【GG】Other

 その日の第三連王は荒れていた。
 否、荒れていたと言うには生ぬるい。普段の涼し気な顔は完全に鬼の形相で、彼の背中から滲み出るオーラは凄みを通り越して殺意の域に達していた。迂闊に声をかければ殺される。同じ空間に居る部下たちはそんな彼の姿に沈黙し、出来る限り近寄らないよう、刺激を与えないよう距離を取っていた。
 彼がーーダレルがここまで荒れているのには理由があった。連日の激務で徹夜続き。心身ともに疲弊しきっていたダレルは、それでも今日の為に机の上で山となっている書類を処理していた。13時には仕事を終わらせて、街で有名な菓子店で販売される期間限定プリンを買いに行くーーその為だけに、彼は今日まで休まず仕事をしていた。

「どうしてどうしてどうしてどうして…………」

 それなのに、現実は残酷で。最後の書類を片付け、公務を終えようとしていた彼の元に通信が入った。街の郊外で反ギア派の勢力が暴動を起こし、一般市民にまで被害が及んでいる。治安部隊によって鎮圧はされたが、後回しに出来ない、無視できないレベルの被害が様々な箇所で出た。その対応を、指示を頼みたいと。無論、第一連王や第二連王に任せようと思ったが、今日に限ってどちらも動くことが出来ず、彼にしか出来ないと告げられた。この日ほど自身の立場を呪ったことはない。結局、その暴動の処理に追われ、気付けば日付が変わっていた。当然、菓子店の営業時間は過ぎ、買いに行くことは叶わなかった。

「空気を読め空気を。どうしてよりによって今日だったんだ……ああ日付が変わったから昨日か。くそ、くそ、クソッ……」

 昼頃には無くなりかけていたはずの書類の山が再び机の上に聳え立つ。今夜も徹夜になりそうだ。ここ数日、まともに睡眠を取っていないので頭がどうかしてしまいそうだった。もう何もかも投げ出してふて寝したい。最近楽しみと言える楽しみがなかっただけに、あのプリンに対しては期待しかなかったのに。販売期間は今日までだった。次に出るのはいつになるか分からない。悔しい。とにかく悔しい。正直泣きたい。人間、楽しみを奪われるとここまで絶望するものなのか。

「失礼します、ダレル様。お客様が見えております」

 そうして殺意を放ちながら書類の処理をしていると、側近の一人が扉をノックし、部屋に入って来た。彼の状態を理解しているのだろう。どこか怯えた表情を浮かべているが、同時に何故か戸惑っているようにも見えた。

「……は、こんな時間に来客か。ふざけているのか? 追い返せ」
「いえ、その……ですが……」
 
 深夜に訪ねて来る人間など、どうせろくな輩ではないだろう。会う価値もない、と。片手を振ってその来客を帰すよう伝えるも、側近は困惑した様子で視線を廊下の方へと向ける。どうやらそこに客人がいるらしい。アポなしで何を考えているのか。溜息と共に持っていた羽ペンを置くと、その人物は側近が止めるのも聞かずに部屋に入って来た。

「やっほーダレルくん。元気にしてた?」
「…………は?」

 聞いたことのある声に、見たことのある姿。一瞬、目の前に現れた人物を認知することができず、眉間に皺を寄せながら凝視する。特徴的な青い肌、鬼のような角、奇抜なサングラス。

「なぜ、君がここにいる?」

 そこに居たのは、かつてホワイトハウスの事件を引き起こした狂人。人類の天敵とも言える存在ーーハッピーケイオスだった。

「何でって、たまたま近くに来たから。折角だしダレルくんの顔を見て行こうかなって」
「君は自分の立場を分かって言っているのか?」
「立場? ……ああ、お尋ね者ってこと? 確かにそうだけど、何か問題ある?」

