女中物語
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九条さんに無理やりここに連れてこられて、どれくらいの時間が経っただろうか。
この部屋には時計も窓もなく、時間も曜日の感覚もすっかり失ってしまった。けれど、少なくとも一週間以上は経っているはずだ。私はいまだに九条さんの監視下に置かれ、自由を奪われた生活を強いられている。九条さんが部屋にいる間や、トイレ・お風呂のときには手錠を外してもらえるが、その代わりに足には鎖をつけられ、動きを制限される。そして彼が部屋を離れると、今度は再び手錠をかけられる、そんな生活だ。初めこそもうここに一生居なければいけないかもしれないと絶望していたが、どうにかしてここを抜け出してやるという気になっていた。
とにかく脱出するにはまずは九条さんの隙をつかなければならない。そのためには今は従順に九条さんに従い少しでも自由にさせてもらえる時間を増やさないといけないのだ。そんなことを考えていれば九条さんがご飯を持って部屋に入ってきた。
「ご飯だよ。君は今日も可愛いね。」
お盆をテーブルの上に置き、私の髪の毛を愛おしそうに撫で、次は手を撫でられ手錠を外してくれる。気持ちが悪くて仕方ないがここは我慢をするしかない。ご飯はかろうじて一人で食べさせてもらえる。ここへ来てから食欲もないがお盆に乗っているスープをゆっくりとすすった。そしてご飯をゆっくりと口に運んでいく。
「ご馳走様です。」
「美味しかったかな?」
「はい、ありがとうございます。」
「はは、いい子だね。」
ご飯の食べ終わった私の顔を撫で頬に自分の唇を触れさせる。気持ちが悪くて今食べたものが上に上がってきそうなのをグっと我慢した。その時家のチャイムが鳴った。私がここに来てから初めて聞くチャイム音。来客だろうか?九条さんは私の手にまた手錠を付けた。
「静かに待ってるんだよ。」
そう言ってドア閉め出て行った。私はボスッとベットに倒れ込んだ。一体だれが来たんだろう。もし来客だとしたら大きい声を出したら助けてくれるかもしれないでも失敗したら、、考えると怖くなり枕に顔を埋めた。静かな部屋でぼーっとしていれば下の方からガタンという大きな音が聞こえた。その音に驚いた私は耳を澄ました。何が起きたのだろう。すると今度は複数のバタバタと階段を上ってくる音、そして九条さんが怒鳴っている声が聞こえる。そして微かに聞こえた自分を呼ぶ声。少しの希望が確信に変わった。誰かが助けに来てくれたんだ。私は今出せる最大限の声を出し「助けて!」と何回も叫んだ。お願い気付いて。ドアの方を向き祈っていればドアが勢いよく開いた。そこには真選組一番隊、新井さんが居た。久しぶりに見る真選組の制服に込み上げてくるものを抑えきれず自然と涙がこぼれ落ちる。
「おっ沖田隊長、ミョウジさん発見しました!!」
新井さんがそう叫べば後ろから走って現れたのは沖田さんだった。私の姿を見て一瞬驚いたような顔をしたがすぐにこちらに駆け寄って来た。泣きながら沖田さんの名前を呼べば沖田さんの香りに包まれた。いきなりのことに少し驚いたがそれよりも安堵感の方が勝ち涙が止まらない。
「怖かったぁ、、沖田さん怖かったよぉ、、」
声を上げて泣いたのなんて、いつぶりだろう。涙が止まらなかった。沖田さんは何も言わず、ただ強く私を抱きしめてくれた。
「僕のナマエちゃんに触るな!」
「沖田さん危ないです!!」
そうドアの方から九条さんの怒鳴り声と新井さんの声が響いた。2人で声の方へ顔を向ければ九条さんが銃を沖田さんの方に向けている。
「ふざけるな、お前のような穢れたやつが僕のナマエちゃんに触れるなんて許さん!」
「あんたこそ何勘違いしてんでィ。こいつはお前のもんじゃねぇよ。気持ち悪いこと言ってんじゃねぇオッサン。」
「うっ、煩い、黙れ!!」
九条さんは今にも銃を撃ちだしそうなほどに興奮しているようだ。横目で沖田さんの方を見れば怖いほどに無表情。そしてこの騒ぎに周囲にいた隊士たちも刀を構えて部屋に入ってきたが、沖田さんは手を出すなと制した。
「俺のこと撃つんじゃねぇんですかィ?ちゃんとここ狙えよ。」
沖田さんが自分の心臓を指さしてニヤリと笑った。そして九条さんの元へゆっくりと近づいて行く。
「糞餓鬼が!舐めやがって!」
