9th down
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風に飛ばされたポスターを追いかけていくと、なんという事か、琴音の手の届くか届かないか位の木の枝に引っかかってしまった。
「うわー!なんなのもー!;;」
必死にジャンプして手を伸ばすも、悲しいかな、彼女の背丈ではポスターに手が届かなかった。
「忌々しい身長め…!」
?「あの、大丈夫? …はい」
「あ」
後ろから伸びた手がポスターを簡単にとる。
琴音が振り返ると、そこにはひょろりとした、いかにも文系な青年が居た。
「あ、ありがとうございます!」
?「どういたしまして。…このポスターって、アメフト部?」
「はい。今日王城との試合がTV放送されるんです! よかったら見てください♪」
?「へぇ…。え、って事はキミもアメフト部なの!?」
「はい! 1年の鈴原琴音です」
雪「そう言えば名前教えてなかったね。僕は2年の雪光学。よろしくね」
「よろしくです♪ 雪光先輩は何か部活に入ってますか?」
雪「いや、部活は入ってないんだ。運動はてんでダメで…」
「そうなんですか…」
雪「…でも高校最後の年だし、せっかくだから部活に入ってみたいんだ」
「うちはいつでも歓迎しますよ♪ …あ、でもヒル魔先輩のことだから試験とかあるかもしれませんね」
ヒ「んなの当たり前だろーが、赤毛」
そんな声と共に琴音の頭に細くもゴツゴツした手が乗せられた。
「んあ、ヒル魔先輩。どうしたんですか?」
ヒ「どうもしねぇ。たまたま見かけただけだ」
「そうですか? もう皆集まってますか?」
ヒ「ああ。さっさと来い」
「はーい。じゃあ雪光先輩、また♪」
雪「う、うん。またね (あの子、ヒル魔くんと仲いいんだ…)」
琴音は雪光に手を振って、ヒル魔と共に部室へ向かった。
「…あの、ところでヒル魔先輩?」
ヒ「あ?」
「何故私の頭をずっとわしわししているのでしょうか?」
ヒル魔は琴音の頭に手を乗せてからずっと、わしわしと撫でていた。
ヒ「ッ……別に…なんでもねェ…//」
ヒル魔自身も撫でていたのは無意識だったらしく、琴音の指摘にハッとして手を離した。
「? 変なヒル魔先輩」
ヒ「(ケッ…俺は何やってんだ。らしくねぇ…)」
首を傾げる琴音に対して、ヒル魔は普段の自分では決してしない行動に内心驚いていたのだった。
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