単発.長めの話まとめ
ただひたすらに、浮かされたように腰を振る。夏目の腰を小さな手が掴んで、逃がすまいと強い力で肌に指を喰い込ませている。
「ッあ゛!ひ、ァゔッ!ン゛ッ…!ン゛!!うぁあ゛ア゛ッッ!!お、待っ、ぉ、えが、待って、に、ぃさッ!あ、あ゛ッあ゛!!まっで、って、ぇゔゔッッ……!?♡」
「むりっ!むり!むりですっ!!きもち、いいっ!!なつめちゃん、きもちいい?なつめちゃんも、きちんと気持ちいいですかっ?!」
「ぁ、ッあァ~~~!!っひ、ァゔ、ァ、ァっ、いや、だ、だめ、だめだめッ!!出、ル〜〜〜……ッ゙!あ、あ゛……ッ!!」
夏目の体内に陰茎をねじ込んで、ふわふわの狭路はつむぎを包み込んで絡みついてくる。逃がさないというように締め付け、びくびくと震えている胎内は気持ちがよすぎて気を抜くと我を失って彼のことを考えずに自分の快楽だけを追いそうになってしまう。
(っ、俺、じゃなくて……なつめちゃんを、きもち、よくして、あげ、ない、と……)
ふわふわと熱と快楽に浮かれる頭で、つむぎはただ彼をよくしてあげたいと、それだけを必死に引き留めて心に刻む。ヘタクソな男は嫌われる。どこかで耳にした言葉だ。その時は意味が分からずなんとなく脳裏に揺蕩っていた言葉だが、今になって意味が分かった。だって、なつめちゃんに嫌われたくない。
腰を押し付けて、彼の体の中、しこりのある部分に陰茎を擦りつける。
「ゥア゛ッ♡ひ、は、ァ、あ゛ッあ、あ゛~~~~ッッ……!!!!」
がくんと彼の肢体が跳ねる。びくびくと収縮する体内にイったんだ、そう察して。
「また女の子みたいにイっちゃったんですか?」
しこりを小刻みに擦ると夏目の背がしなった。
「ン゛ぁあ゛あ゛ァっ♡♡ッひ、ぁ、ゥゔ~~~……ッ!?!!!ぁ、ぐ、ぅゅ゛ッ!!ア、イ゛ぐッ…!ァ、あ゛♡あ゛♡あ゛~~~ッッ♡♡♡や、ァあ゛ッッ!???!だ、め、あ、あ、あ!!イ、ぐッ、イぐイぐイ゛ぐッ!!ぅお゛……ッ……♡ッ……、…………~~~♡っあえ゛!?!!どう、しテっ!?あ゛ッ♡あ゛ゥッ♡♡に、ぃさ、あ、まっ、で、ま、ッレ……!っで、ぇエ゛♡♡待ッで、っで、ど、してッ!あ!あ!イ、っちゃ、あ、あ゛ァ~~~ッッ!!」
「きもちいい、です、ね!なつめちゃ、ね、ね、これすき?すきなんですよね?ずっとびくびくしてる……♡なか、ふわふわで、あったかくて、俺に絡みついてきて……きもちいいんですね?♡」
とんとんとんとん、としこりを突く。夏目は狂ったように喘いでいて、よほど気持ちがいいのか脚にまで力がこもって緊張している。背中に抱き着いて、汗の流れる肌を舐める。びくりと震えた。かわいい、なつめちゃん、かわいい。ぐ、と奥に押し込み、つむぎはその背中に覆いかぶさった。
「これ、きもちいい?すき?俺もなつめちゃんのことが、すきですっ♡ふふ、ずうっとびくびくって震えて、気持ちいいの終わらなくてしあわせですね~♡なつめちゃん、もっと、きもちよくなりましょっ♡♡」
「ひぃイ゛ッッ♡♡♡死んじゃウ!ね、ェ、っでバ……!!も、むりッ♡♡むりだかァ、ぁ、ああ゛あ゛ッッ♡♡♡どうし、でッ♡萎えないノ!?に、ぃ、しゃ、あぅぐッ♡♡お゛……ッ♡♡ん、お゛ッ!!」
「なつめちゃんを、満足させてあげたい、からっ♡まだまだがんばりますよっ!♡」