 どうやって警備の網を突破したかは分からないが、第三連王であるダレルの元まで単身乗り込んで来て、長年の友人にするかの様に気さくに挨拶をして。そのまま無事に帰れると思っているならば、何ともめでたい思考の持ち主だ。否、彼の実力ならば、不可能ではない。それを分かっていて言っているならばかなり性質が悪い。

「何をしに来た」
「言ったじゃん。ダレルくんの顔を見に来たって。ついでに世間話でもしてこうかとは思ってるけど」
「君に構っている時間はない。話がしたいなら、私の部下たちがしてくれるだろう」

 取調室でたっぷりな。その言葉を合図に、室内の空気がぴり、と張り詰める。この部屋にいる部下たちに戦闘の心得はない。しかし各々が外部への通信をいつでも出来るよう準備している。ケイオスの出方によっては、血の雨が降るかもしれない。可能であれば穏便に済ませたいところだが、こればかりはどうなるか分からない。

「あーあ、歓迎されてないんだね、僕。悲しいなあ、せっかくお土産も持ってきたのに」
「……土産?」
「そう。この街では有名なのかな? 昼間通りがかったら凄い行列のお店があってさ。何でも期間限定、数量限定のプリンが売ってたんだ。試しに僕も並んでみたらさ、ラスト2個手に入れられたってわけ。君確かプリン好きだったよね? 一緒にどうかなって思ったんだけど」
「……………」

 ケイオスの手には小さな手提げの紙袋があった。紙袋には店のロゴらしき文字が印刷されている。そのロゴに、ダレルは覚えがあった。今日、仕事が終わったら行こうと思っていた有名菓子店のそれ。その店の限定プリンと言えば、今のダレルにとって喉から手が出るほど欲しい、究極の物体。

「まあ、要らないなら僕が二個食べるだけなんだけどね。残念だーー」
「紅茶はアールグレイしかないぞ」
 
 ケイオスの言葉を遮る形でダレルが訊ねる。それを聞き、室内に居た部下たち全員が目を丸くし、一斉に互いの顔を見遣った。

「ダレル様!?」
「仕事は一時中断だ。少し休憩する。二人分の紅茶を用意しろ。今すぐにだ」
「いや、ですが……」

 脳味噌がバグっているとしか思えない発言だった。連日徹夜続きでおかしくなってしまったのか。世界を危機に陥れた「あの男」を前にして、第三連王が言うべきそれではなかった。

「聞こえなかったのか? 二人分の紅茶を、今すぐ、用意しろ」

 しかし嚙み砕くようにして言うダレルに気圧され、誰も逆らうことが出来なかった。メガデス級のギアでも泣いて逃げる程のプレッシャーである。その圧に負け、部下たちは顔を青くしながら頷き、そろそろと準備をするべく動き出す。

「んふふ、ダレルくん分かってるじゃーん」

 こうして、奇妙なティータイムが始まった。


  時計の針は深夜二時を指していた。
 本来ならばほとんどの人間が寝ているこの時に、ダレルはケイオスとテーブルを挟んで対峙していた。
 テーブルの上に置かれているのは、二人分のティーセットと、ケイオスが持ってきた瓶入りのプリン。カップには淹れ立ての紅茶が注がれ、芳醇な香りが彼らの鼻孔を擽る。

「ミルピコはないの?」
「私は乳酸飲料が好きではなくてね」
「僕は紅茶が好きじゃ無いけど。 ……まあ、コーヒーよりは良いか」

 客人ーーそれも招かれざる存在の癖に何とも図々しい要求だが、ダレルは表情を変えずに右から左へ受け流した。
 彼らの為にティーセットを用意した部下たちは部屋の隅へと移動し、固唾を呑んで彼らの様子を見守っている。この部屋までの警備はそれなりに強固であり、部外者が易々と入れるものではない。それなのにケイオスは大きな騒ぎを起こすことも無く、あっさりと侵入して見せた。
 かつてのホワイトハウスの騒動を思い出し、部下たちは戦慄した。また、あの時みたいな事が起こったら、自分たちはどうすれば良いのか。どう足掻いたって武力で制圧できるような存在では無いし、交渉だって何を材料として出せば良いか分からない。最悪、殺されてしまうのでは無いか。
 全ては目の前の上司の立ち回り次第。頼むから、何事も無く終わってくれと。心の中で普段は大して信仰もしていない神に祈りを捧げた。

