ジオラマセカイ
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あぁ、まずったな。そう思ったのがついさっき。
やっぱ夜更かしするんじゃなかった。就寝前のスマホは睡眠の質を下げるって散々見たのに、今日は寝ようって思ってたのに、何回反省したってスマホに手が伸びてしまうのは人間の性なのだ。文明がぜんぶ悪いのだ。だいたい代わり映えのない場所をぐるぐる回ってたらそりゃ眠くもなるでしょ。もうこうなると、メメントスに行きたがるキャトルが悪くない?いーや、眠気を誘う運転をしたワンダーが悪くない?クローザーは……たぶん一緒に寝てた。
何やかんやで悪いのはワンダーだな、うん。そう責任転嫁し、ぐるりと周りを見渡したのが今。目をこすっても過去を悔やんでも、私の前に広がる景色は変わってくれそうにない。退屈だったはずの地下鉄が恋しく感じるのは、目の前の光景を信じたくないからだ。
「もちろんCGじゃない、んだよね……はは」
鼻先を掠める潮の香り。さざめく波の音。吹きつける風に靡く髪、もみくちゃにされた髪をほどきながら背後にそびえ立つ建物を見上げる。夕陽に照らされたそれは、怪しく荘厳な雰囲気を纏っていた。
船の上にぽつんと浮かぶ姿に記憶の中の建物を重ねてみる。絶対おかしい。校外学習で行ったきりとはいえ見間違えるはずがない。そもそも船の上にこれはないし、これ以外が海に沈むなんて天変地異か超常現象か何かだ、それくらいありえない光景が広がっていた。
「海の上の国会議事堂、か」
呆然とする私に突きつけられたのは『誰かのパレスに来てしまった』という現実だった。
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