女中物語
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沖田さんが泊まることになりお爺ちゃんはテンションが上がったのか酔いつぶれてしまうし、お婆ちゃんは沖田さんのことをひどく気に入ってしまいお嫁にもらってもらいなさいだなんていう有様だ。でも何だかんだ沖田さんが馴染んでいるのが見ていて面白い。ご飯、お風呂と済ませ後は寝るだけになったのだが何故か部屋には1組だけ布団が敷かれていた。何で1組?布団を引いたお婆ちゃんに抗議をしてみたら急な来客だったため客用の布団は納戸に眠っているそうだ。お婆ちゃんは笑って2人で仲良く寝な!なんて言って寝室に行ってしまった。こんな1組の布団でこの沖田さんと一緒に寝ろと?冗談じゃない。布団を見て驚愕していれば沖田さんが声を掛けてきた。
「何ぼーっとしてんでィ。」
「だって布団1組しかないんですよ?」
「じゃあお前は居間で寝て下せェ。」
「何で私が居間?しかも布団なしで寝ろと?」
「そうでさァ、まぁそれが嫌なら2人で使うしかねぇけど。」
「えー、、だって男と女が同じ布団とか、、。」
「お前で欲情するほど飢えてねぇから心配いらねぇよ。」
何だとこのクソガキ!飄々としてる沖田さんにイラっとして、そうですかと冷たく返事をした。私だって生娘じゃあるまいし別に沖田さんが隣で寝てようが恥ずかしくもなんともないけど年頃の沖田さんのことを考えて言ってあげたのに。なんだか悩んでるのがバカらしくなる。沖田さんは布団に入りもう眠りにつこうとしている。私も部屋の電気を消し月明りを頼りに布団に入った。やっぱり近い。背中合わせでの体勢だがくっついている背中からじんわりと熱が伝わってくる。
「狭い、もっとそっちいってくだせェ。」
「私だってぎりぎりなんです、むしろ沖田さんこそそっち寄って。」
グリグリと背中で押してくるのでこちらも負けじと背中で押してみる。大体大の大人が2人で寝ようっていうのがおかしい。沖田さんは相変わらず背中で押してくるので体勢を変え沖田さんの方を向いてみた。視界には沖田さんの後頭部がドアップ。サラサラとした髪の毛、私の手は自然に沖田さんの髪の毛を触っていた。すると動きを止める沖田さん。
「おい何触ってんでィ、変態。」
「沖田さんの髪の毛サラサラだからつい触りたくなっちゃうんですよね。」
「金取るぞ金。」
「髪の毛ぐらいいいじゃないですか、ケチー。」
沖田さんに怒られるので手を引く。すると沖田さんも何故か体勢を変えたせいで対面する形になってしまった。近い、、お互いの息遣いが分かる。月明りの薄暗い部屋だが目が慣れて沖田さんの顔がはっきり分かる。目を閉じている沖田さんはそっと口を開いた。
「お前さ、もう借金とかねぇの。」
借金、なんでそのこと沖田さんが知っているのか驚いたがきっとお婆ちゃんが余計なことを話したに違いない。
「ないですよ、お婆ちゃんですね話したの。」
「婆ちゃん心配してた。お前が危ない仕事してるんじゃねぇかって。」
「、、そうですか。相変わらず心配性だなぁ。」
「心配してくれる人が居るんだから幸せじゃねぇか。大事にしろよ。」
「そうですね。ありがとうございます。」
そう返事をすればもう沖田さんは言葉を返してこなかった。眠りについたのだろうか、頬を突いてみれば柔らかい感触がした。赤ちゃんみたい。と思っていたら大きな目が開いた。
「てめぇマジで次触ったら金取るぞ。」
「あっ起きてた。ごめんなさい、沖田さんの頬って気持ちよさそうでつい。」
というかこのままの向き合ったままの体勢じゃさすがに落ち着いて寝られないと背を向ける。すると後ろから手が伸びてきてお腹を摘ままれた。
「痛い痛い、勝手に人のお腹触んないで。」
「どんだけ肉がついてるかチェックでさァ。」
「そんなチェックいらないですから!」
沖田さんを止めようと手を握る。中性的な顔に似つかわしくないようなゴツゴツとした男っぽい手。普段感じることはほとんどないけど沖田さんもちゃんと男なんだと急に恥ずかしくなり手を離した。
「もう、寝ますよ!」
