短編
Name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
久しぶりに降りた駅は変わったようで何も変わってなかった。駅の向こうのパン屋さんから漂う甘くて香ばしい匂いや近くにあるパチンコ屋から漏れ出す音それらが記憶の底にあった景色を蘇らせる。私は今高校のクラス会に参加するために地元へ帰ってきている。正直、参加する予定はなかった。仲の良い子たちには個別に会っているしわざわざ時間を作ってまで来る理由も無かった。けれど友人の何気ない「今回は沖田も来るらしいよ」そんな一言で揺らいだ。高校時代、ずっと好きだった沖田総悟。けど結局告白をすることは出来ずに卒業してしまいいまだに心の奥底に未練がましく残っているのだ。そんな沖田が来ると聞いて簡単に参加を決めてしまったのだった。
*
会場になっている居酒屋に入れば懐かしい顔ぶれが揃っており一気に高校時代に戻ったような気がした。「ナマエちゃん久しぶりー!」などと声をかけてくれるクラスメイトに笑顔で相槌をうちながら無意識に視線で彼を探した。見つけた。端の方で土方や山崎のいつもの面々と一緒に話している沖田。久しぶりに見る沖田はあの頃と全然変わっていなかった、けれどあまり見たことのない私服が妙に新鮮で一瞬で心臓が跳ねるのが自分でも分かった。
結局一瞬見ただけで話しかける勇気のなかった私は仲の良かった友人たちの輪の中へ。
席が離れていたこともありその後、沖田とは話す機会もなくどんどん宴会は進んでいった。
場が盛り上がるにつれて皆お酒を飲む量も増えていく。
私も久々の空気感にテンションが上がりいつもよりもお酒が進んだ。いい感じに酔いも回った頃トイレへ。頭の中がふわふわとして心地がいい。トイレ帰りのクラスメイトに鉢合わせたので少し絡みつつもトイレへ向かった。
用を済ませ冷たい水で手を洗い、少し赤くなった頬を冷やす。取れかかっていたリップを塗り直し廊下へ出た。
その時、またもや心臓が大きく跳ねた。廊下に沖田が居たのだ。あちらも私に気付いたようで目がバチリと合った。至近距離で見る沖田は酔っているのか少し耳が赤い。
「おー、ミョウジ、久々でさァ。」
「本当!久しぶり、元気だった?」
「まーぼちぼち?つーかお前昔から声大きいの変わんねぇな。」
沖田が私の顔を覗き込みケタケタと意地悪そうに笑う。それだけで、顔に熱が集まるのがわかった。
「そんなことないでしょ、普通だよ普通」
「俺のとこまでお前たちの笑い声聞こえてやした」
「恥ずかし…てか沖田まだ土方たちと仲良いんだね」
「仲良くねぇやィ、腐れ縁ってやつでさァ」
「そっか、あー私も久々にもっと沖田と話したいわ」
酔った勢いで、半分本音の冗談を口にする。すると沖田は少し笑い私をじっと見つめた。
「…二次会行きやす?」
「ん~悩み中かな、沖田は行くの?」
本当は沖田が行くなら行きたいなんて言葉には出来ずに飲み込んだ。
「じゃあ…俺と二人でやりますかィ、二次会」
酔っていたこともあり、沖田がぼそっと言い放ったその意味がすぐには理解出来なかった。二人で、二次会?
「嫌ならいいんでさァ」
「い、嫌じゃないよ!!やろ!」
食い気味に慌ててそう言うと沖田は満足げに小さく笑った。
「ここ出たら公園で集合しようぜ。飲み直しやしょう。あいつらいたらうるせぇからな。」
「…分かった」
「じゃあ後でな」
そういって私の肩をポンと軽く叩きそのままトイレの方に消えていった。私はドキドキとうるさい心臓に手を当て深呼吸をする。予想外のことが起きてしまった。まさか二人きりになることがあるなんて思ってもいなかった。でも別に沖田のことだからそんなに意味のあることではないんだろう。
高校時代、沖田と仲良くなれたのはたまたま二人とも遅刻の常習犯だったから。そこから話をするようになりお笑い好きという共通点も見つかり仲良くなった。滅多に女子とは話さなかった沖田にとって私は唯一話しやすい女友達だったんだろう。それ以上でも以下でもない。変な期待なんてしてはいけない。そう自分に言い聞かせながら何事もなかったように席へ戻った。
*
一次会が終わるとみんなは二次会の駅前のカラオケへと移動していった。「ナマエも行こうよ!」という友人たちの誘いを「明日早いからごめんね!」と嘘までついて私一人約束の公園へと向かった。
公園に着けば、街灯の下のベンチに座っている影が見えた。それだけで心臓がうるさく跳ねる。髪を手ぐしで整え、深呼吸を一つして沖田のもとへ向かった。
「ミョウジ、おせェー」
「ごめん、中々みんなの輪から抜け出せなくて」
「これ、適当に買っておきやした」
沖田が差し出してきた袋から、缶のハイボールを選べば「おっさんくせぇ」と笑われた。隣に座り、カチリと小気味よい音を立てて乾杯する。
