EX3:熱中症
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結城と屋上でメシを食っていた。今日は人気がない。弁当を食べ終わり他愛もない話をしてふいに会話が途切れる。
ぱちっと目があった瞬間、俺は口を開く。
「なあ」
「何?」
「キスしてもいい?」
彼女は『何をいまさら』という顔でこちらを見る。いつも普通のキスぐらい許可をとらずに不意打ちでもするから、変に思ったのだろう。
でも、今日はそうじゃない。
「……すればいいじゃない」
「舌入れるやつ」
「……」
間髪入れずに答えると、彼女はきゅっと目を丸くし、そこから慌てたように視線を逸らす。
「……ご飯食べたばっかだよ」
「別にかまわないだろ?」
「……」
結城はそこで一度俺の顔を見た。薄く笑って見せると頬がほんのりと赤く染まり追い詰められたようにまた下に視線をそらす。
そうして、ゆっくりと、薄く唇を開く。
俺にはそれだけで十分だった。
彼女の後頭部に優しく手を添え、引き寄せるように顔を上に向けさせる。視線が合う。彼女の瞳が潤んでくる。数秒見つめていると、たまらなくなったかのように彼女がそっと瞳を閉じる。それを合図に唇を合わせた。
はじめは普通のキス。
キスはこれまでに何度もしている。いつの間にか馴染んだ彼女の唇が俺の唇に吸い付く。触れては放し触れては離れて繰り返して、半開きになった唇を俺の唇でこじ開け中に舌を割り入れる。びくっと彼女の身体が震える。それに合わせて逃げる彼女の舌を追っていく。
「ん……」
抜けるような甘い吐息が聞こえた。その音に脳が甘くしびれる。本能のまま彼女の腰に手を回して引き寄せる。勃ってるのなんてとっくにばれてると思う。身体の密着に合わせて、深く柔く舌をからめとっていく。せめてもの抵抗か、彼女の握りしめた両手が俺の胸に当てられる。
「んっ………ふ……うっ」
甘い、悲鳴のような彼女の吐息が、俺の理性のタガを緩く外していく。導かれるまま追い詰めるように、舌の裏深くに差し込んだところで彼女の両手が俺の胸を叩く。
「ん、ん……っ」
限界が近いらしい。名残り惜しいが最後にダメ押しで彼女の舌を軽く吸ってから唇を放す。
「あっ………」
行き場を失くした彼女の身体がよろけるように飛び込んできた。
「……もう……」
力が入っていない彼女の身体を抱き締める。結城は肩で息をしながら、俺の腕の中で吐息交じりに呟く。
「……学校で……、こんなことしたら、……ダメだと思う……」
俺の胸に顔を寄せて必死で呼吸を整えながら言う彼女が可愛くてたまらなくて、そっと髪を撫でる。彼女はびくっと身体を震わせると、身を起こすのをあきらめたように顔を俺の胸に押し付ける。
「もう、絶対、学校ではキスしない……」
「じゃあ、どこならいいんだよ」
彼女から出た『絶対』という言葉に無意識に拗ねた感じの声が出てしまった。俺も余裕ねーな……。
しばらく黙った彼女から出てきた答えは意外なものだった。
「倒れても…大丈夫なところ?」
「……ベッドがありゃいいのか?」
思わぬ彼女の回答にがっつき気味に口が滑った。すぐにソッチ系の軽口が出てしまうのは男の……というか俺のサガなので許して欲しい。頭突きをくらうかもと覚悟して彼女の様子を盗み見ると、口元に手をやって考え込む表情になっていた。みるみるうちに顔が赤くなっていく。
「……そうなるのかな?」
耳まで赤くした彼女が呟いたのに、ドキッとした。
もしかすると。
初めて結城はそういうのを意識したのかもしれない。
仕掛けた罠にかかってくれた、そんな達成感が俺の口をさらに軽くさせる。
「もう、お前、おっぱいもませろ」
「やーだよ!なんでそうなるの!」
ばっと両腕で自分の胸を隠すようにする。赤い顔のまま、潤んだ瞳で俺を睨みつける。
抜けるような青空と、彼女の赤い顔が、強いコントラストとなって俺の目に飛び込んでくる。宮城の夏もそろそろ本番だ。
「……もうすぐ、テストだね」
「俺んちで勉強するか?」
「……変なコトしようとしてない?」
まだキスの余韻が残る潤んだ目で精一杯睨んでくるのを、軽く笑ってかわした。
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熱中症
(ねっ ちゅう しよう)
