女中物語
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目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった。
起き上がろうとすると、手首に冷たい金属の感触。――手錠だ。一瞬で眠気が吹き飛び、全身に緊張が走った。慌てて周囲を見渡すと、そこは洋風の高級な部屋。高い天井には豪華なシャンデリア、壁際には骨董品のような装飾品が並んでいる。
どうして私、こんなところに…。昨日の記憶を一生懸命辿ってみた。昨日は九条さんとご飯を食べていて2人でお酒飲んでいたことまでは覚えているけどそこから記憶が全く思い出せない。久しぶりのお酒で酔って記憶が飛んだのかと思ったけどそんな量を飲んだ気もしない。それより九条さんはどこなのだろう?手についている手錠を外そうと体をねじっていると奥にあるドアが開いた。
「ようやくお目覚めのようだね、おはよう。」
中に入って来たのは九条さんで呆然としている私の頭を撫でてくる。
「九条さん、ここどこなんですか。」
「ここは私の家だよ。今日から一緒に暮らすんだよ。」
「一緒に暮らす?私、帰ります。」
「もう君は帰れないよ、僕と結婚して一生ここで暮らすんだよ。」
この人は何を言っているんだろう。表情も変えずずっとニコニコとした笑顔でよく分からないことを言い出す九条さんに少し恐怖を感じた。
「冗談ですよね。」
「冗談なわけないだろう。」
「からかうのもいい加減にしてください、この手錠も外してください。私帰りますから。」
「どうして君は分かってくれないんだ!」
先ほどの笑顔から一変しいきなり大声をあげ私の首に両手で締め上げる。いきなりのことで上手く酸素が取り込めない苦しい痛い。涙が自然と流れ落ちてくる。必死に抵抗すればパッと手が離れ一気に酸素が流れ込んできた。
「ゲホッゲホなにす、、るの」
「ごめんね、でも僕はナマエちゃんを一番に愛しているんだよ。それだけは分かってくれ。」
怖い、この人は普通の人じゃない。咳こみながら九条さんの方を睨む。とにかくここを脱出しないとまずい。どうにかして逃げれる方法はないだろうか、と考えているとふと真選組の皆の顔が過った。そうだ私がいつまでも帰らないとなったらさすがに怪しんでくれるはずだ。そうなったら捜索だってしてくれるはず、、でも私はただの女中だ。別に私一人が帰らないところで何の支障もないのだろう。そうなったら捜索さえ厳しいのかも知れない。そんなことを考え込んでいると九条さんがどこから持ってきたのか私の携帯電話を持っている。
「君は厄介なところで働いてるねぇ。」
そう呟き、私の電話帳に入っている近藤さんのページを開き見せてきた。
「これが真選組局長、近藤の電話番号で間違いないかな?」
「何、、する気ですか。」
「君が行方不明ってことにでもなって下手に真選組に動かれちゃ困るもんでね。さぁ今から近藤に電話をして仕事をやめると伝えなさい。」
携帯、、これはチャンスかもしれない。近藤さんに電話をして無理やりにでも助けを求めれるかも。頭の中でぐるぐると考えていると九条さんは後ろからとんでもないものを出してきた。そう銃だ。それを見て息をのんだ。
「いいかい?余計なことは言わないようにね。」
いつもの笑顔で私のおでこにぴったりと銃を突きつけた。この人は普通じゃないんだ逆らったら一発で殺される。額にひんやりとした感覚と全身に流れる尋常ではない汗そして震える手。何とか落ち着けようを深呼吸をしてみるが手の震えは止まらない。それを見ていた九条さんはそんなに怯えちゃって可愛いね。なんて言葉を掛けてきた。怖い、気持ちが悪い。
「僕が電話を持っていてあげるから君は話すだけでいいよ、出来るだろう。」
そう言い右手は相変わらず私に銃を向け、左手で携帯を持ち私の耳に当てがった。耳にあてられた携帯からはコール音が響く。
「もしもし!ナマエちゃん、今どこにいるの!」