二人だけの二次会がスタートした。
「外で飲むお酒って美味しいねー」
「たまにはいいでさァ」
ドキドキとしていたけど程よい暗さと外の風に気持ちよさに少し気持ちが落ち着く。
「そういえば沖田ってまだ落語聞いてんの?」
「当たり前でさァ」
そこからしばらく当時二人でハマっていたお笑いの話をしたり近況を話し合った。沖田は今地元で一人暮らしをしているらしい。あの不愛想だった彼が、地元でちゃんとサラリーマンをしている。想像がつかなくてつい笑ってしまうと、そのたびに沖田が少しだけ不満げに目を細めるのが、たまらなく愛おしかった。
気づけば、あの頃に戻ったような感覚に陥る。胸がいっぱいになって、それを誤魔化すようにハイペースでお酒を煽った。一次会でのお酒も相まって自分でも分かるくらいにベロベロに酔ってしまった。缶を置く手がもたつく。
「お前、飲みすぎでィ」
「ハハ、楽しくて、つい飲みすぎちゃうね~」
「楽しくて何よりでさァ」
「…なんかこうやって、沖田と、ずっと話したかったんだよね、ずっと卒業してから会えなかったの、、さみしかった、」
酔った勢いで余計なことまで呂律の回らない口から溢れてしまう。
「…酔いすぎでさァ」
「沖田は、どーせ寂しくなかったと思うけど、さ!」
「…俺も、お前と会いたかった」
いつになく真面目そうな沖田の顔を見て胸の奥にしまってた言葉がつい出てしまう。
「……ずるいよ沖田、私さ、ずっと、沖田のこと好きだったんだよね、高校のときから。」
しまった、と思った時にはもう遅かった。言ってしまった、長年閉じ込めていた想いを。沖田の方を見るのが怖くて俯いてギュっと目をつむった。火照って仕方ない頬を夜風が撫でる。流れる沈黙に耐えきれずに私は口を開いた。
「あはは、ごめん、ごめん変なこと、言って、酔っ払いすぎるね私」
「…俺もでさァ。お前のこと好きだった」
「……え?」
間抜けな声が出た。沖田はいつも冗談ばっかり言って私のことを揶揄ってくるのでこれもそうなのかもしれない。でも沖田の顔はいつになく真剣でなんて返事をしていいのか分からなかった。
「高校の時からお前のこと好きだった、今日もお前が来るかもって思ってクラス会来たんでさァ。」
「…嘘だぁ、」
「こんなところで嘘つけるほど器用じゃねぇよ、つーか二人で抜け出そうって言ったので気付けよ」
そうやって柔らかく笑う沖田の顔を見て胸がギュっとなった。
「分かんないよそんなん、でも、…嬉しい」
「…今でもお前のこと忘れられなかった、好きでさァ」
「私も好き、だよ」
何だか恥ずかしくて死にそうになり顔を背けた。そんな私の頬を沖田は手を添えた。そのまま抗う間もなく引き寄せられ唇が重なった。時間が止まったような気がした。触れるだけのキス。
「嫌ですかィ?」
耳元で囁かれた低く掠れた声に体がゾクっとした。
「…嫌じゃない」
私の返事を聞く前にまた重なる唇。先ほどの触れるだけのキスとは違う、強引で深いキス。
「…んっ、」
後頭部を手で固定され、舌が迷いなく滑り込んでくる。口内に広がるお酒の味と、沖田の匂い。絡み合う舌に頭がぼーっとして、何も考えられない。これ酔いのせいなのか、キスのせいなのか分からない。何度も角度を変え求めてくる沖田に応えるように舌を絡ませるけど段々と息が苦しくなってきて沖田の胸を軽く押し唇を離す。肺に冷たい空気が流れ込んできても、頭の中の熱はちっとも引いてくれない。息を整えてる私を見ながら沖田は耳元に唇を寄せてこう呟いた。
「俺の家、近いけど来やすかィ」
控えめに頷く私を見て沖田は満足げに口角を上げ、絡めるように私の手を強く握り夜の街を歩き出した
お酒で火照った身体に夜風が心地いいはずなのに繋がれた手のひらから伝わる体温があまりに熱くて、頭がさらにふわふわと浮き立った。
*
どれくらい歩いたのか曖昧なまま気づけば静まり返ったマンションの一室。カチャリ、と鍵が閉まる音が響いた瞬間、照明を点ける間もなく、私は背後の扉に押し付けられていた。
「……んっ、」
暗闇の中で塞がれた唇は、公園の時よりもずっと激しく、切羽詰まっている。お酒の匂いと、沖田の匂いが混ざり合い、脳を直接かき回されるような錯覚に陥る。
「……ちょっと、待って……シャワー、浴びたい……っ」
なんとか声を絞り出し懇願すれば、沖田の唇が耳元へと移動して低い声を漏らした。
「……嫌でさァ。我慢できねェ……」
そのまま押し流されるようにベッドへと誘われシーツに身を沈めた。覆いかぶさるようにそのままキスされると私の体からすっかり力が抜ける。唇だけでは飽き足らないのか、ちゅっ♡ちゅっ♡と頭、額、鼻と至る所にキスが降り注がれる。そして首筋に唇が滑らされた。優しく舐めとられるように首筋に舌が這う。首筋を這う舌の感触が脳の芯まで痺れさせるような感覚。わざと音を立てるように吸い上げられると「あっ…ん…」たまらず小さな声が漏れた。それを見た沖田は満足そうにニヤリと笑った。
