複数入れられているようで。ぷちゅ、と音を立てながら抽挿がゆるくはじめられた。
体内を拓くだけの動きなのにどうしてだか初めて感じるほどに気持ちいい。ぴくぴくと体が快楽に震える。神経の隅々まで悦が染み渡っていく。
「ッハ……ゥ……」
体が融けるスピードが速い気がした。いつもならこんな前戯で融ける程に快楽に溺れるなんてこと、あるはずないのに。体から力が抜ける。思考が溶ける。ただ感覚を受け止めるしかできない状態にされている。
こんなに強い媚薬作ったの誰だよ。なんでこんなことになってるんだよ。
体内の指はあからさまに良い所を外して動いている。それがひどくもどかしい。身をよじってなんとかそこに指を当てようとしても上手く外されてしまう。体内の熱は燃え上がることができず、ずっとくすぶっていた。じりじりと弱火で炙られているようなむずつく感覚。
「ど、しテ……ッ?ぇ、ゔ……っ、あ、ヤ、足りナ……ッんン゛……!!」
「夏目くんってばただでさえ普段は早いんですから、セーブしないと多分すぐ気を遣っちゃうでしょう?」
指がナカを拓いていく。抜かれる度、媚肉が指に絡みついて引き止めるせいでくぽ、ちゅぽ、と音が鳴っている。羞恥心は煽られ、歯を食いしばって快楽の波に耐えようと息を詰める。けれどつむぎは指を引き抜いて。ひたりと孔の表面に熱くてヌルついた何か──考えずともそれがなんだか、わかってしまったのが癪だった──が、当てられる。
ひゅ、と息を引く。嘘、無理、やだ、小さくうわ言みたいに呟いて、夏目は閉じていたまぶたを開く。つむぎの方を向けば視線が絡んだ。
ふ、と彼が微笑み顔に張り付いた短い髪をかきあげる。汗が光って見えて、つむぎの雄臭い獰猛な顔が良くわかった。ずくんと腰に重たいものが溜まる。唾を飲みこみ、夏目はシーツを握りしめた。
「……おててはこっち」
つむぎの手が伸びてきて手を取られる。握りしめた手のひらに力を込め、つむぎの陰茎がなんども孔の上を撫でていく。ちゅぱ、ちゅぷ、とキスしてるみたいな音がする。
「ぁゔ……ッッ……いや、ダ……も、ヤダ……」
「大丈夫ですよ♡すぐに善くなりますからね……♡」
つぷ。切っ先が孔の中へ。熱い粘膜が体の中を貫く衝撃を待ちわびて、腹がぎゅっと締まった。
口からはあ、あ、と細切れの悲鳴なのか歓声なのかわからない声が漏れ、目の前がチカチカとスパークする。
「ふふ……キスしてるみたいにくっついてきますね……」
つむぎの手が、腰を掴んだ。力が込められ。そして。
「……ッア、ぅ……────ッあ゛、んぉ゛ッッ……♡♡♡ッ……は、……ぇゔ♡……??……ッんぐ……ッッ゛……?♡♡」
ばちん。つむぎの腰が押し付けられた。長大な肉棒がめりめりと体内を割って最奥へ。声を上げることさえできない。ようやく与えられた快感だ。思考は瞬時に爆ぜて融けた。
びくびくと腹の痙攣が止まらない。ぷしゃ、ぷしゅ、と水音が遠くで聴こえる。呆然と天井を見つめているとナカの陰茎が動き出した。
「ハメただけでお潮吹いちゃって……そんなに気持ちよかったんですか?」
わかんない。きもちいいのかも。わかんない。なにも、わかんなくて。こわい。
「っふ、ひぅゔ〜〜……ッッ!に、っしゃ、あ゛ひ……、ッッ゛〜〜〜……♡♡♡や、だァ……こわ、いィッ」
「怖くありませんよ〜?ほら、俺はここにいるから、ね?」
両手を彼の手が掴む。五指を絡め、つむぎは背を曲げて夏目の方へ近づいてくれた。ぎゅっと上も下も力を込めて抽挿を始めた彼にひたすら揺さぶられるだけだ。
陰茎がずるるっと引き抜かれ、内襞と前立腺を押しつぶしながら奥へ入ってくる。痙攣がとめられない。挿入れられるだけで体内が勝手に締まってつむぎを引き留める。