「へいへい、イビキかくなよー。」
「そっちこそ!おやすみなさい。」
太陽の光で目が覚めた。もう朝か、まだぼーっとする頭。変な夢を見てしまった、沖田さんが私にキスをする夢だ。寝てる私に沖田さんが何かを話しかけてキスを落とす、そんな夢。やけにリアルで感触も感じた程だ。何て夢を見てるんだ、これじゃあ欲求不満な女みたいじゃん。まぁでもこんなに近くで寝てたからそんな夢見ても仕方ない。と自分に言い聞かせた。隣でスヤスヤと眠っている沖田さんの寝相は悪くて布団から半分以上体が出ていている。屯所に居るときもそうだが本当にこの人子供みたいだよな。気持ちよさそうに寝ている沖田さんを見て可愛いと思った。捲れている布団をかけてあげようとした時沖田さんが目を覚ました。まだ寝惚けているのだろう目が半分しか開いていない。そんな沖田さんと目が合い、ドキリとした。きっと変な夢を見てしまったせいで妙に意識してしまう。
「おはようございます。」
「、、ねみぃー。」
「まだ寝ときます?」
「いや、、腹減りやした。」
目を擦りながらそう答える沖田さんに思わず子供か、なんて言いそうになったが言葉を飲み込んだ。そんな沖田さんと一緒に居間へ行けば祖父母がもう起きており朝ごはんの支度をしていた。
「おやちょうど今起こしに行こうと思ってたんだよ!」
「おめぇら2人で寝たらしいなガハハ」
「笑いごとじゃないんだけど。」
「まぁいいじゃねぇか!沖田さんはまだ目覚めてないのか?」
「沖田さん朝弱いからまだ寝惚けてると思うよ。」
「あらあら、これ飲んで目覚まして!」
「ありがとうございやす。」
お婆ちゃんから受け取った味噌汁をゆっくりと飲んでいる。段々と目が覚めて来たのか出されたご飯をもりもりと食べている。そんな姿を見て私も出されたご飯を食べる。やっぱりお婆ちゃんのご飯は美味しい。朝食が終わりしばらくして私はお墓参りに行くために一人で家を出た。沖田さんにはゆっくりしていてくださいと伝えたので祖父母と話でもしてるだろう。少し離れたところに立っているお墓。歩いていると額にじんわりと汗がにじむ。眩しい太陽を見てふと兄を思いだした。兄が亡くなったのもこんな天気のいい日だったな。禄でもない男だったことには違いない、何回も消えろって頭で思ったこともあった。でもそんな兄でも自ら命を絶ったと聞かされた時は頭が真っ白になった。大嫌いだった、でもたった2人の兄妹、やっぱりふと今生きていたらと思うことがある。そんなことを思って歩いていればお墓についた。父も母も兄も同じお墓で眠っている。
「それがお前ん家の家族ですかィ。」
いきなり話しかけられ驚いて後ろを向けば隊服に着替えた沖田さんが立っている。
「びっくりした。沖田さん何で居るんですか?」
「こんなとこまで来ちまったからな家族にも挨拶したくなりやした。」
「あはは、なるほどきっと喜びます!てか後ろ付いて来たんですか?ストーカーだ。」
「誰がストーカーするか、つーか割と近くに居たのにぼーっとしてたのお前だろィ。」
「あー考え事しながら歩いていたから気付かなかったのかも。」
私は持ってきたお花をお墓に飾りしゃがむ。その隣に同じように沖田さんもしゃがむ。2人で手を合わせる。皆たまにしか来れなくてごめんね、私は幸せに暮らしてるよ。そっちで見守っていてね。なんて報告を済ませ目を開け隣を見れば沖田さんはお墓を見つめていた。
「うちの家族になんて挨拶してくれたんですか?」
「いつも迷惑かけられまくってますって。」
「それこっちの台詞なんですけど?」
全く沖田さんは本気なのか冗談なのか分からなくて困るな。でもお墓参りまで付いて来てくれるあたりいい人だな。沖田さんにありがとうございますと言えば、別にお前のためじゃねぇと何とも沖田さんらしい言葉が返ってきて笑ってしまった。お墓参りも済ませ沖田さんと来た道を一緒に帰る。
「沖田さんの家族は田舎に居るんですか?」
「あぁ、家族っつっても姉上しかいねぇけどな。」
前に言っていたお姉さんのことだろうか、家族がお姉さんしか居ないということは沖田さんも同じように両親が居ないんだ。気まずそうにしている私に気付いたのか沖田さんは淡々と話し出した。