高校の時、ただの友達として笑い合っていたあの頃には想像もできなかった、男としての沖田。私の理性をじわじわと溶かしていく。
沖田は私の頬を優しく撫でるように触りその手はゆるゆると胸を揉む。布地越しに伝わる刺激は、もどかしいほどに優しくて、今の私にはあまりにも物足りなかった。くねくねと体を動かす私を見てニヤリと笑う沖田。
「どうしたんでィ」
「……直接、触ってほしい……」
恥ずかしくて小さな声でそう応えると満足そうに「やらしい女でさァ」と耳元で囁かれ手慣れた動作で上の服と下着を脱がされた。自分で懇願したものの急に恥ずかしくなり手で胸を隠していれば沖田はその手を簡単に制した。
「俺に全部見せてくだせェ」
そう言い手で柔らかな感触を確かめるように揉んだあとカリカリと爪で乳首を弾く。そして指でコリコリと弄ぶ。強すぎない痛みを感じない絶妙な愛撫に思わず声が漏れる。
沖田の顔が降りてきて今度は胸の先端を直接じゅぱじゅぱ♡と音を立てて舐められ、ザラりとした舌先で転がされるたびに、身体の芯が焼けつくように疼き太ももの内側がガクガクと震える。
「あっ…んぁ、……いやっ……」
「嫌って言うわりに随分嬉しそうな顔だねィ」
「ちが、」
否定する間もなく、沖田はその先端を口内に含み強く吸い上げた。脳の芯が痺れるような快楽が全身に回る。吸い上げられるたびに、下腹部の奥がキュン♡と疼くのが自分でも分かった。
沖田の手はお腹をなぞり、太ももの内側を愛おしそうに撫で上げ、スカートを捲し上げ下着の間を割り込ませるようにして侵入してきた。クリトリスを指の腹で優しく撫でられると思わず声が漏れる。
「あぁ…んっ……」
「ここ弱ェの?」
「そんな、こと…あっん……あっ」
快楽に耐える私を目を細めて嬉しそうに見る沖田。邪魔かというようにスカートと下着を簡単に脱がし無理やり閉じていた私の膝を割りその間に潜り込んできた。
「あ……や、だ……見ないで……」
恥ずかしさに顔を覆えば、沖田はそれを無視して、秘部のすぐそばに顔を寄せた。わざと太ももや陰部に息を吹きかける、それだけで腰が跳ねる。
「すげぇ濡れてやがる、そんなに気持ちいいですかィ」
指先で溢れた愛液をすくい取り、見せつけるようにそれを舐めとった。そして、そのまま一気に顔を埋めてきた。
「ひ……あぁっ!?」
突然の直接的な刺激に大きな声が漏れる。舌先が敏感なクリトリスをピンポイントで捉え、じゅるり♡と音を立てて吸い上げられる。
「っん、あぁ…そこ、だめぇ……っ」
逃げようとする腰を手でがっしりと固定され、逃げ場を失ったまま執拗な舌技に晒される。ざらついた舌がクリトリスを丁寧に舐め上げるたびに甘い声が止まらない。 舌全体でゆっくりと舐め上げてみたり、硬くした舌先でつついてみたり、吸ってみたり。 舌を使った執拗な愛撫に、ただ喘ぎ股をぐちゃぐちゃに濡らすことしかできない。じゅるり♡と生々しい音が静かな部屋に響き渡り、頭の中が真っ白になる。
「はぁ……、っあ……おかしくなっちゃう……んァ」
「おかしくなってくだせェ。俺がめちゃくちゃにしてやりやすから」
今度は中を確かめるように指を潜り込ませてきた。指が深く沈み込む。。指を受け入れたそこは、すでに驚くほど柔らかく解けていて、指が動くたび、ぐちゅ♡ ぐちゅ♡ と卑猥な水音が響く。同時にじゅるり♡と生々しい音を立ててクリトリスを吸い上げられる。中では指が一番敏感な場所をクイっと擦る。二つの猛烈な快楽と刺激に私の理性は完全に焼き切れた。
「ぁ、あ、い、イく……っ! イク、……んんっ!!」
背中を大きく反らせ、私は絶頂に達した。視界が真っ白に染まり指先まで痺れるような衝撃が駆け抜ける。
あまりの快感にガクガクと震える膝が沖田の肩に力なくかかった。
「はぁ、はぁ……っ、はぁっ」
ぼーっとした頭で呼吸を整えていると沖田は起き上がり優しく頭を撫でてくれた。そしてどこから出てきたのか四角い小袋を手に取り、手慣れた手つきで自身にゴムを装着する。
「……っ、待ってまだ…イッたばっか……」
「…待てねェ」
絶頂の余韻でまだひくついている秘部に、沖田の陰茎がグリグリと押し当てられた。それだけでビクビクと反応する身体。
「あ……っ、やだ、まって、……ひ、あぁぁっ!」
敏感になった入り口を、陰茎が強引に割り広げていく。
根元までゆっくりと埋め尽くされると、あまりの充足感と圧迫感に頭がどうにかなりそうになる。
「…お前の中熱すぎでさァ、こんなに締め付けてどうする気ですかィ」