電話に出た近藤さんの声はとても大きく耳を塞ぎたくなるようだった。
「心配かけてごめんなさい。」
自分では上手く喋れているつもりだがやはり少し声が震えている。
「そんなことよりどこにいるの?皆心配してるんだからね!」
近藤さんの声はどうしてこんなに安心してしまう声なんだろう涙が出そうになった。
「あ、あのいきなりなのですが、、本日限りで仕事を辞めさせて欲しいです。」
「えっ?何?どういうこと?ちょっと?」
「本当に、、自分勝手でごめんなさい。今までありがとうございました。」
「今までって、、ちょっと?ナマエちゃん何言ってーーーブチッ
近藤さんの声は途中で中断された。目の前にいる九条さんはよく出来たねいい子だよと頭を撫でた。あぁ私は本当にここから出られないのかもしれない。そう思うと目の前が真っ暗になるのを感じた。
沖田side
ミョウジが姿を消して一週間が経った。あいつが失踪したその日に近藤さんに電話がかかって来たらしいが声が震えていたようで拉致監禁の疑いがあるそうだ。だが俺たちはいまだに有力な情報を得られずに居た。俺たちに出来ることと言えば街の聞き込みやあいつが働いていた店からもらった顧客リストを虱潰しに当たることだが顧客の数も半端ではないのでとても骨の折れる作業だ。それに加え通常業務もあるため真選組全体であいつの捜査を出来るかと言えばそれは出来ないのが現状だ。何も進展がないことにイライラしつつ廊下を歩いていれば見たくない顔が現れた。
「おい総悟お前酷い顔だな。すげぇクマだぞ、ちょっとは休めよ。」
「分かってまさァ。」
「ミョウジのことは今五番隊に任せてある、だからお前は」
「あー俺も今日は丁度手が空いてるんで聞き込みに行ってきやす。」
土方さんの言葉を軽く流し外へと向かった。途中窓に写った自分の顔は土方さんが言うように酷い顔だ。ろくに寝ていない日が続いているからだろう。何故こんなにも必死になっているのか自分でもよく分らない。ミョウジに特別な感情を抱いていたのかと言われればそうではないと思う。だがあいつのことは毎日のようにからかっていたし、女中の中では唯一俺に言い返してくるような変わったやつだったからこちらも気を遣わずに過ごせる女だったのは間違いない。だからいきなりあいつが忽然と姿を消してしまい何だか胸にポッカリと穴が開いたような気分になっている。これがどんな感情なのかは自分でも分からない。あまり働いていない頭でそんなことを考えつつ聞き込みのため屯所を出れば任務終わりの山崎に出くわした。山崎は俺の顔を見た途端驚いた顔をしている。
「おっ沖田さん?顔色悪いですけど大丈夫ですか?お疲れのようで、、」
「おー、お前が居ない間に色々ありましてねェ。」
山崎は潜入捜査のためこの一週間ちかく屯所に居なかったためミョウジのことは知らないのであろう。俺が失踪のことを話せば目が飛び出るくらい見開き驚いている。
「どどどどういうことなんですか?えっ?今、ミョウジさん監禁されてるんですか?」
「まー生きてればどこかに監禁されてることになるな。」
「生きていればって、、それすらも分かってないってことなんですね。」
「何の進展もないんでさァ、分かっていることと言えば犯人らしき人物があいつの働いていたキャバクラの客ってことしか。」
「キャバクラの、、お客さん、、?」
山崎は何かを考えるように目を閉じ唸っている。なんだこいつ。かと思えばいきなり大声を張り上げた。
「俺その客分かるかも知れないです!」
予想外の言葉が出てきて俺の思考も一瞬止まってしまった。どうして山崎が客のことを知っている?詳しく聞き出せば前に買い出しに付き合ってもらった際に苗字に声を掛けてきた男がいたらしい。会話の内容は途切れ途切れだったらしいが【くじょうさん】そうミョウジが言っているのが聞こえたらしい。それが本当だとすれば有力な情報源だ。
「山崎、お手柄でさァ。さっそく顧客リストから探し出すぞ。」
「はい、俺も手伝います!!」