「あッ♡…んゔッ♡っが、ひゅ……ッッ♡♡♡ッあ゛……♡あ~~~♡♡♡…ふ、っぐ……、い……っ゛っ♡……ぉぐッッ♡♡」
「動くだけですっごいお潮吹いてますけど生きてますか……?」
「ひ、ンんッ♡♡あぅ、い゛……っあぐ……ッ゛ッ~~~♡♡っく、ぅアあ……!!」
つむぎが行き止まりにたどり着くだけで神経の一本までがびりびりと痺れる。ぶしゅ、ぷしゃっと夏目の陰茎からは液体があふれていた。揺さぶられるたびに陰茎からは潮が吹きあがる。
長大なそれがナカのすべてを満たす。おなかをいっぱいにさせて、つむぎが淫猥な音と共に出入りするのだ。握り締めた手にはもう力が入らない。揺さぶられるだけの夏目に、彼は手を離すと体勢を変えた。脚を抱えると肩の上に乗せ、舌から突き上げるように動き出す。熱い手のひらが下腹部に触れた。ぐぐっ、とつむぎの切っ先が入っているところを上から押されて嫌でも形を認識させられる。
「だめッッ!!そ、れ゛だめッ、だ、ぇ゛ッ!!あ、ぅお゛ッ……♡あ、ふぅぅゔゔッッ♡♡♡や、だっテ、バ、ッぁ……ンい゛ッ……ぐ、ぅ!?」
「だめじゃないですよ~?いつもこのぐらいはしているでしょう?」
腹の上をぐっぐと押されるたびにナカを締めてしまう。びくんと震える腹は、自分の意志ではどうにも制御できなかった。
「あ゛♡あ゛ーーッッ♡♡い゛ぐの、や、だッ!やだあ゛……ッお゛……ひゅ……ッおなが、でぇ……い、ッいぎ、だぐな、ィッ……ア゛……ッ♡♡こあい゛……ひッ、い゛ッ、う、ァあッッ、やだやだッ……こわ゛い、ノッ……セ、ンパ……ぃい゛っ!?あっあ……!!ふ、ぅゔ~~!!」
指が奥を押して絶頂に押し上げられる。そこの見えない落とし穴に堕ちていくような、果てのない快感が全身を襲う。びくびくっと肢体が跳ねて五感が遠ざかった。鼻水も涎も気にすることができないまま、恍惚としただらしのない顔で夏目は小さく震える。腹でイくとなにもわからなくなるから怖くて嫌なのに。
「もうちょっと頑張ってみましょうか……♡」
「ぅ゛ひっ……も、お゛……む゛りぃッ!!」
「がんばれがんばれ♡夏目くんならできますよ~♡」
「おなかッ!お゛がじぐなる゛、ぁ、ア、ヤだあッ、ア、ッあ♡……ッお゛……、……ッ゛ッ♡♡やぶ、れる゛ぅッ!……、あ、あ゛ッ……おな、か!こわ゛、れ゛るッ」
くっ、ぐぐうっ、と指がなんども腹を押す。押し込まれる度にびくん、と身体が跳ねる。止まらない。絶頂に押しやられ、体内のつむぎは動いてすらいないのに締め付ける。そしてまた快楽を得て絶頂してしまう。もう無理、これ以上は死んじゃう、はやくイけ、もうむり。
「ぅぐ……は、ぁ゛あ!んゔ、っあ♡アッ♡ア♡ひ、ィうゔ♡♡む、りっ……も、できァ゛イ゛!」
「そんなに締め付けられたら出ちゃいますって~」
「いぃ、がラッ!!は、やぐ、イけッよォ……!ぅひッ、は、あ、アっ……んゔッ……ッあ゛♡」
ぎゅううと後ろに力を込めたら挿入されている陰茎がびくっと震えた。つむぎの呼吸が浅くなっている。たぶんもうそろそろなのだろう。見上げる彼の表情は苦しそうで紅潮していた。腰が震えるような色気に夏目は息を引いた。
「ッ……」
「夏目くん、も、ほんと、出る……っ」
ぶるりと震えたつむぎに、体内に温かいものが広がる感覚がした。あ、出された。っていうかゴムしてない気がする。
ぼんやりと思って放心しているとつむぎが長く息を吐いた。
「ふっ……すみません、ナカに出しちゃいました……」
「……も、なんでも、いィ……抜ケ……」
シーツを掴んで逃げ出すために這いずる。上に逃げればいいと思ったのだが、そんなぐらいで逃げ出せるほど簡単な話じゃなかった。それにさえ気づけなかったのは夏目もまた思考を媚薬に侵されていたのだろう。