沖田はまるで壊れ物を扱うかのようにゆっくりと腰を動かし始めた。一突きごとに、内側の粘膜がじっくりと擦れ合う感覚が伝わってくる。それはまるで、離れていた時間を埋めるように、お互いの存在を深く確かめ合っているかのようだった。
「あ……っ、ん、……おき、た…きもちぃ、……あんっ」
やがて、沖田は私の耳元に顔を寄せた
「……ナマエ」
不意に、沖田が私の名を呼んだ。ずっと、ずっと沖田に呼んでほしかった名前。
「ナマエ……好きでさァ。」
その瞬間、心臓が跳ねるのを通り越して、ぎゅっと締め付けられた。耳に届いた声はこれまでのどんな言葉よりも甘く、私の心の奥底に沈んでいた未練も寂しさもすべてを溶かしていく。
「あ……ぁ、総悟っ、私も……っ!」
溢れ出した感情が快楽をさらに加速させる。あまりの多幸感と身体を貫く刺激に、視界がじわりと滲んだ。
「はあ……っ、んぁ、あ……! 好き、だいすき、……っ」
止まらない涙が頬を伝う。
「……泣くほど、気持ちいいんですかィ」
沖田は腰の動きを止めぬまま優しく私の涙を指先で拭った。
「なら、もっと……おかしくしてやりやすよ」
それまでの優しさが嘘のように、腰の動きが急激に速度を増した。容赦なく激しく最奥を突く。衝撃が走るたびに、視界がチカチカと火花を散らす。沖田の指が私の指の間に割り込み指を絡めてベッドに押さえつける。そしてそのまま唇を塞がれた。
「んん、っ……ふ、ぁ……」
絡み合う指の力が増し、口内には沖田の舌が迷いなく滑り込んでくる。何度も何度も角度を変え深く口内を侵される。お互いの唾液が口端から溢れ顎まで伝わった。
「っ……、は、あ……ふぅ……っ」
一瞬唇が離れればツーっと銀の糸を引いた。沖田は熱っぽい視線で私を見下ろした。
「見てくだせェ、俺で、おかしくなってるところ」
わざと結合部が見えるように私の腰を持ち再び腰を強く叩きつけた。パンパンッ♡どちゅん♡と卑猥な音が部屋に響き渡り快感の波が怒涛の勢いで押し寄せる。沖田が一度奥まで差し入れたそれを限界まで引き抜き、また奥までどちゅん♡と力強く貫く。
「は、あぁぁぁ……っ!」
自分でも驚くような高い声が漏れる。 カリが敏感なところに擦る度に、脳髄を突き抜けるような快感の火花が散った。
「そんなにいいんですかィ」
沖田はさらに深く、重く、激しく腰を叩きつける。下腹部からキュンキュンと快感がせり上がってくる。
「あ、あああぁっ! い、イッちゃ…う…あぁ!」
再び絶頂を迎え全身が弓なりに反り、内側の壁が自分の意志とは無関係にビクビク♡と強く締め付ける。
「……っ!?くッ……!やべぇ」
私のあまりの締め付けに、沖田は短い吐息を漏らし僅かに顔を歪ませた。
「……愛してる、ナマエ」
沖田はさらに奥深くへと腰を沈め、とどめを刺すように激しく突き上げた。腰を突き入れたまま沖田は果てた。私の最奥でドクドクと熱いものが溢れ出すのを感じた。
お互いの鼓動が重なり合い、部屋の中には二人の荒い吐息だけが響く。沖田は私に覆いかぶさり重い体を預けてくる。ぼーっとする頭で沖田の背中を撫でると沖田は愛おしそうな目で私を見つめ、濡れた前髪をかき分け額にキスを落とした。
*
カーテンの隙間から差し込む朝光で目が覚めた。喉の渇きと少しだけする頭痛、腰に感じる重だるい違和感。何も纏わぬ体。意識がはっきりしてくるにつれて昨日の記憶が鮮明に蘇る。隣をふと見ればまだスヤスヤ気持ちよさそうに寝ている沖田が目に入った。私たち昨日やっちゃったんだ…急に恥ずかしさに襲われ沖田と反対の方を向き直した。勢いで昨日こんなことになってしまったけどお互いにかなり酔っていた。私は勿論、本気だったし後悔もしていない。けれど沖田の方はどうだろう『お酒の勢い』と言われてしまえばそれまでだ。たった一度のお酒の過ちとして消化されてしまうのだろうか。とりあえず服でも着て考えようとそっと起き上がろうとした瞬間、手首を掴まれベッドへ引き戻された。
「ひゃっ!?」
「どこ行くんでィ」
寝起きで掠れた低い声が妙に耳に残る。沖田は私の手首を掴んだまま、ゆっくりと顔を近づけてきた。昨夜のことを思い出し心臓がうるさく鳴り始めた。
「起きてんなら声掛けろィ」
「ご、ごめん。起こしたら悪いかと思って…あと、その昨日は…」
「昨日は?」
「その、お互い酔ってたし、なんていうか……ほら、久しぶりだったから、ついテンションが上がっちゃったというか…だから、あんまり気にしないでね?こっちもそんな本気にはしないし……」
「馬鹿かてめぇわ」
そう言って、沖田は私の頬をむにゅっと指で挟み込んだ。
「昨日あんなに鳴いて、よがりながら俺の名前呼んどいて。本気じゃねぇってどの口が言ってんでィ」
「だって…」
「何なら今、酔ってない状態で分からせてやりやしょうか?」
「ほ、本気にしてもいいの?」
