8th down
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王城と泥門の点差は48点。
残り時間も5分を切っている。
ヒ「チッ、ゲームオーバーだ。あと適当に流していいぞ。俺はもう上がる」
栗「えーーー!;;」
ヒル魔はヘルメットを脱ぎ、片付け始めた。
ヒ「ついさっきまでは1億分の1くらい勝機があった。たった今それが0になった。あとはハドルで時間潰されて『詰み』だ」
栗「い、一応最後まで頑張ろうよ~」
ヒ「『最後まで良くガンバった』って褒められてーのか?『負けたけど俺たちガンバったよな』って慰め合うか?」
栗「いや、それは・・・頑張ることに意味っていうか・・・」
ヒ「勝つためにやってんだ。勝つ気ねえガンバリなんざ何の意味もねェ」
そう言い残し、ヒル魔は歩いていく。
「・・・それでヒル魔は・・・お前はいいのかよ?」
ヒ「あ?」
「別に俺はいいよ、負けても。俺は勝ち負けも自分より強い奴と戦う事も全部ひっくるめて楽しいから、面白れぇからアメフトやってんだよ。・・・それを何だよ。勝ち負けしか見ねえで、お前は楽しくねぇのかよ!楽しいからわざわざ面子揃えて大会に出てるんじゃねぇのかよ!!」
ヒ「・・・・・・」
「お前それでもデビルバッツまとめる司令塔かよ!栗田先輩の最後まで大好きなアメフトやりてぇって気持ちも!アイシールドが、もう少しで進さんを抜けるかもしれねぇって!勝ちてぇって気持ちも全部無駄にするつもりかよ!!!!」
琴音は肩で息をしながらヒル魔を見据えた。
ヒル魔は琴音を暫く見た後、セナを見た。
セナの足は小刻みに震えていた。まるで進と早く戦いたいと言わんばかりに。
ヒ「・・・・・・勝ちてえのか? 進に」
セ「え、いや、その、そんな大それたのじゃなくて・・・ただもう少しで抜けそうかな~なんて・・・」(ぐでぐで)
ヒ「ゴチャゴチャうるせーコノ糞チビ!!」
セ「ひいいいいい!! ;;」
ヒル魔はセナに銃を乱射した後、再びヘルメットをつけ直した。
ヒ「作戦会議(ハドル)!」
―――・・・
ハドルを終え、ヒル魔は琴音のヘルメットにポンと手を置くと、周りに聞こえるか聞こえないか位の声でそっと言った。
ヒ「・・・悪かった」
「先輩・・・いえ、私こそ生意気言ってすみません・・・。でも、戻ってくれてよかったです!」
ヒ「ケケケ、どっちにしろ今回の試合は負けだ。糞チビが進に勝てりゃ十分泥門の宣伝になる」
「セナならきっと抜けますよ。あの脚なら・・・ 」
その後、ヒル魔はわざとセナと進がサシで当たるようにブロックを割り当てていた。
セナは何度も何度も進に挑み、倒されていた。
だが少しずつ、確実にスピードを上げていた。
そして、残り時間3分を切った時、事故は起きた――。
バガッ!
鈍い音と共に二人の選手が衝突した。
一人はアイシールド21。
もう一人は、剥がれたシールを追ってフィールドへ入った桜庭だった。
桜庭がぶっ飛んだと同時にファン達の悲鳴が上がる。
桜庭は救急車が呼ばれる前に担架で運ばれていった。
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