「……どこ行くんですか?」
「センパイ、の、いないッ……とこロ……」
「そんな寂しいこと言わないでくださいよ~」
がしっと腰を掴まれ引きずり戻された。じたばた暴れても簡単に抑え込まれる。どうしてだよ、そんな体格と力量の差があったと思えないのに。
つむぎのもとにまで帰ってきた夏目にキスをしまくり、体中を彼の手がまさぐる。撫でまわされているうちになんだかそういう雰囲気に戻ってしまって。まずい。このままじゃ。冷や汗が伝って彼の方を見る。にっこりと微笑み返され、まさか、喉が引きつった悲鳴をあげた。
「夏目く~ん。俺まだできそうなんですよね~」
「ヒィッ……む、りだッテ!できないかラ……!!」
「大丈夫です、できますよ〜?君の方が若いでしょう?それにこんなにカワイイ夏目くんの姿を見せられたら我慢とか無理ですって〜」
「ボクたち、は……一歳、差ッ、だってバ……!可愛くなんてッ、なイ……ッテ、ちょ、ヤメ」
つむぎの手が伸びてきて、脚を掴む。両側に開かされて彼がその間におさまった。なにしたいのか察したくないけどわかってしまった。ほんとに死んじゃうから、ねえ、センパイ。
「んむ」
「う、ァ゛ッ!?」
想像の通りと言うか、やはりというか、つむぎはおもむろに夏目の萎えていない屹立を食んだ。温かい口腔内に迎え入れられて敏感な粘膜が舌で撫でられる。待ってやばいって死んじゃう、口に出す前に声は嬌声へ変わっていた。
「あ゛ッあ゛~~!?!??だ、め……ッ、あ、ぅ、ゔッ……も、イ゛ぐ、ゥお゛ッ……!!」
先端を舌の表面がざりざりと擦る。鈴口を舌が押して、手は竿を扱いていて。暴力とさえ思うような快感が襲ってくる。イったばかりの体にこの刺激は強すぎた。
「イぎだぐな゛ぃイッッ!!も……ッ゛……っあ゛……、は……も、ぉむりッ……っヤ、だあッ……!あ♡ッア♡イぐッま゛だイ゛、っぢゃ、アっ……あぅゔゔゔ~~~!!」
射精を促され、抵抗することもできないままにつむぎの口内へすべてぶちまけた。
男としての絶頂をむかえて息ができない。目の前がちかちかと明滅している。頭がジンと痺れて身体から力が抜けた。だというのにつむぎはまだ陰茎を離そうとしない。
舌が裏筋を舐め、喉奥に切っ先が当たる。ごり、と口内の圧が強くなって腰が跳ねた。
「い゛ぅゔうゔゔッッ!???あ゛ッ!?や、なンでッ!?」
つむぎを見下しても彼はちらりと夏目を見ただけで何も返さない。彼の頭を掴むが力がろくに入らないせいで甘えているみたいだった。
「嫌ッ、も、ヤダァッ!ヴあ〜!!は、なじでッ!離、ぃ゛、れぇ゛ッッ!!ぇ゛あああ゛ッ!!」
快感が爆ぜた。ばちばちと頭の中で光がはじける。目の前さえ見えなくなって、真っ白に飛ぶ。目がぐるりと上に向いてしまう。肢体を細かく震わせ、どろどろに蕩けた顔で夏目は動けなくなる。顔どころか全身がぐちゃぐちゃだった。
「これで夏目くんもオスイキできましたね~?それでこの媚薬の効果ってあとどれくらい続くんですか?」
「……ぁふ……ッ……♡一時間、も……ッ゛ッ……♡す、ぇば……もどう……ッンぁ……♡」
「じゃああと少しですね?」
「っう……ひぐッ……、ンぐ……ッふ、ぅゔゔゔッッ……」
イったきり体の感覚が戻ってこない。おかしい、おかしくなってる。まだずっとイってるみたいで、ふわふわがとまらない。たすけて、ねえ、せんぱい──にいさん。
「夏目くん?」
「ふぐッ……は、ぁは……ッ……たすけれ゛……ッに、ぃ゛しゃ……」
「どうしたんですか……、何が……?」
「イぐのぉッ……とま、んナッ……ヒッあ、ん……ッふ、ぅあ゛♡♡……っゔゔ~~~~……!」
