10 ミタモノシカシンジナイ
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百聞一見
学校が終わったら駆け付けるつもりだったのに、結局会場に向かえたのは夕方になってからだった。
今日に限って、居残りをさせられるなんて……。
駅に向かって進む人が少なくないことから、今日の大半の試合が終わっていることが推測できてしまう。
聞こえない。聞きたくない。良い結果も悪い結果も、自分の目で見るまでは信じられない。
一心不乱に走りすぎて、体育館についた時には息どころか心臓まで痛くなっていた。自分の心臓の音で何も聞こえないのは幸いだったのかもしれない。口の中が乾きすぎて血の味がするような気さえする。はやる気持ちを押さえながら、ロビーを抜けた。
ギャラリーから入った体育館には、直前にあった試合の熱がまだ感じられる。
横断幕を探す。意外と、緑色、多い……あった、『伊達の鉄壁』!
すぐに、その下の得点板に目をやる。
真ん中に「2」の数字。
「17-25」。試合が……終わっている。
どっちが、うち……?
祈るような思いで、文字を……学校名を探す。
「25」側に『伊達工業』の文字が見えて、身体から力が抜けるほど安堵した。
客席の背もたれに手で触れながら、やっとのことで最前列まで降りる。
そこからぐるりと向かい側に回れるか、目で道を辿っていると、横断幕の真下にいた茶髪の選手が振り返った。
白地に緑のユニフォーム、番号は2番、下線入り……。
「友紀ーー!!」
私の名前を呼んで、手を振っている。
立ち止まり、彼の視線を受け止めた。
「あと、1勝!!!!」
そう言って、天に向かって人差し指を立てる堅治くんを、自分のことのように嬉しく、誇らしく思いながら、ざわつく心を顔には出さないよう、精一杯の笑顔で頷き返した。
学校が終わったら駆け付けるつもりだったのに、結局会場に向かえたのは夕方になってからだった。
今日に限って、居残りをさせられるなんて……。
駅に向かって進む人が少なくないことから、今日の大半の試合が終わっていることが推測できてしまう。
聞こえない。聞きたくない。良い結果も悪い結果も、自分の目で見るまでは信じられない。
一心不乱に走りすぎて、体育館についた時には息どころか心臓まで痛くなっていた。自分の心臓の音で何も聞こえないのは幸いだったのかもしれない。口の中が乾きすぎて血の味がするような気さえする。はやる気持ちを押さえながら、ロビーを抜けた。
ギャラリーから入った体育館には、直前にあった試合の熱がまだ感じられる。
横断幕を探す。意外と、緑色、多い……あった、『伊達の鉄壁』!
すぐに、その下の得点板に目をやる。
真ん中に「2」の数字。
「17-25」。試合が……終わっている。
どっちが、うち……?
祈るような思いで、文字を……学校名を探す。
「25」側に『伊達工業』の文字が見えて、身体から力が抜けるほど安堵した。
客席の背もたれに手で触れながら、やっとのことで最前列まで降りる。
そこからぐるりと向かい側に回れるか、目で道を辿っていると、横断幕の真下にいた茶髪の選手が振り返った。
白地に緑のユニフォーム、番号は2番、下線入り……。
「友紀ーー!!」
私の名前を呼んで、手を振っている。
立ち止まり、彼の視線を受け止めた。
「あと、1勝!!!!」
そう言って、天に向かって人差し指を立てる堅治くんを、自分のことのように嬉しく、誇らしく思いながら、ざわつく心を顔には出さないよう、精一杯の笑顔で頷き返した。
