ブルロメンと夢の国行ってきた(潔、千切、蜂楽)
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「ねぇ世一、今日なにか絶対乗りたいアトラクションとかある?」
舞浜駅に降り立った瞬間、いつもより1トーン高い彼女の声が響く。手元にはアプリの画面、首からはパスケース。その立ち姿には、フィールドに立つ潔と同じような、あるいはそれ以上の……「覚悟」が宿っていた。
「あー、そうだなぁ…。絶叫系になにか、乗れたらいいかな」
潔が少し遠慮がちに答えると、彼女の指がスマホの上で神速のフリックを刻み始めた。
「了解。じゃあ、インディかレイジングスピリッツのプライオリティパス取っておくね。……あ、取れた。13時の回。それまでに近場のグリーティングエリアで写真撮っちゃおう。夕方になったらヴェネチアン・ゴンドラに乗りにエントランス側へ戻るから、ファンタジースプリングスは今回あえてパスして、限定フードの撮影とパレードに時間使おっか。あ、今からトイマニ並んじゃう?開園直後は人気アトラクション乗りたいし」
「………………」
潔は唖然とした。
状況理解、リソース(待ち時間)の分配、そして最短ルートの構築。それは潔がいつもフィールドで、脳をフル回転させて行っている思考プロセスそのものだった。しかも彼女のそれは、一切の迷いがない。
「ちょ、ちょっと待って。今からそんなに色々決めておくの?」
あまりのスピード感に潔が思わず制止をかけると、彼女がピタリと指を止めた。
「何言ってんの!! せっかくここまで来たんだよ!?!???」
「パーク閉園まであと12時間しかないの。当然、全部プランニングしておかないと。それとも……世一は、やりたいことを取りこぼしてもいいタイプ?」
ちら、と流し目でこちらを伺う彼女の口調は冗談めかしているが、……目が全く笑っていない。その眼光は、まるでゴール前でパスを出さない味方を射抜くストライカーのそれだった。
「い、いえ……お任せします……!」
「よかった! 話が早くて助かる!」
ぱあぁ、と花が咲いたような笑顔に戻る。
「あの、カチューシャとかは買わなくていいの?」
「カチューシャ? ああ、カチューシャなら、ハイ」
彼女がバッグから取り出したのは、ベージュ色をしたふわふわの熊耳カチューシャ。
「家にあるやつ持ってきたよ。お揃いでつけよう。世一はこっちのダッ○ィーでいいよね?」
彼女がバッグから取り出したふわふわの耳をされるがままに頭に乗せられる。
提示されたのは選択肢ではなく、決定事項。
潔の頭に、いつもの「パズルのピース」が浮かび上がる。……が、そのピースをはめているのは自分ではなく、完全にナマエだ。
(……ヤバいな、これ。ついていけるか……?)
一気に予定を詰め込まれ、潔の脳内CPUが悲鳴を上げる。周囲を見渡せば、人、人、人。誰もが夢の国が提供する複雑なシステムを完全に理解しているように見え、自分は場違いなんじゃないかと思えた。
そしてそのシステムの第一人者であるがごとくなナマエの様子に、潔は今日という日の先行きに、一抹の不安と戦慄を覚えていた。今もぶつぶつとプレミアムアクセス買うかなぁ、2000円あったら別の物買えるよなぁ、と訳の分からない(プレミアムアクセスって何?)言葉を呟いている。
長い入場列をくぐりようやくパークに入園するとそこには外国風の景色が広がっていた。ナマエは相変わらずの様子でぐいぐいと世一を引っ張っていく。
「ほら見て世一、限定のデコレーション! 可愛い!」
「あ、本当だ。かわいい」
「この場所で、このポーズで一緒に写真撮ろう! はい、1・2・3!」
あっちのデコレーションも撮る―!と常時きゃあきゃあとはしゃぎ、あちこちへ自分を引っ張っていく彼女。
その運動量と、一瞬のシャッターチャンスを逃さない集中力は、間違いなく超一流だ。
(……これ、試合並み……いや、試合より疲れるかもな)
早起きと入場待ちの待機で、正直、足はすでにだるさを感じている。
けれど、楽しそうな彼女を見ていると、不思議と悪い気はしなかった。
「もたもたしてると、次の予定に間に合わないよ!早く 行こう、世一!」
「わ、待って!ーーーーーーーっと、」
小走りでナマエに駆け寄りながら、彼女がこれだけ楽しんでいるのなら、「来てよかった」と、甘いポップコーンの香りに包まれながら、そう思うのだった。