「好きでもねぇ女抱くほど飢えてねェや」
嬉しさと恥ずかしさで顔に熱が集まってくる。
「私も沖田のこと好きだよ」
「そーご、でさァ」
「……総悟、大好き」
「俺も好きですぜィ、ナマエ」
言葉と一緒に重なる唇は、昨日よりもずっと優しくて、甘い。ずっと心の奥に閉じ込めていた後悔が、溶かされて消えていく。高校時代に止まっていた時計の針が今、再び動き出したのだった。
*
会場になっている居酒屋に入れば懐かしい顔ぶれが揃っており一気に高校時代に戻ったような気がした。「ナマエちゃん久しぶりー!」などと声をかけてくれるクラスメイトに笑顔で相槌をうちながら無意識に視線で彼を探した。見つけた。端の方で土方や山崎のいつもの面々と一緒に話している沖田。久しぶりに見る沖田はあの頃と全然変わっていなかった、けれどあまり見たことのない私服が妙に新鮮で一瞬で心臓が跳ねるのが自分でも分かった。
結局一瞬見ただけで話しかける勇気のなかった私は仲の良かった友人たちの輪の中へ。
席が離れていたこともありその後、沖田とは話す機会もなくどんどん宴会は進んでいった。
場が盛り上がるにつれて皆お酒を飲む量も増えていく。
私も久々の空気感にテンションが上がりいつもよりもお酒が進んだ。いい感じに酔いも回った頃トイレへ。頭の中がふわふわとして心地がいい。トイレ帰りのクラスメイトに鉢合わせたので少し絡みつつもトイレへ向かった。
用を済ませ冷たい水で手を洗い、少し赤くなった頬を冷やす。取れかかっていたリップを塗り直し廊下へ出た。
その時、またもや心臓が大きく跳ねた。廊下に沖田が居たのだ。あちらも私に気付いたようで目がバチリと合った。至近距離で見る沖田は酔っているのか少し耳が赤い。
「おー、ミョウジ、久々でさァ。」
「本当!久しぶり、元気だった?」
「まーぼちぼち?つーかお前昔から声大きいの変わんねぇな。」
沖田が私の顔を覗き込みケタケタと意地悪そうに笑う。それだけで、顔に熱が集まるのがわかった。
「そんなことないでしょ、普通だよ普通」
「俺のとこまでお前たちの笑い声聞こえてやした」
「恥ずかし…てか沖田まだ土方たちと仲良いんだね」
「仲良くねぇやィ、腐れ縁ってやつでさァ」
「そっか、あー私も久々にもっと沖田と話したいわ」
酔った勢いで、半分本音の冗談を口にする。すると沖田は少し笑い私をじっと見つめた。
「…二次会行きやす?」
「ん~悩み中かな、沖田は行くの?」
本当は沖田が行くなら行きたいなんて言葉には出来ずに飲み込んだ。
「じゃあ…俺と二人でやりますかィ、二次会」
酔っていたこともあり、沖田がぼそっと言い放ったその意味がすぐには理解出来なかった。二人で、二次会?
「嫌ならいいんでさァ」
「い、嫌じゃないよ!!やろ!」
食い気味に慌ててそう言うと沖田は満足げに小さく笑った。
「ここ出たら公園で集合しようぜ。飲み直しやしょう。あいつらいたらうるせぇからな。」
「…分かった」
「じゃあ後でな」
そういって私の肩をポンと軽く叩きそのままトイレの方に消えていった。私はドキドキとうるさい心臓に手を当て深呼吸をする。予想外のことが起きてしまった。まさか二人きりになることがあるなんて思ってもいなかった。でも別に沖田のことだからそんなに意味のあることではないんだろう。
高校時代、沖田と仲良くなれたのはたまたま二人とも遅刻の常習犯だったから。そこから話をするようになりお笑い好きという共通点も見つかり仲良くなった。滅多に女子とは話さなかった沖田にとって私は唯一話しやすい女友達だったんだろう。それ以上でも以下でもない。変な期待なんてしてはいけない。そう自分に言い聞かせながら何事もなかったように席へ戻った。
*
一次会が終わるとみんなは二次会の駅前のカラオケへと移動していった。「ナマエも行こうよ!」という友人たちの誘いを「明日早いからごめんね!」と嘘までついて私一人約束の公園へと向かった。
公園に着けば、街灯の下のベンチに座っている影が見えた。それだけで心臓がうるさく跳ねる。髪を手ぐしで整え、深呼吸を一つして沖田のもとへ向かった。
「ミョウジ、おせェー」
「ごめん、中々みんなの輪から抜け出せなくて」
「これ、適当に買っておきやした」
沖田が差し出してきた袋から、缶のハイボールを選べば「おっさんくせぇ」と笑われた。隣に座り、カチリと小気味よい音を立てて乾杯する。
二人だけの二次会がスタートした。
「外で飲むお酒って美味しいねー」
「たまにはいいでさァ」
ドキドキとしていたけど程よい暗さと外の風に気持ちよさに少し気持ちが落ち着く。
「そういえば沖田ってまだ落語聞いてんの?」
「当たり前でさァ」