ぼたぼたと涙が落ちていく。とまらない絶頂感に何もかもがわからないくなって、ただ助けてほしくてつむぎに手を伸ばす。にいさん、にいさんと呼べば彼は夏目のために手を取って、肩を撫でてくれる。身体を柔らかい手つきで撫でられ、つむぎの存在をしっかりと認識できた。手にすり寄りたくて身体を丸める。
涙も鼻水も出てるし顔どころか体中真っ赤だろう。ぐずぐずと泣いているとつむぎが優しい声で「いい子」と褒めてくれる。なんだかもう全部どうでもよくなってきた。
「にい、さッ……」
「はい、ここにいますよ」
抱きしめられてようやく呼吸が落ち着いてきた。回りだした思考で、もう二度と強力な媚薬なんて作るもんか、なんて決意をして。つむぎの胸元にすり寄って目を閉じる。彼の温度と匂いに包まれて多幸感がこみ上げる。すすり泣きながらつむぎに縋りついている今の状態は普段の夏目が見たら失神ものだが、あいにくそこまで気が回らなかった。
「……やっぱり俺、君が俺のせいで泣いたり笑ったりしてくれるのがすっごく嬉しいんです」
「……ンっ」
彼の太い指が唇を撫でる。軽く押されて、夏目は瞼をこじ開け恋人を見上げた。
「だからまた、たまに俺のために泣いてください」
「……悪趣味」
夏目くんほどではありませんよ。そんな声を聞きながら、夏目の意識はゆるりと霧散していったのだった。
『逆先夏目“を”泣かせたい!』
「んぐッ……ふ、ゥンン……ッ」
最初から舌をねじ込まれ上顎を擦られる。舌を吸われ、夏目の弱い箇所ばかりを狙って動き回っている。太い舌が歯列をなぞり、ぞわぞわとした快感を腰に募らせていく。
ついうっとりとキスに夢中になってしまって抵抗することさえ忘れていた。つむぎのキスは夏目が全て仕込んだもので、だからこそ夏目好みなのだ。
つむぎの手がすり、と腰を撫でた。尻の丸みをざらついた指先でたどり、割れ目の奥……後孔に。
「ン゛んッ!?」
孔のふちを指が叩いた。夏目の下半身は彼の膝の上に乗せられていて、つむぎがやりやすいような体勢に変えられていたのだ。気づかなかったんだけど、どういうことなんだよ……。呆れてしまうが、そんな思考はすぐに霧散した。つむぎの指が中に入ってきたからだ。
「ッ!」
「媚薬ってここもゆるゆるになっちゃうんですか?いつもより挿れやすいんですけど……」
「う、ァ……筋弛緩剤、も入っ、てル……か、ラッんン……!」
「挿れやすいってことですか?」
既に指は複数入れられているようで。ぷちゅ、と音を立てながら抽挿がゆるくはじめられた。
体内を拓くだけの動きなのにどうしてだか初めて感じるほどに気持ちいい。ぴくぴくと体が快楽に震える。神経の隅々まで悦が染み渡っていく。
「ッハ……ゥ……」
体が融けるスピードが速い気がした。いつもならこんな前戯で融ける程に快楽に溺れるなんてこと、あるはずないのに。体から力が抜ける。思考が溶ける。ただ感覚を受け止めるしかできない状態にされている。
こんなに強い媚薬作ったの誰だよ。なんでこんなことになってるんだよ。
体内の指はあからさまに良い所を外して動いている。それがひどくもどかしい。身をよじってなんとかそこに指を当てようとしても上手く外されてしまう。体内の熱は燃え上がることができず、ずっとくすぶっていた。じりじりと弱火で炙られているようなむずつく感覚。
「ど、しテ……ッ?ぇ、ゔ……っ、あ、ヤ、足りナ……ッんン゛……!!」
「夏目くんってばただでさえ普段は早いんですから、セーブしないと多分すぐ気を遣っちゃうでしょう?」
指がナカを拓いていく。抜かれる度、媚肉が指に絡みついて引き止めるせいでくぽ、ちゅぽ、と音が鳴っている。羞恥心は煽られ、歯を食いしばって快楽の波に耐えようと息を詰める。けれどつむぎは指を引き抜いて。ひたりと孔の表面に熱くてヌルついた何か──考えずともそれがなんだか、わかってしまったのが癪だった──が、当てられる。
