時には俺の話をしようか
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椿には新しい男ができたと、
風の噂で聞いた。
俺はまた愛もなにも分からない昔の俺に逆戻り。
むしゃくしゃした気持ちをぶつけるみてぇに女を抱いてみても、満たされねぇ…
ケンカをしてみても、前みてぇに楽しくねぇ…
なにをするわけでもなく、
ただ抜け殻みてぇに物思いにふける日々が続いた。
椿と3人でよくつるんでいた銀八とも、椿の仲介がなくなってからは、
話すこともなくなった…。
そしてそのまま高校を卒業し…
俺は医学部のある大学へと進んだ。
親の後を継いで大病院の医院長になる気なんざさらさらねぇが、
とりあえず医学部さえ行っときゃ、
しばらく親も大人しくなんだろ…
そんな思いで医学部に進んだ。
だが意外にも、医学部での勉強は俺の性に合ってたのか、
ガラにもなく真面目に授業を受けて勉強して…
そうしているうちに、椿のことも思い出に変わり、
抜け殻の自分から抜け出すことができた。
そんな大学1年の時…
両親が交通事故で死んだ…。
「高杉…大丈夫か…?」
葬式で…俺に声をかけてきたのは銀八だった。
しばらく疎遠だった銀八がなぜ葬式に来てたのかは分からねぇ…
けど、ひさしぶりに見たそのツラに、ひどく安心した。
「…別に。
むしろせいせいした…」
「…」
「悲しくはねぇんだが…、一気に気が抜けちまったというか…
俺はなんのために医学部で必死こいて勉強してんのか…
なにを目指せばいいのか…
分からなくなっちまった…」
「高杉…」
また俺は空っぽになった。
それから俺は医学部の授業もサボりがちになり、
女をとっかえひっかえして遊ぶようになった。
サボりがちでも頭がよかった俺は、
医師免許を取り、女にモテるからという理由で医者になった。
どうやら俺は、医者としての才能があったらしい。
外科医として、様々な難しい手術を成功させ、
伝説の外科医なんて呼ばれるようになり、
女医や看護師、患者まで、
とにかくモテてモテてモテてまくった。
金回りもよかったのもあって、
あの頃の遊びが一番派手で、
とにかく病院中のイイ女を喰いまくってたら…
病院のおえれーさんに呼び出され…
俺の女関係が病院内で問題になっているとつめられた。
手術は好きだが、
大病院の派閥や上下関係にはうんざりしていたし、
これも機会だと、
俺はおえれーさんのハゲ頭に辞表を貼り付けて病院を去った。
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