プリ春雑多
真斗の細くて長い、綺麗な白い指がピアノの鍵盤の上で踊り旋律を奏でる。いつもならば春歌はその演奏にうっとりと耳を傾けるのだが、今日に限ってそわそわと落ち着かない。真斗の指の動きを見て、思い出すのは昨晩の行為。
あの大きな手が春歌の身体の隅々を蹂躙したという事実に顔がかあっと熱くなる。
音楽を楽しまなければいけないのに、春歌の心は熱を帯びていく。演奏が終わった後、真斗と顔を合わせればきっと真斗は春歌の考えていることを察してしまうだろう。
その時に、何をされるのか。
期待で胸が高鳴った。