First grade of Highschool
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あなたがいいの
私は当初の希望通り工業化学コースに進んだ。2年B組。
二口くんは土木建築コースのA組になった。
二口くんとクラスは分かれた。
あれからあえて話すことはなかったけれど、予想していたことだった。
寂しくないといえば嘘になる。でも、心のどこかでほっとしている自分もいた。
隣のクラスなので合同授業などは一緒だ。でも今度のクラスは女子もいる。なるべくクラスの中からはみ出ないように、二口くんの姿を探さないようにした。見つけてしまった時はさりげなく遠ざかるようにした。
時折、青根くんが心配そうに私を見ていたけれど、それも気にしないようにした。
新しいクラスでの委員会決めで、私は再度保健委員をやることにした。なり手がいなかったから、すんなりと決まった。
初回の保健委員会。
「よ、結城」
「え、二口くん?」
会場の教室に入るなり思わぬ人から声をかけられてドキッとする。
自分が避けているくせに、二口くんから来てくれないことで落ち込んでいたので、彼から話かけてくれたことに驚いたし単純に嬉しかった。
「……保健委員なの?」
「うん。A組厳しくてさー。1年の時に委員やってねぇヤツから選ぶことになって。まあうちのクラス、保健室のお世話になるようなヤツ全然いなそうだけどな」
クソめんどくせぇ、と愚痴りながら私の隣の席に座る。
「余りの変なのにされるのも嫌だから、先に立候補してやった。もしかしたら、結城もまたやるんじゃね、と思って」
賭けに勝ったな、と口の端を引き上げて笑う。
「そうなんだ……」
嬉しかったしほっとした。前のように自然と話せていることが。そして、二口くんが私とまた接点を持とうとしてくれたのが。
「部活との両立は大丈夫?」
「んー、今んとこは大丈夫だと思う」
「当番なら代わってあげられるから、言ってね」
「ありがと、その時はお願いするわ」
「あと、二口くん……」
「ん?何」
「……避けてて、ごめんね」
気づいているかいないか。わからなかったけれど、私が避けていたのは事実だからその事を謝る。
二口くんは口を歪めてしばらく沈黙した。
「……別にいーよ。これからふつーにしてくれれば」
やっぱり気づいていたんだ……。彼がなんとも思っていなかったのではなく、無理に追わないでいてくれたということに思い至り、さらに申し訳なくなる。
「うん。ごめんね……」
「だから、いいって」
そう言って面倒くさそうに笑う彼を見て、ようやく私も笑い返すことができた。
私まだ、二口くんを好きでいてもいいかな……
First grade edition completed
Continue to the second grade・・・
私は当初の希望通り工業化学コースに進んだ。2年B組。
二口くんは土木建築コースのA組になった。
二口くんとクラスは分かれた。
あれからあえて話すことはなかったけれど、予想していたことだった。
寂しくないといえば嘘になる。でも、心のどこかでほっとしている自分もいた。
隣のクラスなので合同授業などは一緒だ。でも今度のクラスは女子もいる。なるべくクラスの中からはみ出ないように、二口くんの姿を探さないようにした。見つけてしまった時はさりげなく遠ざかるようにした。
時折、青根くんが心配そうに私を見ていたけれど、それも気にしないようにした。
新しいクラスでの委員会決めで、私は再度保健委員をやることにした。なり手がいなかったから、すんなりと決まった。
初回の保健委員会。
「よ、結城」
「え、二口くん?」
会場の教室に入るなり思わぬ人から声をかけられてドキッとする。
自分が避けているくせに、二口くんから来てくれないことで落ち込んでいたので、彼から話かけてくれたことに驚いたし単純に嬉しかった。
「……保健委員なの?」
「うん。A組厳しくてさー。1年の時に委員やってねぇヤツから選ぶことになって。まあうちのクラス、保健室のお世話になるようなヤツ全然いなそうだけどな」
クソめんどくせぇ、と愚痴りながら私の隣の席に座る。
「余りの変なのにされるのも嫌だから、先に立候補してやった。もしかしたら、結城もまたやるんじゃね、と思って」
賭けに勝ったな、と口の端を引き上げて笑う。
「そうなんだ……」
嬉しかったしほっとした。前のように自然と話せていることが。そして、二口くんが私とまた接点を持とうとしてくれたのが。
「部活との両立は大丈夫?」
「んー、今んとこは大丈夫だと思う」
「当番なら代わってあげられるから、言ってね」
「ありがと、その時はお願いするわ」
「あと、二口くん……」
「ん?何」
「……避けてて、ごめんね」
気づいているかいないか。わからなかったけれど、私が避けていたのは事実だからその事を謝る。
二口くんは口を歪めてしばらく沈黙した。
「……別にいーよ。これからふつーにしてくれれば」
やっぱり気づいていたんだ……。彼がなんとも思っていなかったのではなく、無理に追わないでいてくれたということに思い至り、さらに申し訳なくなる。
「うん。ごめんね……」
「だから、いいって」
そう言って面倒くさそうに笑う彼を見て、ようやく私も笑い返すことができた。
私まだ、二口くんを好きでいてもいいかな……
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