そういえば、と、なんとなく思いついたので覆いかぶさっている体に手を伸ばす。彼の前面を手さぐりで探し、突起を探し当てた。こりこりとしたそれをきゅ、と指でつまむ。乳首、男の子でも気持ちよくなれるのかな、という気持ちで、彼を喜ばせたくて、つまんで指で転がす。腰を動かして、彼のなかを擦り上げた。
「ッ゛あぁぁああッッ!!?!?!!ン゛ッ!!ン゛、ン゛ゥゔゔ~~!!!!」
下の体がびくりと跳ねた。夏目が喉を反らして声を上げる。ナカが震えて締め付けている。また女の子のイキ方をしてしまったみたいで。本当にこれなら男の子でも連続して何度でも達せるのだなと感心してしまう。
「ふふっ♡♡ここでも気持ちよくなれちゃうんですね~♡かわいいです、なつめちゃん、すっごいかわいい」
痙攣しているナカを緩く揺らして微弱な快楽を感じる。きもちいい。目を細めてつむぎは彼の首筋に舌を這わせる。髪に鼻先を埋めて、匂いを嗅いだ。甘くて、汗のにおいと、夏目の体臭を強く感じる。くらくらしてしまう。
「俺、もうそろそろ、イけそうなので……あと少ししかできませんけど、満足してくれたらうれしいです」
ぼんやりとしていたのか、声が聞こえてこない。えい、と腰を打つ。夏目の胸を指のさきで擦って体内のしこりを執拗に突き上げる。
「ァ、ゥえ゛ッ!?!???や、ッあ゛!?!?あ゛ゥ゛♡♡あ゛♡♡♡あ゛~~~~~!!!!♡♡♡イ゛♡♡イ、っでル!や、ま゛♡っで、止まっ゛♡テ♡ね゛ェっ!!♡♡」
「ええ?どうして?きもちいんでしょう?ほら、もっとぐりぐりしたら、うれしいですかっ?」
「あ、ぁ、ぁ、あ!!お゛ッ♡♡変ッ゛!!へ、ん、な!イ゛……、イ゛ぎ、がだ、すルッ!!!!!あ、ま、あ、あ、出るッ♡♡出、ちゃ、ア゛ゥ゛ッッ♡♡♡」
「出るって精子ですか?」
きもちよくなってくれるのなら、うれしい。つむぎが責めを止めずに彼の首筋に噛みついた。かふ、と弱い力だが、なんだかおいしそうに見えて。腰を揺らして、どくりと吐精感が襲い掛かる。
「ひッ♡ぁああ゛ッッ♡♡♡ッッ~~~~~………、…!!♡」
「ぁ、おれ、も……イ、きますっ……!なつめ、ちゃんっ!」
逆らえずにびゅる、と精液をはきだして、少し萎えたそれを引き抜いた。彼の体がどさりと床に落ちる。かすかに痙攣しているその背中を撫でてやると。
「ッ……は、ぁ……ッ!!♡♡♡」
夏目の体がおおきくいちど震えた。
ぢょろ、と液体が落ちていく音がして。尿を出したときと同じ音に驚いて夏目を見る。まさか、大人なのに。なつめちゃん、大人の男の人なのに、まさか──
「──漏らしちゃったんですか……?」
「っぅ」
「え?え?ほんとうに?大人なのに?なつめちゃん、どうして……?」
まじまじとその萎えた陰茎を見る。尿にしてはアンモニア臭がしないし、でも確かに液体が落ちていった。なんだろう。陰茎を掴んで見ていると、夏目が真っ赤な顔で睨みつけてきた。目が潤んでいるから怖くない。
「もッちがう、かラ……ッ、触らないデ…!」
「え?痛かったんですか?」
「…………ハァ、もウ、にいさん、もうちょっとデリカシーを覚えないと痛い目見ちゃうヨ……」
ぐいっと腕を引かれてその体の上に倒れ込む。彼の上で、彼の体温と匂いに包まれて。絶頂後の倦怠感も相まって、なんだか心地いい。
「つむぎにいさん」
穏やかだけど、少し掠れた声が、耳に届く。手が背中を撫でていく。汗でべたつくけど、どうしてか気持ち良さしか感じない。
