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03:天使と遭遇、天使王子VSイケメン死神


 「お二人って知り合いだったんですね……屋上で何やっていたんですか?」

 たどたどしそうに話す佐藤智美は、さっそく俺様と天使について聞いてきた。
 こいつと知り合いっていうのも鼻に付くもんだが、ここは天使の言う通りお互い合わせてやらないと疑われる事になり、ことと場合によってはめんどくさい事になりかねない。

 仕方ない……天使の話しに合わせてやろう。
 
 俺様はいつもの張り付いた笑顔を浮かべて話した。

 「実は彼と大事な話をしていたんだよ、そうだよね?白野君」

 天使が俺様の話に乗っかるように言う。
 
 「ああ、そうなんだよ。まさか絵の依頼を頼まれるとは思っていなくてなー」

 「え!?絵の依頼をされたんですか!?」

 すごい!というように目を輝かせて話す佐藤智美を見て思う。
 ……なんだこいつ、この現界に来て画家みたいな事をやっているのか?
 あの話ぶりからして間違いはなさそうだが、天使の絵を買うなんてはっきり言ってごめんだ。
 
 まあ実際買うわけではないから、この話は関係ないのが……渋々演技の続きを続行する。

 「ええ、彼の描く絵に一目置いてましてね。僕の家に飾りたいと前々から考えていたんですよ」

 「最初は断られるんじゃないかと思っていたのですが、ここで話し合えたおかげて承諾してくれたんです!本当によかった……」

 あーくそ、早く話し終われ。
 嫌気をさしながらもなんとか言い切った俺様。
 えらい、めっちゃえらいぞ俺様。

 心の中で自分自身を褒め称えていると隣で天使が調子ぶっこいた若者ように話し出す。

 「まったくこいつってしつこくってさー、いやー!人気者も参っちゃうよなあ?なあ佐藤」

 「そうだ!」

 ポンッという効果音が聞こえそうな感じで手を軽く叩いた天使は、ニヤリと俺様に向けて笑う。
 ……なんか嫌な感じ。
 何をするのかと黙って見ていると、天使は佐藤智美に近付き彼女の顎に手を添えて軽く上げてみせた。

 …………ん!?

 佐藤智美はされるがままで動かず固まってしまい、天使はそんなのお構いなく整った顔を近付けて甘ったるい声で囁いた。

 「もし良かったら、佐藤が俺専用のモデルさんになってくんね……?」

 「え、ええ!?」

 やっぱり天使って油断ならないわ。
 うん、このくそ天使野郎……!

 俺様はさっと間に入り、佐藤智美の肩を掴んで自分に寄せる。
 ひゅええっ……!という謎の奇声は聞かなかった事として、天使に向きなおって注意に似た様な挑発をする。

 「こら、駄目ですよ!そういった勝手なことはしてはいけません……ほら佐藤さんだって困っていますよ?」

 睨みつけるような目をしたのは一瞬の事であったが、おどけたように手を上げて降参するポーズした。

 「冗談だよ冗談、すぐ赤くなるから可愛くってからかっただけさ」

 ウインクをしてそう話す天使に内心舌打ちをする。
 まったく、こいつには気を付けなければならないな……でなければ俺様の計画がこいつのせいで失敗になりかけないからな。

 ――こうして、屋上での一件は無事気付かれずに済んだ。

 だが、天使の言っていた簡単にはいかないというのは、一体どういう事だったのだろうか?
 一応念思を飛ばして聞いてみたが、返ってきた答えは――。

 「一緒にいれば、いずれわかるさ」

 それだけであった。
 結局のところわからず仕舞いで、一体彼女には何があるというのだろうか。

 ますます、よく分からない人間だ……佐藤智美。
 
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