まだ100%の情報ではない、だが少しでもあいつの居場所が分かる手がかりになるそれだけで俺の中でやる気がみなぎって来た。
起き上がろうとすると、手首に冷たい金属の感触。――手錠だ。一瞬で眠気が吹き飛び、全身に緊張が走った。慌てて周囲を見渡すと、そこは洋風の高級な部屋。高い天井には豪華なシャンデリア、壁際には骨董品のような装飾品が並んでいる。
どうして私、こんなところに…。昨日の記憶を一生懸命辿ってみた。昨日は九条さんとご飯を食べていて2人でお酒飲んでいたことまでは覚えているけどそこから記憶が全く思い出せない。久しぶりのお酒で酔って記憶が飛んだのかと思ったけどそんな量を飲んだ気もしない。それより九条さんはどこなのだろう?手についている手錠を外そうと体をねじっていると奥にあるドアが開いた。
「ようやくお目覚めのようだね、おはよう。」
中に入って来たのは九条さんで呆然としている私の頭を撫でてくる。
「九条さん、ここどこなんですか。」
「ここは私の家だよ。今日から一緒に暮らすんだよ。」
「一緒に暮らす?私、帰ります。」
「もう君は帰れないよ、僕と結婚して一生ここで暮らすんだよ。」
この人は何を言っているんだろう。表情も変えずずっとニコニコとした笑顔でよく分からないことを言い出す九条さんに少し恐怖を感じた。
「冗談ですよね。」
「冗談なわけないだろう。」
「からかうのもいい加減にしてください、この手錠も外してください。私帰りますから。」
「どうして君は分かってくれないんだ!」
先ほどの笑顔から一変しいきなり大声をあげ私の首に両手で締め上げる。いきなりのことで上手く酸素が取り込めない苦しい痛い。涙が自然と流れ落ちてくる。必死に抵抗すればパッと手が離れ一気に酸素が流れ込んできた。
「ゲホッゲホなにす、、るの」
「ごめんね、でも僕はナマエちゃんを一番に愛しているんだよ。それだけは分かってくれ。」
怖い、この人は普通の人じゃない。咳こみながら九条さんの方を睨む。とにかくここを脱出しないとまずい。どうにかして逃げれる方法はないだろうか、と考えているとふと真選組の皆の顔が過った。そうだ私がいつまでも帰らないとなったらさすがに怪しんでくれるはずだ。そうなったら捜索だってしてくれるはず、、でも私はただの女中だ。別に私一人が帰らないところで何の支障もないのだろう。そうなったら捜索さえ厳しいのかも知れない。そんなことを考え込んでいると九条さんがどこから持ってきたのか私の携帯電話を持っている。
「君は厄介なところで働いてるねぇ。」
そう呟き、私の電話帳に入っている近藤さんのページを開き見せてきた。
「これが真選組局長、近藤の電話番号で間違いないかな?」
「何、、する気ですか。」
「君が行方不明ってことにでもなって下手に真選組に動かれちゃ困るもんでね。さぁ今から近藤に電話をして仕事をやめると伝えなさい。」
携帯、、これはチャンスかもしれない。近藤さんに電話をして無理やりにでも助けを求めれるかも。頭の中でぐるぐると考えていると九条さんは後ろからとんでもないものを出してきた。そう銃だ。それを見て息をのんだ。
「いいかい?余計なことは言わないようにね。」
いつもの笑顔で私のおでこにぴったりと銃を突きつけた。この人は普通じゃないんだ逆らったら一発で殺される。額にひんやりとした感覚と全身に流れる尋常ではない汗そして震える手。何とか落ち着けようを深呼吸をしてみるが手の震えは止まらない。それを見ていた九条さんはそんなに怯えちゃって可愛いね。なんて言葉を掛けてきた。怖い、気持ちが悪い。
「僕が電話を持っていてあげるから君は話すだけでいいよ、出来るだろう。」
そう言い右手は相変わらず私に銃を向け、左手で携帯を持ち私の耳に当てがった。耳にあてられた携帯からはコール音が響く。
「もしもし!ナマエちゃん、今どこにいるの!」
電話に出た近藤さんの声はとても大きく耳を塞ぎたくなるようだった。
「心配かけてごめんなさい。」
