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プリ春雑多



「翔くん」
「ん?なんだ、春歌」
翔と春歌が同棲を始めて一ヶ月。付き合っていることを隠すということは変わっていないが今まで隠し通してこれた御褒美としてシャイニング早乙女が同棲を許可シマース!と声高々に翔の楽屋の地面から現れ、宣言してくれたのでそれに甘んじてふたりきりの愛の巣を持つことになった。
翔が仕事から帰ると春歌はエプロン姿で出迎え、作ってくれていた夕食を2人、机を囲んで食べてゆったりとした休息の時間を味わっていたところ翔にもじもじと春歌が声をかけた。
「翔くんは、その…」
「なんだよ」
「……が、好きなんですか?」
「え?」
声が小さくて聞き取れなかった翔が聞き返すと春歌は赤い顔をさらに赤くして目をぎゅっと瞑って言った。
「『お姉さんに甘やかされてらぶらぶえっち』っていうのが好きなんですか?」
「っ!?っ、げほっ、ごほ…」
飲んでいたカフェオレを吹き出すことはしなかったが噎せてしまい春歌に心配され背中をさすられる。
「おっ、おま、おまえ、は、それ…なんで」
「……翔くんの部屋を掃除していたら見つけたんです」
「っ〜〜〜〜〜………」
完全に翔の失態だ。彼女に持っているAVを見つけられしかもその話をさせるなど、羞恥心で穴があったら入りたくなる。春歌は悶える翔に気付かずその話を続ける。
「わ、私には、その…あの女の人みたいにおっきい胸もないしお姉さん、なんて柄でもないから…翔くんは私なんかでいいんですか?」
「あのなぁ!」
しゅんとして俯く春歌の頭を軽く叩く。翔は頬をかいて春歌を直視出来ずにしどろもどろにあれは性癖であってイコールリアルの好みではない、と説明した。なんの羞恥プレイだこれ、と思ったが今ここでそれを口にすると春歌は「羞恥プレイってなんですか?」とか聞きかねないので翔は口に出さなかった。
「わかったか?あれはその…男のロマンというか…」
「翔くんが私といやいや付き合っているんじゃないかと思いました…」
「そんなわけねぇだろ!!」
翔はいささか自信が無さすぎる可愛い彼女を抱きしめた。そう身長は変わらないはずなのに翔よりも格段に小さくて柔らかいその温もりを腕に抱き、愛おしさで満たされる。
「いいか、春歌」
「はい!」
「俺は春歌がいいんだ。あれはその、一人暮らししてた時よくお世話になってたから捨てられてないだけで、今は見てないからな!俺にはお前だけいればいいんだよ」
「翔くん……良かったです…」
今にも泣きそうな顔をした春歌に申し訳ないことをしてしまった、と罪悪感に苛まれた翔は後であのAVは捨てよう、と決心したのだった。
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