そこからしばらく当時二人でハマっていたお笑いの話をしたり近況を話し合った。沖田は今地元で一人暮らしをしているらしい。あの不愛想だった彼が、地元でちゃんとサラリーマンをしている。想像がつかなくてつい笑ってしまうと、そのたびに沖田が少しだけ不満げに目を細めるのが、たまらなく愛おしかった。
気づけば、あの頃に戻ったような感覚に陥る。胸がいっぱいになって、それを誤魔化すようにハイペースでお酒を煽った。一次会でのお酒も相まって自分でも分かるくらいにベロベロに酔ってしまった。缶を置く手がもたつく。
「お前、飲みすぎでィ」
「ハハ、楽しくて、つい飲みすぎちゃうね~」
「楽しくて何よりでさァ」
「…なんかこうやって、沖田と、ずっと話したかったんだよね、ずっと卒業してから会えなかったの、、さみしかった、」
酔った勢いで余計なことまで呂律の回らない口から溢れてしまう。
「…酔いすぎでさァ」
「沖田は、どーせ寂しくなかったと思うけど、さ!」
「…俺も、お前と会いたかった」
いつになく真面目そうな沖田の顔を見て胸の奥にしまってた言葉がつい出てしまう。
「……ずるいよ沖田、私さ、ずっと、沖田のこと好きだったんだよね、高校のときから。」
しまった、と思った時にはもう遅かった。言ってしまった、長年閉じ込めていた想いを。沖田の方を見るのが怖くて俯いてギュっと目をつむった。火照って仕方ない頬を夜風が撫でる。流れる沈黙に耐えきれずに私は口を開いた。
「あはは、ごめん、ごめん変なこと、言って、酔っ払いすぎるね私」
「…俺もでさァ。お前のこと好きだった」
「……え?」
間抜けな声が出た。沖田はいつも冗談ばっかり言って私のことを揶揄ってくるのでこれもそうなのかもしれない。でも沖田の顔はいつになく真剣でなんて返事をしていいのか分からなかった。
「高校の時からお前のこと好きだった、今日もお前が来るかもって思ってクラス会来たんでさァ。」
「…嘘だぁ、」
「こんなところで嘘つけるほど器用じゃねぇよ、つーか二人で抜け出そうって言ったので気付けよ」
そうやって柔らかく笑う沖田の顔を見て胸がギュっとなった。
「分かんないよそんなん、でも、…嬉しい」
「…今でもお前のこと忘れられなかった、好きでさァ」
「私も好き、だよ」
何だか恥ずかしくて死にそうになり顔を背けた。そんな私の頬を沖田は手を添えた。そのまま抗う間もなく引き寄せられ唇が重なった。時間が止まったような気がした。触れるだけのキス。
「嫌ですかィ?」
耳元で囁かれた低く掠れた声に体がゾクっとした。
「…嫌じゃない」
私の返事を聞く前にまた重なる唇。先ほどの触れるだけのキスとは違う、強引で深いキス。
「…んっ、」
後頭部を手で固定され、舌が迷いなく滑り込んでくる。口内に広がるお酒の味と、沖田の匂い。絡み合う舌に頭がぼーっとして、何も考えられない。これ酔いのせいなのか、キスのせいなのか分からない。何度も角度を変え求めてくる沖田に応えるように舌を絡ませるけど段々と息が苦しくなってきて沖田の胸を軽く押し唇を離す。肺に冷たい空気が流れ込んできても、頭の中の熱はちっとも引いてくれない。息を整えてる私を見ながら沖田は耳元に唇を寄せてこう呟いた。
「俺の家、近いけど来やすかィ」
控えめに頷く私を見て沖田は満足げに口角を上げ、絡めるように私の手を強く握り夜の街を歩き出した
お酒で火照った身体に夜風が心地いいはずなのに繋がれた手のひらから伝わる体温があまりに熱くて、頭がさらにふわふわと浮き立った。
*
どれくらい歩いたのか曖昧なまま気づけば静まり返ったマンションの一室。カチャリ、と鍵が閉まる音が響いた瞬間、照明を点ける間もなく、私は背後の扉に押し付けられていた。
「……んっ、」
暗闇の中で塞がれた唇は、公園の時よりもずっと激しく、切羽詰まっている。お酒の匂いと、沖田の匂いが混ざり合い、脳を直接かき回されるような錯覚に陥る。
「……ちょっと、待って……シャワー、浴びたい……っ」
なんとか声を絞り出し懇願すれば、沖田の唇が耳元へと移動して低い声を漏らした。
「……嫌でさァ。我慢できねェ……」
そのまま押し流されるようにベッドへと誘われシーツに身を沈めた。覆いかぶさるようにそのままキスされると私の体からすっかり力が抜ける。唇だけでは飽き足らないのか、ちゅっ♡ちゅっ♡と頭、額、鼻と至る所にキスが降り注がれる。そして首筋に唇が滑らされた。優しく舐めとられるように首筋に舌が這う。首筋を這う舌の感触が脳の芯まで痺れさせるような感覚。わざと音を立てるように吸い上げられると「あっ…ん…」たまらず小さな声が漏れた。それを見た沖田は満足そうにニヤリと笑った。
高校の時、ただの友達として笑い合っていたあの頃には想像もできなかった、男としての沖田。私の理性をじわじわと溶かしていく。
