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フェリ菊短編集

「ふぇりくん」
「なあに?キク」
「だいすきれす」
「ン゙ッ?!えっ!?な、なにいきなり」
アルコールの匂いが蔓延する室内。そこは世界会議後の元枢軸国たちが酒盛りのために集まった広いホテルの一室。床にはゴロンと酒瓶が転がり、テーブルの上には酒の入ったグラスとおつまみがわずかばかり萎びている。
フェリシアーノは菊に絡まれていた。菊が酔うほどまで飲むなんて珍しいことで、まだ酒があまり入っていなくて冷静なフェリシアーノは酔っ払った菊の見せるコロコロ変わる表情を楽しんでいた。フェリシアーノが菊のことを見ているのに気づいた菊はフェリシアーノの元へやって来て、いきなり好き、と言ったのだった。
「ふぇりくんはぁ、わたしのこと、きらいれすか?」
「えっ、いや、キクのことは好きだよ?」
「じゃありょーおもいれすねぇ!」
あははーと笑ってフェリシアーノの頭を抱き抱える菊。変な体勢になり体が痛いがフェリシアーノはどうすることも出来なかった。菊が酔うなんてよほどストレスがあったのか。うんうん考えているとふと顔に影が落ちた。
「?…!?」
顔を両手で固定され唇に菊の唇が触れた。キス、されたのだ。それもとびきり酒臭いやつ。混乱するフェリシアーノとは対照的に菊はにっこりと満面の笑みだった。
「じゃあわたしたちつきあいまひょー」
「え」
「ふぇりくんはわたしのよめです!」
そう言ったきり菊はパタリと横になり寝息を立てて寝始めた。残されたフェリシアーノは一人、顔を赤くして明日どうするべきか悩ませていた。
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