First grade of Highschool
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命が惜しいなら私を愛してよ
やってしまった……。
先輩に生意気なことを言ってしまった。それに思い至ったのは間抜けにも一晩経ってからだった。
……次は体育館裏に呼び出されるかも。集団で来られたら、どうしよう。
「何でそんなキョロキョロしてんだよ。狙われてんの?」
「い、いや、ちょっと……」
先輩とのことを二口くんにバレるわけにはいかないと思い言葉を濁す。
「スナイパーとか?結城、何やらかした?」
「何でもないよ」
思わず強めのトーンになってしまった。からかう表情の二口くんがすっと真顔になる。
後ろめたくて目を逸らすと、ドン、と机に手をつかれた。
びくっと視線を戻すと、覗き込むように顔を近づけられる。
「権田先輩?」
内緒話をするように囁かれた名前にちくっと胸が痛む。
肯定をしてはいけない。でも否定はしたくない。だから。黙って動けずにいた。
その私の様子で何かに納得したような顏で手を戻す。そのまま二口くんは私の隣の席に腰かける。
「なあ」
「……なに?」
「やっぱり、俺たち、付き合っていることにしない?」
静かな二口くんの声が胸に刺さる。ちくんどころではない。ずきずきと痛む。
『付き合おう』ではない。
『付き合ってることにする』だ。
所詮、嘘だ。
ゆっくりと私は首を横に振る。
「よくないよ。そういうのは……」
そんなこと、私にしか言わないのもわかっている。
だけど、決して本当に付き合ってはくれない。私とは嘘の関係にしかならない。
『付き合う気はない』
教室の外で聞いた彼の声が蘇ってきて、すぐそばに二口くんがいるのにどうしようもなく遠くに感じた。
少し前までなら簡単に「いいよ」と言えてしまっていたと思う。
そういう軽い答えができないほど、今の私の二口くんへの想いは重い。
「何でだよ」
私の気持ちを知らない二口くんは残酷に追い打ちをかけてくる。
「それは……ウソだから」
もう、彼の顔を見ることはできなかった。
やってしまった……。
先輩に生意気なことを言ってしまった。それに思い至ったのは間抜けにも一晩経ってからだった。
……次は体育館裏に呼び出されるかも。集団で来られたら、どうしよう。
「何でそんなキョロキョロしてんだよ。狙われてんの?」
「い、いや、ちょっと……」
先輩とのことを二口くんにバレるわけにはいかないと思い言葉を濁す。
「スナイパーとか?結城、何やらかした?」
「何でもないよ」
思わず強めのトーンになってしまった。からかう表情の二口くんがすっと真顔になる。
後ろめたくて目を逸らすと、ドン、と机に手をつかれた。
びくっと視線を戻すと、覗き込むように顔を近づけられる。
「権田先輩?」
内緒話をするように囁かれた名前にちくっと胸が痛む。
肯定をしてはいけない。でも否定はしたくない。だから。黙って動けずにいた。
その私の様子で何かに納得したような顏で手を戻す。そのまま二口くんは私の隣の席に腰かける。
「なあ」
「……なに?」
「やっぱり、俺たち、付き合っていることにしない?」
静かな二口くんの声が胸に刺さる。ちくんどころではない。ずきずきと痛む。
『付き合おう』ではない。
『付き合ってることにする』だ。
所詮、嘘だ。
ゆっくりと私は首を横に振る。
「よくないよ。そういうのは……」
そんなこと、私にしか言わないのもわかっている。
だけど、決して本当に付き合ってはくれない。私とは嘘の関係にしかならない。
『付き合う気はない』
教室の外で聞いた彼の声が蘇ってきて、すぐそばに二口くんがいるのにどうしようもなく遠くに感じた。
少し前までなら簡単に「いいよ」と言えてしまっていたと思う。
そういう軽い答えができないほど、今の私の二口くんへの想いは重い。
「何でだよ」
私の気持ちを知らない二口くんは残酷に追い打ちをかけてくる。
「それは……ウソだから」
もう、彼の顔を見ることはできなかった。