Talk1「どうして泣くの?」
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「どうして泣くの?」
「え……」
要は心配そうな顔で私の髪を撫でる。
「私、泣いてた?」
そう聞くと、要は無言で私の目元を拭ってその雫を見せる。
「ああ……そうなんだ」
気だるい雰囲気の中その言葉しか出ない。しっとりと汗ばんだ私の肌が要のカラダに吸い寄せられていく。
「泣いてるのって、その……達した時っぽいんだけど、痛かったり、辛かったりするのか、と思って」
さっきまでえげつない感じで私を追い詰めていたくせに。口ごもりながら遠慮がちに言う要に笑ってしまいそうになる。
優しい手つきで汗で額にへばりついた髪をとかすようにどけてくれる。広がった視界から見えた彼の顔は真剣そのものだった。
……気づいてないのかな?
だって、要って、いつも……
要は最後、必ず「愛してる」と伝えてくれる。
強く、離れないように、抱きしめてくれる。
終わった時、満たされた気持ちでいっぱいになってる。
私は首を横に振って彼の首の後ろに手を回す。
「すごく幸せだよ……」
そう、今だって
「要はいつも……『愛してる』って言って抱きしめてくれるから」
そうやって抱きしめてくれる要の腕からは……
「もう、逃げられないな……って思って、胸がいっぱいになっちゃう」
笑顔で言ったつもりなのに、私は今も泣いている。
要は私を引き寄せて目元にキスをすると、そのまま涙を吸う。
唇が離れて、閉じた目をゆっくり開くと、目の前に真剣な眼差しの要の顔があった。
「俺は友紀を逃がすつもりはないよ」
そう言って私を掻き抱く要に、2度目の「愛してる」を囁かれた。
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