第四話
夢小説設定
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小春は店を飛び出した後、街をフラフラと歩いていた。
「まったく…二人ともデリカシーないんだから! ……ん?」
ふと、一件の寂れた骨董品店の前で足が止まった。
普段は気にもとめないであろう店に、この時はやけに引き込まれた。
「(なんだろう…。ここに入らなきゃいけない気がする)」
吸い込まれるように中に足を踏み入れると、店内は壺や掛け軸等の骨董品から刀や薙刀等の武器も置いてあった。
店の奥にはお爺さんが静かにお茶を啜っている。
爺「やぁ、いらっしゃい。こんなに若いお嬢さんがこんな店に来るなんて珍しいね。ゆっくり見ていっておくれ」
「はい、ありがとうございます」
心がザワつきながら店内をゆっくりと見渡すと、あるものに目を奪われた。
「…これ…」
爺「ああ、それは『獣操族(じゅうそうぞく)』が使っていた腕輪じゃな」
「獣操族?」
爺「とうの昔に戦争で絶滅した一族じゃよ。獣操族には特別な力が2つあってな、1つ目は獣と会話ができ、その名の通り獣を操ることが出来る。…まぁ操ると言っても会話が出来るから協力をしてもらったといったところじゃろうが」
「……」
爺「2つ目は治癒力が高いこと。普通の人間のおよそ2倍の早さで傷が治る。一族の血を体内に取り入れれば一時的に同じ効果を得られる」
「………」
爺「この2つの力に目をつけた奴らは一族を一人残らず戦争に利用したんじゃ。男には戦わせ獣を操らせ敵をかく乱し、女からは血を採取して怪我人に飲ませる。…道具のように扱い、挙句の果てに絶滅させた」
「…詳しいんですね」
爺「わしも友人だった獣操族もその戦争に駆り出されていたんじゃ。生き残ったのはわしだけだったがの」
「じゃあ、これはご友人の?」
爺「そうじゃ」
「これ、つけてみても構いませんか?」
爺「構わんよ。その腕輪のボタンを押すと血が採取されてカプセルが出るようになっとるんだ。…まぁ、獣操族以外には反応しないように出来とるから、アクセサリーみたいなもんじゃ」
「このボタンかな?」
小春は腕輪を付けると、ボタンを押した。
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