「お母さん。最近元気ないね。どうしたんだろ。」


リクトの口からそんな話題が飛び出した。


『どーしたんだろーねー』


既にどういう事か理解しているリクヤは半ば棒読み気味に答える。
そんなリクヤの様子に気付かないリクトはお父さんに聞こうといい、家の中を走っていく。


「あ。お父さんはっけーん。」


先頭を走っていたリクトが、縁側に座ってお茶を飲む鯉伴とぬらりひょんを発見する。


「おー。どうした。リクト。それとリクヤ。」


二人目の名前を呼び、笑顔を見せる鯉伴にリクトは聞いた。


「ねぇねぇ。お父さん。最近お母さんの元気がないのはどうして？」


その瞬間鯉伴の笑顔が固くなるが、また直ぐに先ほどの笑顔に戻り、言葉を紡ぐ。


「…それはな…あれだ…」


ここまで言うと気まずそうにぬらりひょんを見てから爆弾を落とした。


「お前達がお兄ちゃんになるんだ。」


「！！何！？鯉伴…テメェ……聞いてないぞ！？」


案の定、二人は揉め始めるが、それはリクトの声にて鎮められる。


「ほんとう！？やったぁー！僕、弟が欲しいなー。」


無邪気な子供だ。とリクヤは思った。
そこには大人の事情があるというのに…


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「なあ…若菜は大丈夫なのか？」


『大丈夫。って何回言えば分かるんだよ。』


「す、すまねぇ。」


時は流れ、予定日がやって来たこの日、鯉伴とリクヤの二人は何度も同じような会話をしていた。


「オギャァー！」


屋敷に産声が響き渡る。その瞬間、鯉伴とリクヤは若菜のいる部屋へ我先にと向かう。


『お母さん！』


スパーンと襖を開けたのは鯉伴で声を出したのはリクヤであるが、若菜に抱きついたのはリクトだった。


『「何！？」』


「二人とも僕を忘れないでよね。」


ほっぺたをプーっと膨らませながらリクトは言った。


「お母さん。リクオ見せてー」


「リクト、リクオってぇのはこの子の名前なのかい？」


「うん。ぬらりひょんのクオーターでリクオ。」


「へー。いい名前じゃねぇか。なぁリクオ。」


どうやらこの子の名前はリクオ…らしい。

という事で、リクオ誕生を祝う宴が盛大に開かれた。

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「おう。鯉の坊の坊。ジュースはいらねぇか？」

『ジュース？んじゃ一応。』

狒々にジュースを注がれそれを口に含むとリクヤはそれを盛大に吹き出した。

『ゴホッ！！ゴホッ！！』

『狒々の叔父様これは、マタタビジュースでは！？』

「キャハハ。よくわかったのう。鯉の坊の坊。」

『俺まだ三歳だから！！まだ早いっ！』

「キャハハ。面白いのう。」

『面白くないっ！！』