女中物語
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ここは江戸、歌舞伎町。夜の店が賑わう中一際賑わっている店があった。クラブ桔梗、そこが私の職場である。と言っても今日4年間勤めたこのお店を卒業するのだ。長年指名してくれたお客様たちから贈られた花が、店の外にも中にもずらりと並ぶ。
おかげで今夜は、予約で席がほとんど埋まっている状態。どの席でもシャンパンやらワインなど開いていくのでお酒に強い私だがさすがに酔いが回って来た。ふわふわ酔いがまわる頭で次の指名客の席に着く。顔を見ると常連客の松平さんが手を振っている。
「松平さん。来てくれてありがとうございます!」
「そりゃナマエちゃんの卒業だもんおじさんどんなことがあっても来ちゃうよーん。」
「嬉しい!ありがとうございます。」
「今日はこいつも連れてきたよぉ。」
松平さんの隣にはこれまた見慣れた顔、近藤さんだ。
「ナマエちゃん卒業おめでとう!」
「わー近藤さんまで。嬉しい~!」
松平さんと近藤さんは警察庁長官と真選組の局長というお偉方だ。
「とりあえず景気付けに高いシャンパン開けちゃお。」
「おいとっつぁんいいのか?高いシャンパンだなんて。」
「いいんだよぉ、可愛いナマエちゃんのためだどんどん開けちゃうよ。」
「さすが松平さんかっこいい~!!」
そうして運ばれてきた高級シャンパンとフルーツ盛り。3人で乾杯するとシャンパンを口の中に流し込む。舌の上でパチパチと弾ける泡が心地よく鼻に抜ける芳醇な香りですごく美味しい。どんどんお酒が進み松平さんと近藤さんも酔って来たのかとても上機嫌になってきている。
「しかしナマエちゃんが居なくなっちゃうとお店通う意味なくなっちゃうな~。」
「えー松平さん贔屓にしている子たくさんいるでしょ!」
「そんなことないよ、おじさんはナマエちゃん一筋だよ。」
「私も松平さんが一番好きです!」
「ハハハ、そんなこと言うととっつぁん調子に乗っちゃうよ。それよりここのお店辞めて次は何の仕事するの?」
「それがまだ決まってないんです。中々良いところがなくて。2人も良い職場紹介してくださいよ~!」
「いい職場ねぇ。そうだなー真選組で働いたらどうだ?」
松平さんのいきなりの提案に私と近藤さん2人揃えて驚きの声を出した。
「いやいやいや、とっつぁんさすがにナマエちゃんを隊士には。」
「そうですよ!こんなか弱い私にそんなこと無理です。」
「だぁれが隊士になれっつたよ。女中だよ女中。まぁ、か弱くはないと思うけど?」
女中ってあの奉公する女中!?