バンバンバンッと部屋の中に大きな銃声の音が鳴り響き咄嗟に目を閉じベッドに伏せた。部屋が静寂に包まれ私も恐る恐る目を開けてみる。倒れている九条さんと刀を納めている沖田さんが目に入った。
「く、九条さん死んじゃったんですか、、。」
「殺しても良かったんですけどねィ、残念ながら気失ってるだけでさァ。」
こちらを向いた沖田さんをよく見てみれば頬に血が滲んでいる。
「沖田さん顔、怪我してるじゃないですか。」
そう言うと、沖田さんは怪我のうちに入んねェよ、と軽く笑った。
そして九条さんが持っていた手錠の鍵を取り、私の手錠を外してくれた。
その後九条さんは身柄を拘束され連れていかれた。私は怪我はないものの監禁されていたということで念のため病院で検査を受けることになり救急車で病院送りへ。軽い栄養失調はあったものの健康状態に支障は無いと判断され屯所へ帰ることを許可された。診察室を出れば沖田さんが待合室に座っているのを発見した。声を掛けようかと思った時沖田さんがこちらに気付き目が合ったのでゆっくりと近づいた。
「どうだった?」
「異常なかったので帰っていいそうです。」
「そうですかィ、、じゃあ帰るぞ。」
そう言って沖田さんはスタスタと歩いて行くので私も後を追った。そして沖田さんの運転するパトカーで屯所まで帰ることとなった。2人きりの車の中は怖い程に静かだ。横目で沖田さんを見てみるが前を向いて運転をしている。沖田さんに会うのは久しぶりだがこんなに静かな沖田さんは初めてで少し緊張した。
「沖田さん、ご迷惑かけちゃってすいません、、。」
「、、あぁ。そういえば何にもされてねぇんですか、あの九条ってやつに。」
「何もって?」
「その襲われたとかそういう」
「あぁ全然何も、、まぁキスとか触られたりはしましたけどそれ以上は何も。」
あははと自虐的に笑ったが明らかに空気は重い。
「、、お前もう二度と簡単に男に付いて行くなよ。」
怒っているような声でこちらを一切見ずにそう言った沖田さんはそれから屯所に着くまで一言も話さなかった。
屯所に戻ると、門の前で多くの人が出迎えてくれた。
小梅ちゃんや近藤さんが泣きながら抱きしめてくれて、私も思わず涙があふれた。
女中仲間や隊士の皆も口々に声をかけてくれる。
私はようやく、自分の“帰る場所”に戻ってこれたのだと心の底から実感した。
この部屋には時計も窓もなく、時間も曜日の感覚もすっかり失ってしまった。けれど、少なくとも一週間以上は経っているはずだ。私はいまだに九条さんの監視下に置かれ、自由を奪われた生活を強いられている。九条さんが部屋にいる間や、トイレ・お風呂のときには手錠を外してもらえるが、その代わりに足には鎖をつけられ、動きを制限される。そして彼が部屋を離れると、今度は再び手錠をかけられる、そんな生活だ。初めこそもうここに一生居なければいけないかもしれないと絶望していたが、どうにかしてここを抜け出してやるという気になっていた。
とにかく脱出するにはまずは九条さんの隙をつかなければならない。そのためには今は従順に九条さんに従い少しでも自由にさせてもらえる時間を増やさないといけないのだ。そんなことを考えていれば九条さんがご飯を持って部屋に入ってきた。
「ご飯だよ。君は今日も可愛いね。」
お盆をテーブルの上に置き、私の髪の毛を愛おしそうに撫で、次は手を撫でられ手錠を外してくれる。気持ちが悪くて仕方ないがここは我慢をするしかない。ご飯はかろうじて一人で食べさせてもらえる。ここへ来てから食欲もないがお盆に乗っているスープをゆっくりとすすった。そしてご飯をゆっくりと口に運んでいく。
「ご馳走様です。」
「美味しかったかな?」
「はい、ありがとうございます。」
「はは、いい子だね。」
ご飯の食べ終わった私の顔を撫で頬に自分の唇を触れさせる。気持ちが悪くて今食べたものが上に上がってきそうなのをグっと我慢した。その時家のチャイムが鳴った。私がここに来てから初めて聞くチャイム音。来客だろうか?九条さんは私の手にまた手錠を付けた。
「静かに待ってるんだよ。」
