時には俺の話をしようか
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高校に上がって、
そんなケンカと女っつー
毎日にも飽きた頃・・・
椿と出会った。
安堂椿。
銀魂高校のマドンナ。
モデル顔負けの
美しい顔とスタイル、
成績優秀、運動神経抜群、
それより何より、
その明るい性格と、
常に人を惹きつける何かを持っている
椿の魅力に、
どうしようもなく恋い焦がれた。
椿と付き合うようになって…
今までのすさんだ生活が一変した。
椿は、俺の知らない世界をたくさん教えてくれた。
毎日がすげー楽しかった…。
だが…そんな楽しいだけの毎日も、
長くは続かなかった。
椿は銀魂高校のマドンナ。
そんな椿に恋い焦がれる男は、
腐るほどいた。
…椿は、普段は気さくで、気も利く、
優しい女だったが…
その顔には裏があった。
言い寄ってくる男に、
その気のあるような態度をとったり、
俺にわざとそんな姿を見せて焼かせてみせたり…
男の気持ちを持て遊びたい、
そんな一面があった。
馬鹿な俺は、
それでも椿が好きで…
椿がそんな俺の気持ちも知ってて、
惚れた弱味を握るようなことをしていると分かってたが…
それでも、椿をつなぎとめておきたかった。
どうすれば、椿が他の男に見向きをしなくなるのか。
俺だけを見るようになるのか。
そんなことを考えて、
毎日イライラして、不機嫌だった。
そして…、決定的なことが起こった。
「風邪?」
「うん。大したことないんだけどね?ちょっとしんどいから、今日は学校休むね?」
「…なら看病に行く」
「だーめ♪
晋助は学校あるでしょ?」
「お前が心配で学校なんて行ってられっか」
「ふふっ、ありがと。
でもほんと大丈夫だから。
じゃっ、またねっ」
「おぃっ、椿っ…
って、切りやがった…」
後から思えば、風邪にしては声が元気すぎたが、
そん時の俺はなんの疑いももっちゃいなかった……
俺は来るなという椿の言葉も無視してスポドリやらなんやらを買い込んで椿の家へと向かった。
椿の家は両親が外交官で海外を飛び回ってるらしく、
実質一人暮らし。
だから俺は合鍵をもらってちょくちょく椿の家に行っていた。
ガチャ…
俺は合鍵を使い、中に入る。
すると部屋の方から人の声がした。
誰か来てんのか…?
「いいのかよ、椿…
高杉、あいつ、お前の彼氏だろ?」
「だ~いじょうぶ。あの子、私にぞっこんだもん」
「ははっ、魔性の女は怖いねぇ」
「もうっ、こういう時に他の男の話ししないで。
私…あなたにすっごい興味あったの…」
「…そういうこと、他の男にも言ってんだろ?」
「………だめ…?」
「ほんと怖ぇ女だ…」
「あっ、ん…///」
目の前の光景を疑った。
椿の喘ぎ声、
たっぷりとしたふくよかな胸が他の男の手で揉み砕かれ、
いとも簡単にその長い脚を開いている。
そのソファは俺達がよく愛し合ったソファ。
あの愛は全部嘘だったのかよ?
そのソファの上で、何人の男に股を開いて来たんだよ。
俺もそのうちの1人だったって訳か…
全てが崩れ去る音がした。
ガタッ…
手に持っていたスポドリの入った袋が床に落ちる。
するとその音に、
裸の2人がこっちを向いた。
「…!!
しんっ…すけ…」
椿はガラにもなく悲愴な顔をしていたが、もうそんなことはどうでもよかった。
俺は無言で玄関を出た。
「…んすけ!晋助!
待って!!」
後から追いかけて来た椿が俺の腕を掴んだ。
「違うの!!誤解よ!」
「…」
男と素っ裸の現場を目撃されておいて、誤解だなんて言える椿がおかしかった。
「別にあの人と付き合ってたとかそういうんじゃないの!!
部屋に入れたのもあれが初めてだし、
あれはただの…」
「遊びだとでもいうつもりか…?」
「…!!」
「…」
「…」
「し、晋助だって、何人もの女の子と遊んだりとかそういう経験あるでしょ?
わ、私もね…他の男がどうしても欲しくなっちゃう時があるの…
いけないことだって分かってるんだけど…」
「…」
なにが嫌になるって、
こんな馬鹿な事を言っているこの女を
憎めないってことだ。
「…。
最後に…お前に言っておきてぇことがある…」
「え…さ、最後って…」
「俺は…
俺は本気で…
お前の事を愛してた…」
それだけ言うと、俺は歩き出す。
もう椿は追っては来ない。
それが俺達の終わりを示していた。
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