「それじゃ、頂きます」

 そんな彼らの胸の内などつゆ知らず。ケイオスが言い終わるか否かのタイミングで、ダレルはプリンの瓶を手に取り、スプーンで中身を掬い取った。
 白くなめらかな形状のプリンがスプーンの上で僅かに揺れ動く。秒数にして2,3秒。その動きを軽く眺めた後に、スプーンの先端を自らの口内へ押し込んだ。

「……嗚呼」

 生きていて良かったーー

 口内に広がる滑らかな食感と程良い甘味。それらを舌で味わうことで連日の激務も、ストレスも、全てがどうでも良くなる。
 この味を、待っていた。欲していた。あの店で無ければ味わえない、他に替えの利かない究極のプリン。原材料から調理の過程に至るまで。あらゆるところにパティスリーのこだわりを感じる。
 舌の上で転がしていた一口目はあっという間に溶けて消え、すぐに二口、三口と口へ運ぶ。疲弊した心身に染み渡るプリンの味に、ダレルの心は言葉では表現しきれないほどの多幸感で満ちていた。

「ふーん、結構美味しいね。行列が出来ていたのも納得するよ」

 対するケイオスはごく普通にプリンを食し、そのスプーンで角砂糖をいくつも投入した紅茶を混ぜ合わせ、一気に飲み干す。この場に第一連王がいれば卒倒しかねない、マナーもへったくれもない動作だった。

「当然だ。この店のプリンは国際コンクールでも金賞を受賞している。これは限定商品だが、定番商品でも午後には売り切れることだってある。素材のこだわりも卵を産む鶏の餌から始まり、他の追随を許さない。店主のパティシエはこの道40年のベテランで……」

 ケイオスにプリンを褒められたことで気を良くしたのか、ダレルは饒舌に語り始めた。この男、普段はそこまでおしゃべりではない筈だが、プリンの話ともなれば状況が大分変わってくる。甘味、特にプリンを愛してやまず、その為ならば自らの仕事など後回しにし、如何にプリンが素晴らしいスイーツであるかを延々と語ってくる。そのプリン談義に捕まり、定時を逃したことのある部下は決して一人や二人では無い。

「ふふ、君って本当にプリンが好きなんだね」 
「……ッんん、まあ、そうだな」

 そんな中、ケイオスはしばらくダレルのプリン談義に耳を傾けていたが、言葉が切れるタイミングでダレルに声を掛けると、ダレルは気まずそうに軽く咳払いをした。

「そんなに良いプリンなのに、何で買いに行かなかったの?」

 ダレルの言葉が途切れたところで、ケイオスは改めて気になったことを訊ねた。

「私も多忙の身でね。行きたくても行けなかったのだよ」

 本当に、行きたかった。本当ならば行けたはずなのに。
 執務室を出ようとした瞬間に鳴り響く通信音。発信者が誰か分かった瞬間の絶望と言ったら。
 何とか第一連王や第二連王に連絡を。そう思っても彼らには繋がらず、時間が無いからという理由で現場の指揮を執ることになった。
 それさえ無ければ、昼間の内にプリンを堪能し、家に帰って他のことも出来ただろう。
 全く、厄介な案件だったと。ダレルが紅茶のカップを手に取り、口元へ運ぼうとした時だった。