ひゅ、と息を引く。嘘、無理、やだ、小さくうわ言みたいに呟いて、夏目は閉じていたまぶたを開く。つむぎの方を向けば視線が絡んだ。
ふ、と彼が微笑み顔に張り付いた短い髪をかきあげる。汗が光って見えて、つむぎの雄臭い獰猛な顔が良くわかった。ずくんと腰に重たいものが溜まる。唾を飲みこみ、夏目はシーツを握りしめた。
「……おててはこっち」
つむぎの手が伸びてきて手を取られる。握りしめた手のひらに力を込め、つむぎの陰茎がなんども孔の上を撫でていく。ちゅぱ、ちゅぷ、とキスしてるみたいな音がする。
「ぁゔ……ッッ……いや、ダ……も、ヤダ……」
「大丈夫ですよ♡すぐに善くなりますからね……♡」
つぷ。切っ先が孔の中へ。熱い粘膜が体の中を貫く衝撃を待ちわびて、腹がぎゅっと締まった。
口からはあ、あ、と細切れの悲鳴なのか歓声なのかわからない声が漏れ、目の前がチカチカとスパークする。
「ふふ……キスしてるみたいにくっついてきますね……」
つむぎの手が、腰を掴んだ。力が込められ。そして。
「……ッア、ぅ……────ッあ゛、んぉ゛ッッ……♡♡♡ッ……は、……ぇゔ♡……??……ッんぐ……ッッ゛……?♡♡」
ばちん。つむぎの腰が押し付けられた。長大な肉棒がめりめりと体内を割って最奥へ。声を上げることさえできない。ようやく与えられた快感だ。思考は瞬時に爆ぜて融けた。
びくびくと腹の痙攣が止まらない。ぷしゃ、ぷしゅ、と水音が遠くで聴こえる。呆然と天井を見つめているとナカの陰茎が動き出した。
「ハメただけでお潮吹いちゃって……そんなに気持ちよかったんですか?」
わかんない。きもちいいのかも。わかんない。なにも、わかんなくて。こわい。
「っふ、ひぅゔ〜〜……ッッ!に、っしゃ、あ゛ひ……、ッッ゛〜〜〜……♡♡♡や、だァ……こわ、いィッ」
「怖くありませんよ〜?ほら、俺はここにいるから、ね?」
両手を彼の手が掴む。五指を絡め、つむぎは背を曲げて夏目の方へ近づいてくれた。ぎゅっと上も下も力を込めて抽挿を始めた彼にひたすら揺さぶられるだけだ。
陰茎がずるるっと引き抜かれ、内襞と前立腺を押しつぶしながら奥へ入ってくる。痙攣がとめられない。挿入れられるだけで体内が勝手に締まってつむぎを引き留める。
「あッ♡…んゔッ♡っが、ひゅ……ッッ♡♡♡ッあ゛……♡あ~~~♡♡♡…ふ、っぐ……、い……っ゛っ♡……ぉぐッッ♡♡」
「動くだけですっごいお潮吹いてますけど生きてますか……?」
「ひ、ンんッ♡♡あぅ、い゛……っあぐ……ッ゛ッ~~~♡♡っく、ぅアあ……!!」
つむぎが行き止まりにたどり着くだけで神経の一本までがびりびりと痺れる。ぶしゅ、ぷしゃっと夏目の陰茎からは液体があふれていた。揺さぶられるたびに陰茎からは潮が吹きあがる。
長大なそれがナカのすべてを満たす。おなかをいっぱいにさせて、つむぎが淫猥な音と共に出入りするのだ。握り締めた手にはもう力が入らない。揺さぶられるだけの夏目に、彼は手を離すと体勢を変えた。脚を抱えると肩の上に乗せ、舌から突き上げるように動き出す。熱い手のひらが下腹部に触れた。ぐぐっ、とつむぎの切っ先が入っているところを上から押されて嫌でも形を認識させられる。
「だめッッ!!そ、れ゛だめッ、だ、ぇ゛ッ!!あ、ぅお゛ッ……♡あ、ふぅぅゔゔッッ♡♡♡や、だっテ、バ、ッぁ……ンい゛ッ……ぐ、ぅ!?」
「だめじゃないですよ~?いつもこのぐらいはしているでしょう?」
腹の上をぐっぐと押されるたびにナカを締めてしまう。びくんと震える腹は、自分の意志ではどうにも制御できなかった。