「お前と同じで俺も両親が居ないんでさァ、俺が赤ん坊の時に亡くなったらしいぜ。」
「、、私と同じですね。両親の顔知らないですもん。」
「そうだな、でも俺には姉上がお前には爺ちゃん婆ちゃんが居るからいいじゃねぇか。」
「そうですね。いつか私も沖田さんのお姉さんに会ってみたいなー。」
「絶対嫌でさァ、姉上が穢れる。」
「どういう意味?どうせ私は穢れてる女ですよ!はいはい!!」
「うるせぇな、、まぁいつか機会があればな。」
「ふふ、楽しみにしてますね。」
楽しい時間は過ぎるのはあっという間でお婆ちゃんが作ってくれた昼食を食べればそろそろ江戸に帰る時間だ。もっとここに居たかったな、そう感傷に浸っていればお婆ちゃんが背中を叩いて来た。お婆ちゃんの顔を見ればニカッと歯を見せて笑い
「江戸でも頑張るんだよ!でもあんま無理すんじぇねぇぞ!」
と言ってくれて思わず泣きそうになったのをグッと堪えた。ありがとうと返すと頭をぐしゃぐしゃと撫でてくれたまるで子供のような扱いだが心地いい。お爺ちゃんは私が江戸に帰ってしまうのが寂しいのか珍しく無口だ。
「お爺ちゃんまた帰ってくるね。」
「あっちが辛くなったらいつでも帰ってこい。」
江戸に行ってからは頻繁に会うことが少なくなったおかげでこの別れの時間がとても辛い。沖田さんも祖父母にお礼を言えば2人は喜んでまた待ってるなんて答えていた。沖田さんと一緒にパトカーに乗り込む。
「2人とも元気でね!またね!」
そう私が言えば2人が手を振ってくれて鼻の奥がツンとした。ゆっくり出発した車のサイドミラーからは小さくなるまで手を振っている2人が見えて耐えていた涙が溢れた。いい歳してグズグズと泣いている私の頭に手を乗せてくる沖田さん。
「寂しいか。」
「もっと一緒に居たかったです。」
「今生の別れじゃねぇんだからまたすぐ会えまさァ。」
「、、また沖田さん送ってくれますか?」
「バーカ甘えんな。まぁでも爺ちゃんと婆ちゃんにはまた会いてぇな。」
「また一緒に来れたらいいですね。」
「そうだな。」
そう言って泣いている私を静かに見守ってくれた沖田さん。今回のことで沖田さんとの距離が縮まった気がする。もちろん嫌なところもたくさんあるけど意外と優しかったり素直じゃなかったり可愛らしいところもあったりとか。新たな沖田さんの一面を垣間見れたようで少し嬉しかった。
「何ぼーっとしてんでィ。」
「だって布団1組しかないんですよ?」
「じゃあお前は居間で寝て下せェ。」
「何で私が居間?しかも布団なしで寝ろと?」
「そうでさァ、まぁそれが嫌なら2人で使うしかねぇけど。」
「えー、、だって男と女が同じ布団とか、、。」
「お前で欲情するほど飢えてねぇから心配いらねぇよ。」
何だとこのクソガキ!飄々としてる沖田さんにイラっとして、そうですかと冷たく返事をした。私だって生娘じゃあるまいし別に沖田さんが隣で寝てようが恥ずかしくもなんともないけど年頃の沖田さんのことを考えて言ってあげたのに。なんだか悩んでるのがバカらしくなる。沖田さんは布団に入りもう眠りにつこうとしている。私も部屋の電気を消し月明りを頼りに布団に入った。やっぱり近い。背中合わせでの体勢だがくっついている背中からじんわりと熱が伝わってくる。
「狭い、もっとそっちいってくだせェ。」
「私だってぎりぎりなんです、むしろ沖田さんこそそっち寄って。」
グリグリと背中で押してくるのでこちらも負けじと背中で押してみる。大体大の大人が2人で寝ようっていうのがおかしい。沖田さんは相変わらず背中で押してくるので体勢を変え沖田さんの方を向いてみた。視界には沖田さんの後頭部がドアップ。サラサラとした髪の毛、私の手は自然に沖田さんの髪の毛を触っていた。すると動きを止める沖田さん。
「おい何触ってんでィ、変態。」
「沖田さんの髪の毛サラサラだからつい触りたくなっちゃうんですよね。」
「金取るぞ金。」
「髪の毛ぐらいいいじゃないですか、ケチー。」