「そう言えばさ……昼間にあった反ギア派の暴動、凄かったね」

 ケイオスの口から出た単語に、ダレルはぴくりと片眉を跳ね上げた。

「何故それを」
「たまたま近くを通ったらね。派手にやってたから。どっちが勝つのか興味あって。少しだけ覗いてきたんだ」
「…………」

 本当にたまたまなのだろうか。ダレルの中に疑問が湧き、訝しげにケイオスを見る。

「この間さ、反ギア派のリーダーっぽい人に軽く「助言」はしてあげたんだよね。君たちの警備が手薄になる時間とか、場所とか。あそこまで派手に暴れるとは思わなかったけどね。お陰で色んなところで銃声怒声罵声のドンパチ騒ぎ。ま、見ている分にはそこそこ楽しめたよ。映像作品としてはB級クラスだろうけれど」
「……待て、どういう事だ」

 話の背景が理解できないーー否、理解したくない。脳が理解することを拒絶している。まさか、そんな事は。嫌な予感がする。思わず続きを促す言葉が出てしまったが、どうにかはぐらかしてはくれないだろうか。
 ダレルの質問に対し、ケイオスはにんまりと笑いながらティーカップの中へ角砂糖を大量に投入する。

「最近平和になり過ぎていてね。君たちは良いかも知れないけど、僕からしたら退屈以外の何者でもない。そろそろ、ドラマを見たいと思ったんだ」

 ハッピーケイオスという男の行動基準は至極単純だ。何事も、面白いと感じられる展開を望む。映画のようなドラマチックな出来事を見て、聞いて、体験したい。その為ならば平然と悪事に手を染めるし、状況によっては正義の味方の真似事だってする。

「つまり、君が彼らに……「助言」をしなければ、暴動は起きなかったと」
「うーん、そういう解釈も出来るね……と言っても、彼らも大分燻ってたみたいだし、遅かれ早かれああなってたんじゃない?」
「…………」

 結局、予想していたものとほとんど同じ答えが返ってきた。昼間の暴動の戦犯。諸悪の根源はこの男だったのか。
 腹の底からふつふつと怒りが湧き上がってくるのを感じる。意識せずとも、ティーカップを持つ手に力が入った。流石に第一連王や第二連王ほどの膂力は無いため、砕くことはない。代わりにぶるぶると手を中心にダレルの全身が震え、それに気付いた秘書たちは「ひっ」と小さな悲鳴を上げた。

「は、は、は……君のお陰で私はこの時間になっても仕事が終わらず、疲労困憊だ」
「あれ、怒ってる?」
「寧ろ何故怒らないと思ったのかね?」

 これで怒るなと言う方が無理がある。彼が余計なことをしなければ。この書類の山が机に積まれることもなく、昼過ぎには久しぶりの休暇でパティスリーに直行できた筈なのに。
 一発殴っても許されるのではないか。可能であれば拘束して尋問してやりたいところだが。それが難しいのならばこの怒りをとにかく発散させて欲しい。

「でもさ、悪いことばっかりじゃなかったでしょ?」
「……何?」
「あの暴動起こした集団、港湾ギャングの武器密売組織とも繋がってたよね。君たちは以前から彼らの対応に随分手こずってたみたいだけど、今回の件で芋づる式に解決したんじゃない?」
「…………」

 予想外の返答にダレルの震えは止まり、カップを握る手の力も僅かに弱まる。
 ここ数ヶ月、イリュリア王国は港湾ギャングの対応に手を焼いていた。
 彼らは独自のネットワークを有しており、何度も追跡と接触を試みたが、なかなかその尻尾を掴ませてくれなかった。それに加え、彼らが武器と共に密売している違法薬物が国内にじわじわと蔓延し、どうにか対策を打たねばと思っていた。そんな矢先に、あの暴動が起こったのだ。
 今回の暴動で制圧し、捕らえた者たちから彼らの居場所を聞き出した上で、そのまま彼らの拠点に別部隊を突撃させた。反ギア勢力の戦力に依存していたギャングたちの抵抗は余りにも脆く、あっという間に瓦解し、捕縛された。