「女中かぁ、、それはいいかもしれないぞ。ちょうど欠員も出てることだし身元もしっかりしてるし。」
「そうそう、それならたまにおじさん会いに行っちゃったり出来るし。」
「でも私、人のお世話とかしたことなしですし。」
「お給料も弾むし住み込みだから家賃や食費も浮くと思うんだけどなぁ。」
「えー好条件じゃないですか!じゃあやっちゃおうかな~!」
「いいねぇー決りだなぁ。良かったねぇ就職先決まって。」
「いえーい、近藤さんこれからお世話になります!」
――あれから2週間。
酔った勢いとノリで決まってしまった“次の仕事”、真選組での女中生活。
口約束で終わると思っていたら、話はとんとん拍子に進み、とうとう今日が赴任日となってしまった。必要最低限の荷物を持って真選組屯所へと向かえば門には黒い服を着た怖そうな隊士らしき人が門番として立っている。今日から働くことになったと門番に伝えると通してくれて近藤さんの部屋に案内しくれた。
初めて入る屯所はとても殺風景で広く感じた。今日からここが家と仕事場になるのか、と考えていると近藤さんの部屋に着いた。案内してくれた隊士さんにお礼を言い部屋に入ると笑顔の近藤さんが目に入った。
「やぁ!ナマエちゃんご苦労様、待ってたよ~!」
軽くお辞儀をして顔を上げると近藤さんの他に黒髪と茶髪の見覚えのある姿が見えた。確か土方さんと沖田さんだったかな。松平さんや近藤さんが酔いつぶれた時にたまに迎えに来てた二人だ、お店の女の子がキャーキャー言っていた光景を思い出した。
「まぁそんなにかしこまらないで。そうだトシと総悟のことは知っていたかな?」
「たまに迎えに来てた、えっと土方さんと沖田さんですよね?」
「そうそう!ほら二人とも挨拶して。」
「真選組副長、土方十四郎だ。男所帯で大変だとは思うがこれからよろしく頼む。」
土方さんは吸っていたタバコを灰皿に押し付けながら挨拶してくれた。というかこの人副長だったんだ。
「一番隊隊長沖田総悟でさァ。まぁせいぜい頑張ってくだせぇ。」
沖田さんはヤル気のなさそうな声で面倒くさそうに挨拶しくれた。
私も自分の名前を名乗るが二人は聞いているのか聞いていないのかよく分からない反応だった。困惑して近藤さんをチラリと見れば豪快に笑った。
「すまんな!シャイな奴らだが悪いやつじゃないから仲良くやってくれ!早速なんだけど総悟、部屋の方にナマエちゃんを案内してやってくれるか。」
「へーい。」
「あとは女中の仲間たちに色々と聞いてくれ!また何かあったら何でも言ってね。」
近藤さんはガハハと笑って私の肩を叩いてきた。力強いなと思いながらもぺこりと頭を下げる。
沖田さんが気怠そうに立ち上がると、行くぞ。と声を掛けてきた。
部屋を出て沖田さんの後について行く。特に沖田さんと話すこともなくしかし広いな。外から見るよりも広。今日からここを掃除したりするの大変そうだなとキョロキョロと周りを見渡していると少し先を歩いてた沖田さんがこっちを向いている。
「てめぇ何怪しい動きしてんだ。」
「あっ、すいません。ここがこんなに広いなんて思っていなくてついビックリしてしまって。」
「ここ無駄に広いから疲れるんでさァ、というわけで俺はこれから昼寝、じゃねーや隊務に行くから女中部屋は他の隊士に聞いてくだせェ。」
「昼寝って聞こえましたけど?」
「聞き間違いだろィ、大事な隊務を思い出したんで。」
そう言い残すとひらりと反対方向に歩いて行きそうな沖田さんの腕を掴んだ。
「こんなところに一人で取り残されても困るんですけど!」
「はぁ…面倒くせぇ。仕方ねぇな。」
ため息をつくと明らかに嫌そうな顔をしている沖田さん。嫌な顔したいのはこっちだよ。だるそうにまた歩き出した沖田さんの後をついていくと屯所の奥の方ある部屋に辿り着いた。
「ここが女中の部屋でさァ。それじゃ。」