沖田は私の頬を優しく撫でるように触りその手はゆるゆると胸を揉む。布地越しに伝わる刺激は、もどかしいほどに優しくて、今の私にはあまりにも物足りなかった。くねくねと体を動かす私を見てニヤリと笑う沖田。
「どうしたんでィ」
「……直接、触ってほしい……」
恥ずかしくて小さな声でそう応えると満足そうに「やらしい女でさァ」と耳元で囁かれ手慣れた動作で上の服と下着を脱がされた。自分で懇願したものの急に恥ずかしくなり手で胸を隠していれば沖田はその手を簡単に制した。
「俺に全部見せてくだせェ」
そう言い手で柔らかな感触を確かめるように揉んだあとカリカリと爪で乳首を弾く。そして指でコリコリと弄ぶ。強すぎない痛みを感じない絶妙な愛撫に思わず声が漏れる。
沖田の顔が降りてきて今度は胸の先端を直接じゅぱじゅぱ♡と音を立てて舐められ、ザラりとした舌先で転がされるたびに、身体の芯が焼けつくように疼き太ももの内側がガクガクと震える。
「あっ…んぁ、……いやっ……」
「嫌って言うわりに随分嬉しそうな顔だねィ」
「ちが、」
否定する間もなく、沖田はその先端を口内に含み強く吸い上げた。脳の芯が痺れるような快楽が全身に回る。吸い上げられるたびに、下腹部の奥がキュン♡と疼くのが自分でも分かった。
沖田の手はお腹をなぞり、太ももの内側を愛おしそうに撫で上げ、スカートを捲し上げ下着の間を割り込ませるようにして侵入してきた。クリトリスを指の腹で優しく撫でられると思わず声が漏れる。
「あぁ…んっ……」
「ここ弱ェの?」
「そんな、こと…あっん……あっ」
快楽に耐える私を目を細めて嬉しそうに見る沖田。邪魔かというようにスカートと下着を簡単に脱がし無理やり閉じていた私の膝を割りその間に潜り込んできた。
「あ……や、だ……見ないで……」
恥ずかしさに顔を覆えば、沖田はそれを無視して、秘部のすぐそばに顔を寄せた。わざと太ももや陰部に息を吹きかける、それだけで腰が跳ねる。
「すげぇ濡れてやがる、そんなに気持ちいいですかィ」
指先で溢れた愛液をすくい取り、見せつけるようにそれを舐めとった。そして、そのまま一気に顔を埋めてきた。
「ひ……あぁっ!?」
突然の直接的な刺激に大きな声が漏れる。舌先が敏感なクリトリスをピンポイントで捉え、じゅるり♡と音を立てて吸い上げられる。
「っん、あぁ…そこ、だめぇ……っ」
逃げようとする腰を手でがっしりと固定され、逃げ場を失ったまま執拗な舌技に晒される。ざらついた舌がクリトリスを丁寧に舐め上げるたびに甘い声が止まらない。 舌全体でゆっくりと舐め上げてみたり、硬くした舌先でつついてみたり、吸ってみたり。 舌を使った執拗な愛撫に、ただ喘ぎ股をぐちゃぐちゃに濡らすことしかできない。じゅるり♡と生々しい音が静かな部屋に響き渡り、頭の中が真っ白になる。
「はぁ……、っあ……おかしくなっちゃう……んァ」
「おかしくなってくだせェ。俺がめちゃくちゃにしてやりやすから」
今度は中を確かめるように指を潜り込ませてきた。指が深く沈み込む。。指を受け入れたそこは、すでに驚くほど柔らかく解けていて、指が動くたび、ぐちゅ♡ ぐちゅ♡ と卑猥な水音が響く。同時にじゅるり♡と生々しい音を立ててクリトリスを吸い上げられる。中では指が一番敏感な場所をクイっと擦る。二つの猛烈な快楽と刺激に私の理性は完全に焼き切れた。
「ぁ、あ、い、イく……っ! イク、……んんっ!!」
背中を大きく反らせ、私は絶頂に達した。視界が真っ白に染まり指先まで痺れるような衝撃が駆け抜ける。
あまりの快感にガクガクと震える膝が沖田の肩に力なくかかった。
「はぁ、はぁ……っ、はぁっ」
ぼーっとした頭で呼吸を整えていると沖田は起き上がり優しく頭を撫でてくれた。そしてどこから出てきたのか四角い小袋を手に取り、手慣れた手つきで自身にゴムを装着する。
「……っ、待ってまだ…イッたばっか……」
「…待てねェ」
絶頂の余韻でまだひくついている秘部に、沖田の陰茎がグリグリと押し当てられた。それだけでビクビクと反応する身体。
「あ……っ、やだ、まって、……ひ、あぁぁっ!」
敏感になった入り口を、陰茎が強引に割り広げていく。
根元までゆっくりと埋め尽くされると、あまりの充足感と圧迫感に頭がどうにかなりそうになる。
「…お前の中熱すぎでさァ、こんなに締め付けてどうする気ですかィ」
沖田はまるで壊れ物を扱うかのようにゆっくりと腰を動かし始めた。一突きごとに、内側の粘膜がじっくりと擦れ合う感覚が伝わってくる。それはまるで、離れていた時間を埋めるように、お互いの存在を深く確かめ合っているかのようだった。
「あ……っ、ん、……おき、た…きもちぃ、……あんっ」
やがて、沖田は私の耳元に顔を寄せた
「……ナマエ」
不意に、沖田が私の名を呼んだ。ずっと、ずっと沖田に呼んでほしかった名前。