「あ゛♡あ゛ーーッッ♡♡い゛ぐの、や、だッ!やだあ゛……ッお゛……ひゅ……ッおなが、でぇ……い、ッいぎ、だぐな、ィッ……ア゛……ッ♡♡こあい゛……ひッ、い゛ッ、う、ァあッッ、やだやだッ……こわ゛い、ノッ……セ、ンパ……ぃい゛っ!?あっあ……!!ふ、ぅゔ~~!!」
指が奥を押して絶頂に押し上げられる。そこの見えない落とし穴に堕ちていくような、果てのない快感が全身を襲う。びくびくっと肢体が跳ねて五感が遠ざかった。鼻水も涎も気にすることができないまま、恍惚としただらしのない顔で夏目は小さく震える。腹でイくとなにもわからなくなるから怖くて嫌なのに。
「もうちょっと頑張ってみましょうか……♡」
「ぅ゛ひっ……も、お゛……む゛りぃッ!!」
「がんばれがんばれ♡夏目くんならできますよ~♡」
「おなかッ!お゛がじぐなる゛、ぁ、ア、ヤだあッ、ア、ッあ♡……ッお゛……、……ッ゛ッ♡♡やぶ、れる゛ぅッ!……、あ、あ゛ッ……おな、か!こわ゛、れ゛るッ」
くっ、ぐぐうっ、と指がなんども腹を押す。押し込まれる度にびくん、と身体が跳ねる。止まらない。絶頂に押しやられ、体内のつむぎは動いてすらいないのに締め付ける。そしてまた快楽を得て絶頂してしまう。もう無理、これ以上は死んじゃう、はやくイけ、もうむり。
「ぅぐ……は、ぁ゛あ!んゔ、っあ♡アッ♡ア♡ひ、ィうゔ♡♡む、りっ……も、できァ゛イ゛!」
「そんなに締め付けられたら出ちゃいますって~」
「いぃ、がラッ!!は、やぐ、イけッよォ……!ぅひッ、は、あ、アっ……んゔッ……ッあ゛♡」
ぎゅううと後ろに力を込めたら挿入されている陰茎がびくっと震えた。つむぎの呼吸が浅くなっている。たぶんもうそろそろなのだろう。見上げる彼の表情は苦しそうで紅潮していた。腰が震えるような色気に夏目は息を引いた。
「ッ……」
「夏目くん、も、ほんと、出る……っ」
ぶるりと震えたつむぎに、体内に温かいものが広がる感覚がした。あ、出された。っていうかゴムしてない気がする。
ぼんやりと思って放心しているとつむぎが長く息を吐いた。
「ふっ……すみません、ナカに出しちゃいました……」
「……も、なんでも、いィ……抜ケ……」
シーツを掴んで逃げ出すために這いずる。上に逃げればいいと思ったのだが、そんなぐらいで逃げ出せるほど簡単な話じゃなかった。それにさえ気づけなかったのは夏目もまた思考を媚薬に侵されていたのだろう。
「……どこ行くんですか?」
「センパイ、の、いないッ……とこロ……」
「そんな寂しいこと言わないでくださいよ~」
がしっと腰を掴まれ引きずり戻された。じたばた暴れても簡単に抑え込まれる。どうしてだよ、そんな体格と力量の差があったと思えないのに。
つむぎのもとにまで帰ってきた夏目にキスをしまくり、体中を彼の手がまさぐる。撫でまわされているうちになんだかそういう雰囲気に戻ってしまって。まずい。このままじゃ。冷や汗が伝って彼の方を見る。にっこりと微笑み返され、まさか、喉が引きつった悲鳴をあげた。
「夏目く~ん。俺まだできそうなんですよね~」
「ヒィッ……む、りだッテ!できないかラ……!!」
「大丈夫です、できますよ〜?君の方が若いでしょう?それにこんなにカワイイ夏目くんの姿を見せられたら我慢とか無理ですって〜」
「ボクたち、は……一歳、差ッ、だってバ……!可愛くなんてッ、なイ……ッテ、ちょ、ヤメ」
つむぎの手が伸びてきて、脚を掴む。両側に開かされて彼がその間におさまった。なにしたいのか察したくないけどわかってしまった。ほんとに死んじゃうから、ねえ、センパイ。
「んむ」
「う、ァ゛ッ!?」