自分では上手く喋れているつもりだがやはり少し声が震えている。
「そんなことよりどこにいるの?皆心配してるんだからね!」
近藤さんの声はどうしてこんなに安心してしまう声なんだろう涙が出そうになった。
「あ、あのいきなりなのですが、、本日限りで仕事を辞めさせて欲しいです。」
「えっ?何?どういうこと?ちょっと?」
「本当に、、自分勝手でごめんなさい。今までありがとうございました。」
「今までって、、ちょっと?ナマエちゃん何言ってーーーブチッ
近藤さんの声は途中で中断された。目の前にいる九条さんはよく出来たねいい子だよと頭を撫でた。あぁ私は本当にここから出られないのかもしれない。そう思うと目の前が真っ暗になるのを感じた。
沖田side
ミョウジが姿を消して一週間が経った。あいつが失踪したその日に近藤さんに電話がかかって来たらしいが声が震えていたようで拉致監禁の疑いがあるそうだ。だが俺たちはいまだに有力な情報を得られずに居た。俺たちに出来ることと言えば街の聞き込みやあいつが働いていた店からもらった顧客リストを虱潰しに当たることだが顧客の数も半端ではないのでとても骨の折れる作業だ。それに加え通常業務もあるため真選組全体であいつの捜査を出来るかと言えばそれは出来ないのが現状だ。何も進展がないことにイライラしつつ廊下を歩いていれば見たくない顔が現れた。
「おい総悟お前酷い顔だな。すげぇクマだぞ、ちょっとは休めよ。」
「分かってまさァ。」
「ミョウジのことは今五番隊に任せてある、だからお前は」
「あー俺も今日は丁度手が空いてるんで聞き込みに行ってきやす。」
土方さんの言葉を軽く流し外へと向かった。途中窓に写った自分の顔は土方さんが言うように酷い顔だ。ろくに寝ていない日が続いているからだろう。何故こんなにも必死になっているのか自分でもよく分らない。ミョウジに特別な感情を抱いていたのかと言われればそうではないと思う。だがあいつのことは毎日のようにからかっていたし、女中の中では唯一俺に言い返してくるような変わったやつだったからこちらも気を遣わずに過ごせる女だったのは間違いない。だからいきなりあいつが忽然と姿を消してしまい何だか胸にポッカリと穴が開いたような気分になっている。これがどんな感情なのかは自分でも分からない。あまり働いていない頭でそんなことを考えつつ聞き込みのため屯所を出れば任務終わりの山崎に出くわした。山崎は俺の顔を見た途端驚いた顔をしている。
「おっ沖田さん?顔色悪いですけど大丈夫ですか?お疲れのようで、、」
「おー、お前が居ない間に色々ありましてねェ。」
山崎は潜入捜査のためこの一週間ちかく屯所に居なかったためミョウジのことは知らないのであろう。俺が失踪のことを話せば目が飛び出るくらい見開き驚いている。
「どどどどういうことなんですか?えっ?今、ミョウジさん監禁されてるんですか?」
「まー生きてればどこかに監禁されてることになるな。」
「生きていればって、、それすらも分かってないってことなんですね。」
「何の進展もないんでさァ、分かっていることと言えば犯人らしき人物があいつの働いていたキャバクラの客ってことしか。」
「キャバクラの、、お客さん、、?」
山崎は何かを考えるように目を閉じ唸っている。なんだこいつ。かと思えばいきなり大声を張り上げた。
「俺その客分かるかも知れないです!」
予想外の言葉が出てきて俺の思考も一瞬止まってしまった。どうして山崎が客のことを知っている?詳しく聞き出せば前に買い出しに付き合ってもらった際に苗字に声を掛けてきた男がいたらしい。会話の内容は途切れ途切れだったらしいが【くじょうさん】そうミョウジが言っているのが聞こえたらしい。それが本当だとすれば有力な情報源だ。
「山崎、お手柄でさァ。さっそく顧客リストから探し出すぞ。」
「はい、俺も手伝います!!」
まだ100%の情報ではない、だが少しでもあいつの居場所が分かる手がかりになるそれだけで俺の中でやる気がみなぎって来た。