沖田さんはポケットからアイマスクを取り出しひらひらと振りながら来た道を戻って行ってしまった。なんてやつだ。とりあえず部屋開けてみるしかないか。襖をノックしてみると中から可愛らしい声が聞こえた。襖を開けるとニコっと笑った可愛らしい女の子と目が合った。
「初めまして、今日からお世話になりますミョウジナマエと申します。」
「あなたが今日から来る新人さんなのね、私は春野小梅です。」
小梅さんと名乗った可愛らしい彼女の話によるとこれから私たちは同室で暮らすことになるらしい。聞けば年も同い年ということもありすぐに打ち解けるとこが出来た。
「ナマエちゃんみたいな人が来てくれて良かった!」
「こっちこそ怖い人だったらどうしようかと思ってたの。これからよろしくね!」
「うん、これからよろしく。」
ニコっと笑う彼女の笑顔は本当に可愛くてこれからの暮らしに光が差した。
おかげで今夜は、予約で席がほとんど埋まっている状態。どの席でもシャンパンやらワインなど開いていくのでお酒に強い私だがさすがに酔いが回って来た。ふわふわ酔いがまわる頭で次の指名客の席に着く。顔を見ると常連客の松平さんが手を振っている。
「松平さん。来てくれてありがとうございます!」
「そりゃナマエちゃんの卒業だもんおじさんどんなことがあっても来ちゃうよーん。」
「嬉しい!ありがとうございます。」
「今日はこいつも連れてきたよぉ。」
松平さんの隣にはこれまた見慣れた顔、近藤さんだ。
「ナマエちゃん卒業おめでとう!」
「わー近藤さんまで。嬉しい~!」
松平さんと近藤さんは警察庁長官と真選組の局長というお偉方だ。
「とりあえず景気付けに高いシャンパン開けちゃお。」
「おいとっつぁんいいのか?高いシャンパンだなんて。」
「いいんだよぉ、可愛いナマエちゃんのためだどんどん開けちゃうよ。」
「さすが松平さんかっこいい~!!」
そうして運ばれてきた高級シャンパンとフルーツ盛り。3人で乾杯するとシャンパンを口の中に流し込む。舌の上でパチパチと弾ける泡が心地よく鼻に抜ける芳醇な香りですごく美味しい。どんどんお酒が進み松平さんと近藤さんも酔って来たのかとても上機嫌になってきている。
「しかしナマエちゃんが居なくなっちゃうとお店通う意味なくなっちゃうな~。」
「えー松平さん贔屓にしている子たくさんいるでしょ!」
「そんなことないよ、おじさんはナマエちゃん一筋だよ。」
「私も松平さんが一番好きです!」
「ハハハ、そんなこと言うととっつぁん調子に乗っちゃうよ。それよりここのお店辞めて次は何の仕事するの?」
「それがまだ決まってないんです。中々良いところがなくて。2人も良い職場紹介してくださいよ~!」
「いい職場ねぇ。そうだなー真選組で働いたらどうだ?」
松平さんのいきなりの提案に私と近藤さん2人揃えて驚きの声を出した。
「いやいやいや、とっつぁんさすがにナマエちゃんを隊士には。」
「そうですよ!こんなか弱い私にそんなこと無理です。」
「だぁれが隊士になれっつたよ。女中だよ女中。まぁ、か弱くはないと思うけど?」
女中ってあの奉公する女中!?
「女中かぁ、、それはいいかもしれないぞ。ちょうど欠員も出てることだし身元もしっかりしてるし。」
「そうそう、それならたまにおじさん会いに行っちゃったり出来るし。」
「でも私、人のお世話とかしたことなしですし。」
「お給料も弾むし住み込みだから家賃や食費も浮くと思うんだけどなぁ。」
「えー好条件じゃないですか!じゃあやっちゃおうかな~!」
「いいねぇー決りだなぁ。良かったねぇ就職先決まって。」
「いえーい、近藤さんこれからお世話になります!」
――あれから2週間。
酔った勢いとノリで決まってしまった“次の仕事”、真選組での女中生活。
口約束で終わると思っていたら、話はとんとん拍子に進み、とうとう今日が赴任日となってしまった。必要最低限の荷物を持って真選組屯所へと向かえば門には黒い服を着た怖そうな隊士らしき人が門番として立っている。今日から働くことになったと門番に伝えると通してくれて近藤さんの部屋に案内しくれた。