想像の通りと言うか、やはりというか、つむぎはおもむろに夏目の萎えていない屹立を食んだ。温かい口腔内に迎え入れられて敏感な粘膜が舌で撫でられる。待ってやばいって死んじゃう、口に出す前に声は嬌声へ変わっていた。
「あ゛ッあ゛~~!?!??だ、め……ッ、あ、ぅ、ゔッ……も、イ゛ぐ、ゥお゛ッ……!!」
先端を舌の表面がざりざりと擦る。鈴口を舌が押して、手は竿を扱いていて。暴力とさえ思うような快感が襲ってくる。イったばかりの体にこの刺激は強すぎた。
「イぎだぐな゛ぃイッッ!!も……ッ゛……っあ゛……、は……も、ぉむりッ……っヤ、だあッ……!あ♡ッア♡イぐッま゛だイ゛、っぢゃ、アっ……あぅゔゔゔ~~~!!」
射精を促され、抵抗することもできないままにつむぎの口内へすべてぶちまけた。
男としての絶頂をむかえて息ができない。目の前がちかちかと明滅している。頭がジンと痺れて身体から力が抜けた。だというのにつむぎはまだ陰茎を離そうとしない。
舌が裏筋を舐め、喉奥に切っ先が当たる。ごり、と口内の圧が強くなって腰が跳ねた。
「い゛ぅゔうゔゔッッ!???あ゛ッ!?や、なンでッ!?」
つむぎを見下しても彼はちらりと夏目を見ただけで何も返さない。彼の頭を掴むが力がろくに入らないせいで甘えているみたいだった。
「嫌ッ、も、ヤダァッ!ヴあ〜!!は、なじでッ!離、ぃ゛、れぇ゛ッッ!!ぇ゛あああ゛ッ!!」
快感が爆ぜた。ばちばちと頭の中で光がはじける。目の前さえ見えなくなって、真っ白に飛ぶ。目がぐるりと上に向いてしまう。肢体を細かく震わせ、どろどろに蕩けた顔で夏目は動けなくなる。顔どころか全身がぐちゃぐちゃだった。
「これで夏目くんもオスイキできましたね~?それでこの媚薬の効果ってあとどれくらい続くんですか?」
「……ぁふ……ッ……♡一時間、も……ッ゛ッ……♡す、ぇば……もどう……ッンぁ……♡」
「じゃああと少しですね?」
「っう……ひぐッ……、ンぐ……ッふ、ぅゔゔゔッッ……」
イったきり体の感覚が戻ってこない。おかしい、おかしくなってる。まだずっとイってるみたいで、ふわふわがとまらない。たすけて、ねえ、せんぱい──にいさん。
「夏目くん?」
「ふぐッ……は、ぁは……ッ……たすけれ゛……ッに、ぃ゛しゃ……」
「どうしたんですか……、何が……?」
「イぐのぉッ……とま、んナッ……ヒッあ、ん……ッふ、ぅあ゛♡♡……っゔゔ~~~~……!」
ぼたぼたと涙が落ちていく。とまらない絶頂感に何もかもがわからないくなって、ただ助けてほしくてつむぎに手を伸ばす。にいさん、にいさんと呼べば彼は夏目のために手を取って、肩を撫でてくれる。身体を柔らかい手つきで撫でられ、つむぎの存在をしっかりと認識できた。手にすり寄りたくて身体を丸める。
涙も鼻水も出てるし顔どころか体中真っ赤だろう。ぐずぐずと泣いているとつむぎが優しい声で「いい子」と褒めてくれる。なんだかもう全部どうでもよくなってきた。
「にい、さッ……」
「はい、ここにいますよ」
抱きしめられてようやく呼吸が落ち着いてきた。回りだした思考で、もう二度と強力な媚薬なんて作るもんか、なんて決意をして。つむぎの胸元にすり寄って目を閉じる。彼の温度と匂いに包まれて多幸感がこみ上げる。すすり泣きながらつむぎに縋りついている今の状態は普段の夏目が見たら失神ものだが、あいにくそこまで気が回らなかった。
「……やっぱり俺、君が俺のせいで泣いたり笑ったりしてくれるのがすっごく嬉しいんです」
「……ンっ」
彼の太い指が唇を撫でる。軽く押されて、夏目は瞼をこじ開け恋人を見上げた。
「だからまた、たまに俺のために泣いてください」
「……悪趣味」
夏目くんほどではありませんよ。そんな声を聞きながら、夏目の意識はゆるりと霧散していったのだった。
『逆先夏目“を”泣かせたい!』
