第一話
夢小説設定
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スラスラと書いていた筆が止まり、小春は不安そうな顔で山崎を見た。
山「どうかしましたか?」
『退院したら、行く宛てがないです』
山「えっ、家族とかは…」
『孤児なので…友人も居なくて…』
山「そうでしたか…」
『厚かましいとは思いますが、真選組の屯所で雑用として働かせて頂く事は出来ませんか?』
山「うーん、局長が来たら聞いてみましょうか。働かせて貰えるかもしれないですけど、うちは男ばかりだから肩身狭いかもしれないですけど…」
そうこうしていると部屋のドアが開いた。
近「失礼します。… 小春さん、この度は本当に申し訳ございませんでした!!」
「!!?;;」
入って早々頭を下げる近藤に小春は慌てた。
何せ頭を下げるべきは自分の方だと思っていたからだ。
小春は何とかジェスチャーで近藤に頭を上げさせると、急いで文字を書き始めた。
『どうして謝るんですか? 助けて頂いたのは私なのに…』
近「俺がもっと早く対処すれば貴女を命の危険に晒す事はなかった。…こんな大怪我をさせてしまって…」
『私はあの時、死ぬんだと思いました。貴方のおかげで今生きる事が出来ているのです。怪我なんていいんです。助けてくれて本当にありがとうございました』
近「……」
『声が出せるようになったら、改めてお礼を言わせてください』
近「…わかった」
小春が笑いかけると、近藤の表情が少し和らいだ。
山「…局長、小春さんについてなんですが、事前に色々書いてもらいました」
近「うむ、どれどれ………えっ小春さん不幸降りかかりすぎじゃない?;;」
「(苦笑い)」
山「それでなんですが、退院したら小春さん行く宛てがなくなってしまうので、屯所で雑務をさせてほしいそうなんです」
近「全然いいよ!部屋も空きがあるし、むさ苦しい所で良ければ住んでもらって構わない」
「!……ッ、〜〜!!;;」
小春は嬉しさのあまり声を出そうとしてしまい、首に痛みが走る。
近「おいおい、無理しないでくれ;;」
『嬉しくてつい…。あともう1つお願いがあるのですが…』
近「出来る事があれば何でも言ってくれ」
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