初めて入る屯所はとても殺風景で広く感じた。今日からここが家と仕事場になるのか、と考えていると近藤さんの部屋に着いた。案内してくれた隊士さんにお礼を言い部屋に入ると笑顔の近藤さんが目に入った。
「やぁ!ナマエちゃんご苦労様、待ってたよ~!」
軽くお辞儀をして顔を上げると近藤さんの他に黒髪と茶髪の見覚えのある姿が見えた。確か土方さんと沖田さんだったかな。松平さんや近藤さんが酔いつぶれた時にたまに迎えに来てた二人だ、お店の女の子がキャーキャー言っていた光景を思い出した。
「まぁそんなにかしこまらないで。そうだトシと総悟のことは知っていたかな?」
「たまに迎えに来てた、えっと土方さんと沖田さんですよね?」
「そうそう!ほら二人とも挨拶して。」
「真選組副長、土方十四郎だ。男所帯で大変だとは思うがこれからよろしく頼む。」
土方さんは吸っていたタバコを灰皿に押し付けながら挨拶してくれた。というかこの人副長だったんだ。
「一番隊隊長沖田総悟でさァ。まぁせいぜい頑張ってくだせぇ。」
沖田さんはヤル気のなさそうな声で面倒くさそうに挨拶しくれた。
私も自分の名前を名乗るが二人は聞いているのか聞いていないのかよく分からない反応だった。困惑して近藤さんをチラリと見れば豪快に笑った。
「すまんな!シャイな奴らだが悪いやつじゃないから仲良くやってくれ!早速なんだけど総悟、部屋の方にナマエちゃんを案内してやってくれるか。」
「へーい。」
「あとは女中の仲間たちに色々と聞いてくれ!また何かあったら何でも言ってね。」
近藤さんはガハハと笑って私の肩を叩いてきた。力強いなと思いながらもぺこりと頭を下げる。
沖田さんが気怠そうに立ち上がると、行くぞ。と声を掛けてきた。
部屋を出て沖田さんの後について行く。特に沖田さんと話すこともなくしかし広いな。外から見るよりも広。今日からここを掃除したりするの大変そうだなとキョロキョロと周りを見渡していると少し先を歩いてた沖田さんがこっちを向いている。
「てめぇ何怪しい動きしてんだ。」
「あっ、すいません。ここがこんなに広いなんて思っていなくてついビックリしてしまって。」
「ここ無駄に広いから疲れるんでさァ、というわけで俺はこれから昼寝、じゃねーや隊務に行くから女中部屋は他の隊士に聞いてくだせェ。」
「昼寝って聞こえましたけど?」
「聞き間違いだろィ、大事な隊務を思い出したんで。」
そう言い残すとひらりと反対方向に歩いて行きそうな沖田さんの腕を掴んだ。
「こんなところに一人で取り残されても困るんですけど!」
「はぁ…面倒くせぇ。仕方ねぇな。」
ため息をつくと明らかに嫌そうな顔をしている沖田さん。嫌な顔したいのはこっちだよ。だるそうにまた歩き出した沖田さんの後をついていくと屯所の奥の方ある部屋に辿り着いた。
「ここが女中の部屋でさァ。それじゃ。」
沖田さんはポケットからアイマスクを取り出しひらひらと振りながら来た道を戻って行ってしまった。なんてやつだ。とりあえず部屋開けてみるしかないか。襖をノックしてみると中から可愛らしい声が聞こえた。襖を開けるとニコっと笑った可愛らしい女の子と目が合った。
「初めまして、今日からお世話になりますミョウジナマエと申します。」
「あなたが今日から来る新人さんなのね、私は春野小梅です。」
小梅さんと名乗った可愛らしい彼女の話によるとこれから私たちは同室で暮らすことになるらしい。聞けば年も同い年ということもありすぐに打ち解けるとこが出来た。
「ナマエちゃんみたいな人が来てくれて良かった!」
「こっちこそ怖い人だったらどうしようかと思ってたの。これからよろしくね!」
「うん、これからよろしく。」
ニコっと笑う彼女の笑顔は本当に可愛くてこれからの暮らしに光が差した。
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