そう言ってドア閉め出て行った。私はボスッとベットに倒れ込んだ。一体だれが来たんだろう。もし来客だとしたら大きい声を出したら助けてくれるかもしれないでも失敗したら、、考えると怖くなり枕に顔を埋めた。静かな部屋でぼーっとしていれば下の方からガタンという大きな音が聞こえた。その音に驚いた私は耳を澄ました。何が起きたのだろう。すると今度は複数のバタバタと階段を上ってくる音、そして九条さんが怒鳴っている声が聞こえる。そして微かに聞こえた自分を呼ぶ声。少しの希望が確信に変わった。誰かが助けに来てくれたんだ。私は今出せる最大限の声を出し「助けて!」と何回も叫んだ。お願い気付いて。ドアの方を向き祈っていればドアが勢いよく開いた。そこには真選組一番隊、新井さんが居た。久しぶりに見る真選組の制服に込み上げてくるものを抑えきれず自然と涙がこぼれ落ちる。
「おっ沖田隊長、ミョウジさん発見しました!!」
新井さんがそう叫べば後ろから走って現れたのは沖田さんだった。私の姿を見て一瞬驚いたような顔をしたがすぐにこちらに駆け寄って来た。泣きながら沖田さんの名前を呼べば沖田さんの香りに包まれた。いきなりのことに少し驚いたがそれよりも安堵感の方が勝ち涙が止まらない。
「怖かったぁ、、沖田さん怖かったよぉ、、」
声を上げて泣いたのなんて、いつぶりだろう。涙が止まらなかった。沖田さんは何も言わず、ただ強く私を抱きしめてくれた。
「僕のナマエちゃんに触るな!」
「沖田さん危ないです!!」
そうドアの方から九条さんの怒鳴り声と新井さんの声が響いた。2人で声の方へ顔を向ければ九条さんが銃を沖田さんの方に向けている。
「ふざけるな、お前のような穢れたやつが僕のナマエちゃんに触れるなんて許さん!」
「あんたこそ何勘違いしてんでィ。こいつはお前のもんじゃねぇよ。気持ち悪いこと言ってんじゃねぇオッサン。」
「うっ、煩い、黙れ!!」
九条さんは今にも銃を撃ちだしそうなほどに興奮しているようだ。横目で沖田さんの方を見れば怖いほどに無表情。そしてこの騒ぎに周囲にいた隊士たちも刀を構えて部屋に入ってきたが、沖田さんは手を出すなと制した。
「俺のこと撃つんじゃねぇんですかィ?ちゃんとここ狙えよ。」
沖田さんが自分の心臓を指さしてニヤリと笑った。そして九条さんの元へゆっくりと近づいて行く。
「糞餓鬼が!舐めやがって!」
バンバンバンッと部屋の中に大きな銃声の音が鳴り響き咄嗟に目を閉じベッドに伏せた。部屋が静寂に包まれ私も恐る恐る目を開けてみる。倒れている九条さんと刀を納めている沖田さんが目に入った。
「く、九条さん死んじゃったんですか、、。」
「殺しても良かったんですけどねィ、残念ながら気失ってるだけでさァ。」
こちらを向いた沖田さんをよく見てみれば頬に血が滲んでいる。
「沖田さん顔、怪我してるじゃないですか。」
そう言うと、沖田さんは怪我のうちに入んねェよ、と軽く笑った。
そして九条さんが持っていた手錠の鍵を取り、私の手錠を外してくれた。
その後九条さんは身柄を拘束され連れていかれた。私は怪我はないものの監禁されていたということで念のため病院で検査を受けることになり救急車で病院送りへ。軽い栄養失調はあったものの健康状態に支障は無いと判断され屯所へ帰ることを許可された。診察室を出れば沖田さんが待合室に座っているのを発見した。声を掛けようかと思った時沖田さんがこちらに気付き目が合ったのでゆっくりと近づいた。
「どうだった?」
「異常なかったので帰っていいそうです。」
「そうですかィ、、じゃあ帰るぞ。」
そう言って沖田さんはスタスタと歩いて行くので私も後を追った。そして沖田さんの運転するパトカーで屯所まで帰ることとなった。2人きりの車の中は怖い程に静かだ。横目で沖田さんを見てみるが前を向いて運転をしている。沖田さんに会うのは久しぶりだがこんなに静かな沖田さんは初めてで少し緊張した。
「沖田さん、ご迷惑かけちゃってすいません、、。」
「、、あぁ。そういえば何にもされてねぇんですか、あの九条ってやつに。」
「何もって?」
「その襲われたとかそういう」
「あぁ全然何も、、まぁキスとか触られたりはしましたけどそれ以上は何も。」
あははと自虐的に笑ったが明らかに空気は重い。
「、、お前もう二度と簡単に男に付いて行くなよ。」
怒っているような声でこちらを一切見ずにそう言った沖田さんはそれから屯所に着くまで一言も話さなかった。
屯所に戻ると、門の前で多くの人が出迎えてくれた。
小梅ちゃんや近藤さんが泣きながら抱きしめてくれて、私も思わず涙があふれた。
女中仲間や隊士の皆も口々に声をかけてくれる。
私はようやく、自分の“帰る場所”に戻ってこれたのだと心の底から実感した。