沖田さんに怒られるので手を引く。すると沖田さんも何故か体勢を変えたせいで対面する形になってしまった。近い、、お互いの息遣いが分かる。月明りの薄暗い部屋だが目が慣れて沖田さんの顔がはっきり分かる。目を閉じている沖田さんはそっと口を開いた。
「お前さ、もう借金とかねぇの。」
借金、なんでそのこと沖田さんが知っているのか驚いたがきっとお婆ちゃんが余計なことを話したに違いない。
「ないですよ、お婆ちゃんですね話したの。」
「婆ちゃん心配してた。お前が危ない仕事してるんじゃねぇかって。」
「、、そうですか。相変わらず心配性だなぁ。」
「心配してくれる人が居るんだから幸せじゃねぇか。大事にしろよ。」
「そうですね。ありがとうございます。」
そう返事をすればもう沖田さんは言葉を返してこなかった。眠りについたのだろうか、頬を突いてみれば柔らかい感触がした。赤ちゃんみたい。と思っていたら大きな目が開いた。
「てめぇマジで次触ったら金取るぞ。」
「あっ起きてた。ごめんなさい、沖田さんの頬って気持ちよさそうでつい。」
というかこのままの向き合ったままの体勢じゃさすがに落ち着いて寝られないと背を向ける。すると後ろから手が伸びてきてお腹を摘ままれた。
「痛い痛い、勝手に人のお腹触んないで。」
「どんだけ肉がついてるかチェックでさァ。」
「そんなチェックいらないですから!」
沖田さんを止めようと手を握る。中性的な顔に似つかわしくないようなゴツゴツとした男っぽい手。普段感じることはほとんどないけど沖田さんもちゃんと男なんだと急に恥ずかしくなり手を離した。
「もう、寝ますよ!」
「へいへい、イビキかくなよー。」
「そっちこそ!おやすみなさい。」
太陽の光で目が覚めた。もう朝か、まだぼーっとする頭。変な夢を見てしまった、沖田さんが私にキスをする夢だ。寝てる私に沖田さんが何かを話しかけてキスを落とす、そんな夢。やけにリアルで感触も感じた程だ。何て夢を見てるんだ、これじゃあ欲求不満な女みたいじゃん。まぁでもこんなに近くで寝てたからそんな夢見ても仕方ない。と自分に言い聞かせた。隣でスヤスヤと眠っている沖田さんの寝相は悪くて布団から半分以上体が出ていている。屯所に居るときもそうだが本当にこの人子供みたいだよな。気持ちよさそうに寝ている沖田さんを見て可愛いと思った。捲れている布団をかけてあげようとした時沖田さんが目を覚ました。まだ寝惚けているのだろう目が半分しか開いていない。そんな沖田さんと目が合い、ドキリとした。きっと変な夢を見てしまったせいで妙に意識してしまう。
「おはようございます。」
「、、ねみぃー。」
「まだ寝ときます?」
「いや、、腹減りやした。」
目を擦りながらそう答える沖田さんに思わず子供か、なんて言いそうになったが言葉を飲み込んだ。そんな沖田さんと一緒に居間へ行けば祖父母がもう起きており朝ごはんの支度をしていた。
「おやちょうど今起こしに行こうと思ってたんだよ!」
「おめぇら2人で寝たらしいなガハハ」
「笑いごとじゃないんだけど。」
「まぁいいじゃねぇか!沖田さんはまだ目覚めてないのか?」
「沖田さん朝弱いからまだ寝惚けてると思うよ。」
「あらあら、これ飲んで目覚まして!」
「ありがとうございやす。」
お婆ちゃんから受け取った味噌汁をゆっくりと飲んでいる。段々と目が覚めて来たのか出されたご飯をもりもりと食べている。そんな姿を見て私も出されたご飯を食べる。やっぱりお婆ちゃんのご飯は美味しい。朝食が終わりしばらくして私はお墓参りに行くために一人で家を出た。沖田さんにはゆっくりしていてくださいと伝えたので祖父母と話でもしてるだろう。少し離れたところに立っているお墓。歩いていると額にじんわりと汗がにじむ。眩しい太陽を見てふと兄を思いだした。兄が亡くなったのもこんな天気のいい日だったな。禄でもない男だったことには違いない、何回も消えろって頭で思ったこともあった。でもそんな兄でも自ら命を絶ったと聞かされた時は頭が真っ白になった。大嫌いだった、でもたった2人の兄妹、やっぱりふと今生きていたらと思うことがある。そんなことを思って歩いていればお墓についた。父も母も兄も同じお墓で眠っている。