舞浜駅に降り立った瞬間、いつもより1トーン高い彼女の声が響く。手元にはアプリの画面、首からはパスケース。その立ち姿には、フィールドに立つ潔と同じような、あるいはそれ以上の……「覚悟」が宿っていた。
「あー、そうだなぁ…。絶叫系になにか、乗れたらいいかな」
潔が少し遠慮がちに答えると、彼女の指がスマホの上で神速のフリックを刻み始めた。
「了解。じゃあ、インディかレイジングスピリッツのプライオリティパス取っておくね。……あ、取れた。13時の回。それまでに近場のグリーティングエリアで写真撮っちゃおう。夕方になったらヴェネチアン・ゴンドラに乗りにエントランス側へ戻るから、ファンタジースプリングスは今回あえてパスして、限定フードの撮影とパレードに時間使おっか。あ、今からトイマニ並んじゃう?開園直後は人気アトラクション乗りたいし」
「………………」
潔は唖然とした。
状況理解、リソース(待ち時間)の分配、そして最短ルートの構築。それは潔がいつもフィールドで、脳をフル回転させて行っている思考プロセスそのものだった。しかも彼女のそれは、一切の迷いがない。
「ちょ、ちょっと待って。今からそんなに色々決めておくの?」
あまりのスピード感に潔が思わず制止をかけると、彼女がピタリと指を止めた。
「何言ってんの!! せっかくここまで来たんだよ!?!???」
「パーク閉園まであと12時間しかないの。当然、全部プランニングしておかないと。それとも……世一は、やりたいことを取りこぼしてもいいタイプ?」
ちら、と流し目でこちらを伺う彼女の口調は冗談めかしているが、……目が全く笑っていない。その眼光は、まるでゴール前でパスを出さない味方を射抜くストライカーのそれだった。
「い、いえ……お任せします……!」
「よかった! 話が早くて助かる!」
ぱあぁ、と花が咲いたような笑顔に戻る。
「あの、カチューシャとかは買わなくていいの?」
「カチューシャ? ああ、カチューシャなら、ハイ」
彼女がバッグから取り出したのは、ベージュ色をしたふわふわの熊耳カチューシャ。
「家にあるやつ持ってきたよ。お揃いでつけよう。世一はこっちのダッ○ィーでいいよね?」
彼女がバッグから取り出したふわふわの耳をされるがままに頭に乗せられる。
提示されたのは選択肢ではなく、決定事項。
潔の頭に、いつもの「パズルのピース」が浮かび上がる。……が、そのピースをはめているのは自分ではなく、完全にナマエだ。
(……ヤバいな、これ。ついていけるか……?)
一気に予定を詰め込まれ、潔の脳内CPUが悲鳴を上げる。周囲を見渡せば、人、人、人。誰もが夢の国が提供する複雑なシステムを完全に理解しているように見え、自分は場違いなんじゃないかと思えた。
そしてそのシステムの第一人者であるがごとくなナマエの様子に、潔は今日という日の先行きに、一抹の不安と戦慄を覚えていた。今もぶつぶつとプレミアムアクセス買うかなぁ、2000円あったら別の物買えるよなぁ、と訳の分からない(プレミアムアクセスって何?)言葉を呟いている。
長い入場列をくぐりようやくパークに入園するとそこには外国風の景色が広がっていた。ナマエは相変わらずの様子でぐいぐいと世一を引っ張っていく。
「ほら見て世一、限定のデコレーション! 可愛い!」
「あ、本当だ。かわいい」
「この場所で、このポーズで一緒に写真撮ろう! はい、1・2・3!」
あっちのデコレーションも撮る―!と常時きゃあきゃあとはしゃぎ、あちこちへ自分を引っ張っていく彼女。
その運動量と、一瞬のシャッターチャンスを逃さない集中力は、間違いなく超一流だ。
(……これ、試合並み……いや、試合より疲れるかもな)
早起きと入場待ちの待機で、正直、足はすでにだるさを感じている。
けれど、楽しそうな彼女を見ていると、不思議と悪い気はしなかった。
「もたもたしてると、次の予定に間に合わないよ!早く 行こう、世一!」
「わ、待って!ーーーーーーーっと、」
小走りでナマエに駆け寄りながら、彼女がこれだけ楽しんでいるのなら、「来てよかった」と、甘いポップコーンの香りに包まれながら、そう思うのだった。
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