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ぱちっと目があった瞬間、俺は口を開く。
「なあ」
「何?」
「キスしてもいい?」
彼女は『何をいまさら』という顔でこちらを見る。いつも普通のキスぐらい許可をとらずに不意打ちでもするから、変に思ったのだろう。
でも、今日はそうじゃない。
「……すればいいじゃない」
「舌入れるやつ」
「……」
間髪入れずに答えると、彼女はきゅっと目を丸くし、そこから慌てたように視線を逸らす。
「……ご飯食べたばっかだよ」
「別にかまわないだろ?」
「……」
結城はそこで一度俺の顔を見た。薄く笑って見せると頬がほんのりと赤く染まり追い詰められたようにまた下に視線をそらす。
そうして、ゆっくりと、薄く唇を開く。
俺にはそれだけで十分だった。
彼女の後頭部に優しく手を添え、引き寄せるように顔を上に向けさせる。視線が合う。彼女の瞳が潤んでくる。数秒見つめていると、たまらなくなったかのように彼女がそっと瞳を閉じる。それを合図に唇を合わせた。
はじめは普通のキス。
キスはこれまでに何度もしている。いつの間にか馴染んだ彼女の唇が俺の唇に吸い付く。触れては放し触れては離れて繰り返して、半開きになった唇を俺の唇でこじ開け中に舌を割り入れる。びくっと彼女の身体が震える。それに合わせて逃げる彼女の舌を追っていく。
「ん……」
抜けるような甘い吐息が聞こえた。その音に脳が甘くしびれる。本能のまま彼女の腰に手を回して引き寄せる。勃ってるのなんてとっくにばれてると思う。身体の密着に合わせて、深く柔く舌をからめとっていく。せめてもの抵抗か、彼女の握りしめた両手が俺の胸に当てられる。
「んっ………ふ……うっ」
甘い、悲鳴のような彼女の吐息が、俺の理性のタガを緩く外していく。導かれるまま追い詰めるように、舌の裏深くに差し込んだところで彼女の両手が俺の胸を叩く。
「ん、ん……っ」
限界が近いらしい。名残り惜しいが最後にダメ押しで彼女の舌を軽く吸ってから唇を放す。
「あっ………」
行き場を失くした彼女の身体がよろけるように飛び込んできた。
「……もう……」
力が入っていない彼女の身体を抱き締める。結城は肩で息をしながら、俺の腕の中で吐息交じりに呟く。
「……学校で……、こんなことしたら、……ダメだと思う……」
俺の胸に顔を寄せて必死で呼吸を整えながら言う彼女が可愛くてたまらなくて、そっと髪を撫でる。彼女はびくっと身体を震わせると、身を起こすのをあきらめたように顔を俺の胸に押し付ける。
「もう、絶対、学校ではキスしない……」
「じゃあ、どこならいいんだよ」
彼女から出た『絶対』という言葉に無意識に拗ねた感じの声が出てしまった。俺も余裕ねーな……。
しばらく黙った彼女から出てきた答えは意外なものだった。
「倒れても…大丈夫なところ?」
「……ベッドがありゃいいのか?」
思わぬ彼女の回答にがっつき気味に口が滑った。すぐにソッチ系の軽口が出てしまうのは男の……というか俺のサガなので許して欲しい。頭突きをくらうかもと覚悟して彼女の様子を盗み見ると、口元に手をやって考え込む表情になっていた。みるみるうちに顔が赤くなっていく。
「……そうなるのかな?」
耳まで赤くした彼女が呟いたのに、ドキッとした。
もしかすると。
初めて結城はそういうのを意識したのかもしれない。
仕掛けた罠にかかってくれた、そんな達成感が俺の口をさらに軽くさせる。
「もう、お前、おっぱいもませろ」
「やーだよ!なんでそうなるの!」
ばっと両腕で自分の胸を隠すようにする。赤い顔のまま、潤んだ瞳で俺を睨みつける。
抜けるような青空と、彼女の赤い顔が、強いコントラストとなって俺の目に飛び込んでくる。宮城の夏もそろそろ本番だ。
「……もうすぐ、テストだね」
「俺んちで勉強するか?」
「……変なコトしようとしてない?」
まだキスの余韻が残る潤んだ目で精一杯睨んでくるのを、軽く笑ってかわした。
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熱中症
(ねっ ちゅう しよう)
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