「ネ……ボクが君……『青葉つむぎ』のことを大好きだっていう自覚はできタ?」
「…………へ?」
驚いて、目を丸くして。彼を見上げると優しい瞳がこちらを見下ろしていた。
「怯えていたでショ?ボクがいてモ、ボクがどれだけ未来の『センパイ』のことを好きだっテ……にいさんのことが大好きだッテ、愛しているよって伝えてモ」
「…………」
手のひらが背をゆっくり撫でおろす。甘い声がとろとろと鼓膜を撫でる。
「……大丈夫だヨ。にいさんは、幸せになれるかラ。何があってモ、何が起こってモ。このまま君の現実に戻ってしまってモ、未来のにいさんの隣にはずっとボクがいるかラ。ネ?……──つむぎにいさん。おねがい、夏目を信じて?」
胸に顔を埋める。涙が落ちていく。どうしてだろう。夏目の手が頭を撫でた。鳥の巣みたいだと、気持ち悪いと言われた、ぼさぼさのそれを、彼はまるで宝物を扱うみたいに丁寧に触れていく。
「あなたが好きだよ。なつめは、ずっと。にいさんだけが、好きだから。何が起きてもにいさんのこと、愛しているから。……だから未来には絶望だけがあるわけじゃないって、希望があるって信じて。未来はきっと良くなっていくよ。ボクの言葉なら信じられるでしょう?」
「…………ほんとう、ですか」
「夏目の言葉が信じられないって言うの?にいさんのばか」
その声が、言い方が、あんまりにもつむぎの知っている夏目ちゃんのもので。だからつむぎは笑ってしまった。くすくすと笑っていると彼の手が頬を優しく撫でる。顔を上げて、金色のきれいな澄んだ目と、視線があった。
「ウン、笑えたネ」
「……あ、なつめちゃん」
「フフ……にいさん。諦めないでね?夏目にもう一度会って、夏目のこと、愛してくれるまで、諦めちゃダメだよ?」
頬を撫で、背中をとんとんとあやすようにたたいて。夏目は愛を紡ぐ。
「君の未来では大切な人がたくさん増えて君もいろんな人に大切にしてもらえるから、だから、ここまでおいで。ボクは君が会いに来てくれるときをずっと……ずうっと待っているから」
彼の顔が寄って、額に口づけを落とされた。ちゅう、とキスはなんども顔に降り注ぐ。
「……しんじても、いいんですか……?」
「ボクは、酷い嘘はつかないからネ」
「なんですか~それ……」
「にいさん、眠くなっちゃっタ?いいヨ。おやすみ……いい夢を」
瞼が重たくて。開けていられない。夏目の心音を聞いて、彼の体温に包まれて、匂いを吸い込んで。ゆっくりと意識が落ちていく。ああ、戻ってしまう。そう思って、つむぎは、けれど抗えずに。
「なつめ、ちゃ……だい、す、……き」
それだけを告げると。彼の姿は消えていった。
「…………センパイ、どこにいったんだロ」
残された夏目は、とりあえずと起き上がり後始末のために服をかき集める。つむぎに連絡を入れると、彼からはすぐに連絡が返ってきて『不思議な体験をして、気づいたら外の公園にいました』とのことで。きっと彼も、夏目ちゃんに会ったのだろう。そんな気がして夏目は笑みを浮かべる。
「……ア、そういえば」
目に入ったカレンダーには、浮かれきった赤丸が一つ。あと数時間もしたらクリスマスだ。これはおおかた、クリスマスの奇跡とでもいうものだろうか。帰ってくるであろう冷え切ったモジャモジャのため、まずは汚れを片付けて温かいココアでも入れてやるか。夏目は手順を組み立て、鼻歌を口ずさんだのだった。