「それがお前ん家の家族ですかィ。」
いきなり話しかけられ驚いて後ろを向けば隊服に着替えた沖田さんが立っている。
「びっくりした。沖田さん何で居るんですか?」
「こんなとこまで来ちまったからな家族にも挨拶したくなりやした。」
「あはは、なるほどきっと喜びます!てか後ろ付いて来たんですか?ストーカーだ。」
「誰がストーカーするか、つーか割と近くに居たのにぼーっとしてたのお前だろィ。」
「あー考え事しながら歩いていたから気付かなかったのかも。」
私は持ってきたお花をお墓に飾りしゃがむ。その隣に同じように沖田さんもしゃがむ。2人で手を合わせる。皆たまにしか来れなくてごめんね、私は幸せに暮らしてるよ。そっちで見守っていてね。なんて報告を済ませ目を開け隣を見れば沖田さんはお墓を見つめていた。
「うちの家族になんて挨拶してくれたんですか?」
「いつも迷惑かけられまくってますって。」
「それこっちの台詞なんですけど?」
全く沖田さんは本気なのか冗談なのか分からなくて困るな。でもお墓参りまで付いて来てくれるあたりいい人だな。沖田さんにありがとうございますと言えば、別にお前のためじゃねぇと何とも沖田さんらしい言葉が返ってきて笑ってしまった。お墓参りも済ませ沖田さんと来た道を一緒に帰る。
「沖田さんの家族は田舎に居るんですか?」
「あぁ、家族っつっても姉上しかいねぇけどな。」
前に言っていたお姉さんのことだろうか、家族がお姉さんしか居ないということは沖田さんも同じように両親が居ないんだ。気まずそうにしている私に気付いたのか沖田さんは淡々と話し出した。
「お前と同じで俺も両親が居ないんでさァ、俺が赤ん坊の時に亡くなったらしいぜ。」
「、、私と同じですね。両親の顔知らないですもん。」
「そうだな、でも俺には姉上がお前には爺ちゃん婆ちゃんが居るからいいじゃねぇか。」
「そうですね。いつか私も沖田さんのお姉さんに会ってみたいなー。」
「絶対嫌でさァ、姉上が穢れる。」
「どういう意味?どうせ私は穢れてる女ですよ!はいはい!!」
「うるせぇな、、まぁいつか機会があればな。」
「ふふ、楽しみにしてますね。」
楽しい時間は過ぎるのはあっという間でお婆ちゃんが作ってくれた昼食を食べればそろそろ江戸に帰る時間だ。もっとここに居たかったな、そう感傷に浸っていればお婆ちゃんが背中を叩いて来た。お婆ちゃんの顔を見ればニカッと歯を見せて笑い
「江戸でも頑張るんだよ!でもあんま無理すんじぇねぇぞ!」
と言ってくれて思わず泣きそうになったのをグッと堪えた。ありがとうと返すと頭をぐしゃぐしゃと撫でてくれたまるで子供のような扱いだが心地いい。お爺ちゃんは私が江戸に帰ってしまうのが寂しいのか珍しく無口だ。
「お爺ちゃんまた帰ってくるね。」
「あっちが辛くなったらいつでも帰ってこい。」
江戸に行ってからは頻繁に会うことが少なくなったおかげでこの別れの時間がとても辛い。沖田さんも祖父母にお礼を言えば2人は喜んでまた待ってるなんて答えていた。沖田さんと一緒にパトカーに乗り込む。
「2人とも元気でね!またね!」
そう私が言えば2人が手を振ってくれて鼻の奥がツンとした。ゆっくり出発した車のサイドミラーからは小さくなるまで手を振っている2人が見えて耐えていた涙が溢れた。いい歳してグズグズと泣いている私の頭に手を乗せてくる沖田さん。
「寂しいか。」
「もっと一緒に居たかったです。」
「今生の別れじゃねぇんだからまたすぐ会えまさァ。」
「、、また沖田さん送ってくれますか?」
「バーカ甘えんな。まぁでも爺ちゃんと婆ちゃんにはまた会いてぇな。」
「また一緒に来れたらいいですね。」
「そうだな。」
そう言って泣いている私を静かに見守ってくれた沖田さん。今回のことで沖田さんとの距離が縮まった気がする。もちろん嫌なところもたくさんあるけど意外と優しかったり素直じゃなかったり可愛らしいところもあったりとか。新たな沖田さんの一面を垣間見れたようで少し嬉しかった。