「……君はそこまで折り込み済みだったのか?」
「さあ、どうだろうね」

 意図的だったかもしれないし、偶然だったかも知れない。真実は神ーー否、彼のみぞ知るところである。

「まあ、ショーの評価として見ると60点くらいかな。もう少し盛り上がるような、ドラマチックな展開を期待したんだけどね。全員動きは悪くなかったけど、個々が持っている物語がチープだった。あれじゃあ話にならないよ」
「君を満足させられる『ドラマ』の制作費が気になるところだ」
「コストを掛ければ良いってものじゃない。全ては舞台に立つ役者次第さ……ところでダレルくんは俳優に興味ない? 君の演技力ならオスカー賞も狙えると思うけど」
「生憎と、台本通りに動くのは苦手でね」
「それは残念。君が出ればパルム・ドールも夢じゃないだろうに」

 本気とも冗談ともつかぬ話をするケイオスに、ダレルの部下たちは生きた心地がしなかった。一方ダレルはと言うと、眉間に軽く皺を刻んだ程度で、声を荒げることもせず紅茶を飲んでいた。内心は感情がジェットコースターのように急上昇に急降下、急旋回もしていることだろう。役者は天職なのでは、と。部下の一人は思った。

「さてと。それじゃあ行こうかな。そろそろ君の部下が呼んだ警備隊が来そうだし」
「……窓の外」
「うん?」
「向かって北方向の敷地はこの時間の警備が手薄になる」
「それ、言っちゃって良いの?」
「独り言だ。君のために言った訳では無い。 ……第一、君ほどの実力者ならばここの警備網を突破することなど容易いだろう?」

 そうでなければ、ここまでプリンを持って来ることもなかったのだから。
 椅子から立ち上がり、窓の方へと向かうケイオスにダレルが苦笑する。彼を止められる人物がいるとすれば英雄か、亜人か、或いは彼の弟子たちか。少なくとも、今すぐに呼べるものではない。

「ふっふふ、やっぱり面白いねダレルくんは。また来ても良い?」
「手土産にサダヨシ・アカギの焼きプリンを持ってくるなら考えないことも無い。リヨンでも特に有名なパティスリーの店だ」
「オーケー、探してみるよ」

 それも冗談か、或いは真に望むものなのか。
 ダレルの返答に満足したケイオスは窓を開け、暗闇の中へ飛び込み、去って行った。

「……良かったのですか?」

 それまで二人のやり取りを見守っていた部下が、おずおずと声を掛ける。
 彼の存在は世界の脅威だ。慈悲なき啓示のように地下へ閉じ込めておいた方が良いのではないか。そんな不安が、彼らの中にはあった。

「奴に対抗できる人間はいなかった。ならば出来るだけ穏便に済むよう、最善を尽くす。それだけのことだ」
「それは、そうですが……」

 その割にはプリンを堪能していたような、などとは口が裂けても言えない。
 未だ釈然としない部下が、何か言いたそうに口ごもる。彼が言おうとしている事が何か、ダレルには容易に察することが出来た。出来たが、敢えて触れずに言葉を続けた。

「それに、収穫はあった」
「収穫……?」

 ダレルの口から出た単語に、部下たちは互いに顔を見合わせ、首を傾げる。今の二人の会話は聞いていたが、一体どこに収穫と呼べるものがあったのか。疑問に思ったものの、彼らが聞き返そうとする前にダレルが椅子から立ち上がった。

「さあ、もう一仕事しようじゃないか。夜明け前には終わらせよう」

 暴動の後始末はまだ残っている。それでも今から全力で処理をすれば、東の空が明るくなる頃には全て片付くだろう。そうしたら仮眠を取り、通常公務を始めよう。疲労は溜まっているが、耐えられないほどでも無い。次の『楽しみ』を思えば、どうとでもなる。その次が何時になるかは分からないが、彼のために乳酸飲料を用意しておくのも良いだろう。
 ダレルはケイオスが出て行った窓を閉め、書類の山が積まれている執務机に向かった。
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