「フェリシアーノくん！」
前方から突進してくる小さな黒いカタマリ。それを受け止めてハグしてあげる。
「なぁに、菊？」
「あのですね！菊、テストで百点とったんですよ！」
「えらいなぁ、よく頑張ったね」
頭を撫でてあげると嬉しそうに目を細める菊。可愛いなぁ、まったく。
「っ、あ！子供扱いしないでくださいよ！」
「はいはい」
先程とは一転渋い表情で頬を膨らませる。プイと顔を逸らして拗ねてしまった。
「きーく、ねえ、俺は菊のこと子供扱いじゃなくてちゃんと一人の人間として見てるよ？それじゃ不満？」
「むう……でも」
「ね？きくは俺の大切な恋人だよ？それ以上でもそれ以外でもない」
「っはい！フェリシアーノくんと菊はコイビト、です！」
頬を染めてにっこりと破顔するその姿が可愛らしくて思わずドキリとしてしまった。こんな小さな子供に惚れるなんて数ヶ月前の俺なら考えもしなかったんだろうなあ。