「ナマエ……好きでさァ。」
その瞬間、心臓が跳ねるのを通り越して、ぎゅっと締め付けられた。耳に届いた声はこれまでのどんな言葉よりも甘く、私の心の奥底に沈んでいた未練も寂しさもすべてを溶かしていく。
「あ……ぁ、総悟っ、私も……っ!」
溢れ出した感情が快楽をさらに加速させる。あまりの多幸感と身体を貫く刺激に、視界がじわりと滲んだ。
「はあ……っ、んぁ、あ……! 好き、だいすき、……っ」
止まらない涙が頬を伝う。
「……泣くほど、気持ちいいんですかィ」
沖田は腰の動きを止めぬまま優しく私の涙を指先で拭った。
「なら、もっと……おかしくしてやりやすよ」
それまでの優しさが嘘のように、腰の動きが急激に速度を増した。容赦なく激しく最奥を突く。衝撃が走るたびに、視界がチカチカと火花を散らす。沖田の指が私の指の間に割り込み指を絡めてベッドに押さえつける。そしてそのまま唇を塞がれた。
「んん、っ……ふ、ぁ……」
絡み合う指の力が増し、口内には沖田の舌が迷いなく滑り込んでくる。何度も何度も角度を変え深く口内を侵される。お互いの唾液が口端から溢れ顎まで伝わった。
「っ……、は、あ……ふぅ……っ」
一瞬唇が離れればツーっと銀の糸を引いた。沖田は熱っぽい視線で私を見下ろした。
「見てくだせェ、俺で、おかしくなってるところ」
わざと結合部が見えるように私の腰を持ち再び腰を強く叩きつけた。パンパンッ♡どちゅん♡と卑猥な音が部屋に響き渡り快感の波が怒涛の勢いで押し寄せる。沖田が一度奥まで差し入れたそれを限界まで引き抜き、また奥までどちゅん♡と力強く貫く。
「は、あぁぁぁ……っ!」
自分でも驚くような高い声が漏れる。 カリが敏感なところに擦る度に、脳髄を突き抜けるような快感の火花が散った。
「そんなにいいんですかィ」
沖田はさらに深く、重く、激しく腰を叩きつける。下腹部からキュンキュンと快感がせり上がってくる。
「あ、あああぁっ! い、イッちゃ…う…あぁ!」
再び絶頂を迎え全身が弓なりに反り、内側の壁が自分の意志とは無関係にビクビク♡と強く締め付ける。
「……っ!?くッ……!やべぇ」
私のあまりの締め付けに、沖田は短い吐息を漏らし僅かに顔を歪ませた。
「……愛してる、ナマエ」
沖田はさらに奥深くへと腰を沈め、とどめを刺すように激しく突き上げた。腰を突き入れたまま沖田は果てた。私の最奥でドクドクと熱いものが溢れ出すのを感じた。
お互いの鼓動が重なり合い、部屋の中には二人の荒い吐息だけが響く。沖田は私に覆いかぶさり重い体を預けてくる。ぼーっとする頭で沖田の背中を撫でると沖田は愛おしそうな目で私を見つめ、濡れた前髪をかき分け額にキスを落とした。
*
カーテンの隙間から差し込む朝光で目が覚めた。喉の渇きと少しだけする頭痛、腰に感じる重だるい違和感。何も纏わぬ体。意識がはっきりしてくるにつれて昨日の記憶が鮮明に蘇る。隣をふと見ればまだスヤスヤ気持ちよさそうに寝ている沖田が目に入った。私たち昨日やっちゃったんだ…急に恥ずかしさに襲われ沖田と反対の方を向き直した。勢いで昨日こんなことになってしまったけどお互いにかなり酔っていた。私は勿論、本気だったし後悔もしていない。けれど沖田の方はどうだろう『お酒の勢い』と言われてしまえばそれまでだ。たった一度のお酒の過ちとして消化されてしまうのだろうか。とりあえず服でも着て考えようとそっと起き上がろうとした瞬間、手首を掴まれベッドへ引き戻された。
「ひゃっ!?」
「どこ行くんでィ」
寝起きで掠れた低い声が妙に耳に残る。沖田は私の手首を掴んだまま、ゆっくりと顔を近づけてきた。昨夜のことを思い出し心臓がうるさく鳴り始めた。
「起きてんなら声掛けろィ」
「ご、ごめん。起こしたら悪いかと思って…あと、その昨日は…」
「昨日は?」
「その、お互い酔ってたし、なんていうか……ほら、久しぶりだったから、ついテンションが上がっちゃったというか…だから、あんまり気にしないでね?こっちもそんな本気にはしないし……」
「馬鹿かてめぇわ」
そう言って、沖田は私の頬をむにゅっと指で挟み込んだ。
「昨日あんなに鳴いて、よがりながら俺の名前呼んどいて。本気じゃねぇってどの口が言ってんでィ」
「だって…」
「何なら今、酔ってない状態で分からせてやりやしょうか?」
「ほ、本気にしてもいいの?」
「好きでもねぇ女抱くほど飢えてねェや」
嬉しさと恥ずかしさで顔に熱が集まってくる。
「私も沖田のこと好きだよ」
「そーご、でさァ」
「……総悟、大好き」
「俺も好きですぜィ、ナマエ」
言葉と一緒に重なる唇は、昨日よりもずっと優しくて、甘い。ずっと心の奥に閉じ込めていた後悔が、溶かされて消えていく。高校時代に止まっていた時計の針が今、再び動き出したのだった。
