5th down
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――翌日・・・
【部室】
「現在午前5時。早速開始しますか!」
琴音はジャージの腕を捲るとてきぱきと片付け始めた。
ゴミは分別し、雑誌も月ごとに並べ、他校のデータはファイルで分けた。
「・・・ふぅ、後はホコリ落としてほうきで掃いて雑巾がけして終わりか。よし、頑張るか!」
琴音が気合いを入れ直して掃除の最終段階に取りかかろうとすると、部室の扉が開いた。
ま「あっ・・・鈴原、さん?」
「ん? あぁ、まもりさん。おはようございます!」
ま「え、うん。おはよう・・・;;」
「あれ?そういや今何時? ・・・あ、もう7時になるのか」
時計を見ると、既に7時前。
まもりはまさか琴音が居るとは思わず、気まずそうにしている。
「・・・しまったなぁ。こんな早くまもりさんが来るとは思ってなかったわぁ」
ま「・・・どういう事?」
「いや、ホントはまもりさんをピカピカの状態の部室に入れたかったんですよ。入って汚なかったら誰だって嫌だし。それに、まもりさん女の子だから・・・特に汚ないの嫌だろうなぁって・・・」
「そう言う私も一応女の子ですけどねー」とへらへら笑う琴音にまもりは驚いた。
「じゃあちょっとホコリ落とすんで、ちょっと外に出ててください。汚れちゃうんで」
ま「・・・うん」
「・・・昨日、怒鳴っちゃってすみません。気分悪くしましたよね・・・」
ま「え?」
「正直、セナに過保護過ぎる貴女が許せなかったんです。セナには自分の意志があるのに貴女がすぐ決めて・・・だから、私はセナに自分でどうしたいのかを聞いたんです。」
ま「・・・・・・」
「まもりさんが私を嫌いだと言うのなら、私はそれでもいいと思ってます。・・・今は、昨日怒鳴ってしまった事を謝りたいんです。すみません・・・」
琴音はまもりに深く頭を下げた。
その姿を見て、まもりもゆっくりと口を開いた。
ま「私も・・・ごめんね。私、あなたを誤解してた・・・」
「はい」
ま「淡々と話して、出ていけとか・・・冷たくて怖い人だと思ってた。昨日電車で皆から、鈴原さんは明るくて優しい子だって聞いたときは信じられなかった・・・」
「・・・でしょうね」
ま「でも、あなたが私の事を思って掃除をしてくれたり笑ってるのを見て、皆が言ってた事が本当だって分かったわ。鈴原さん、ごめんなさい・・・」
「ふふ、じゃあお互い様って事で! まもりさん、これからよろしくお願いします♪」
ま「・・・うん!」
二人はお互いに笑い合うと、固い握手を交わした。
これで二人の溝はなくなり、逆に友情が芽生えたのだった。
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