時には俺の話をしようか
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〈おまけ〉
生まれてから16回目の春が来た。
「ヤバい!!遅刻!遅刻する!!」
入学式の今日。
晴れて私は銀魂高校の一年生になったのだ。
下ろしたてのパリッとした制服。
新しいカバン。
新しい靴。
すべてが新しいものに包まれて、
私は通学路を走る。
どんな学校なのかな。
クラスで友達はできるだろうか。
担任の先生はどんな人だろう。
期待と不安で胸がいっぱいだ。
「わぁ…桜…綺麗…!」
ふと見上げれば、
桜が満開に咲いていた。
空は絵の具を零したように青く、
雲は真っ白。
ポカポカとした暖かい日差し。
渇いた風。
その爽快な天気は
まるで今日から始まる私の高校生活を祝福してくれているように思えた。
きっと何かいい事が起こる…
そう。
その時、私はそんな予感がしたんだ。
「…って!こんなことしてる場合じゃない!早く行かないと!」
高校生活初っ端だというのに、
遅刻しそうになってる状態で、
なにが「いい事が起きそうだ」だよ…!
前途多難だよ!
だなんて自分にツッコミを入れながら、
坂を駆け上がる。
やっと校舎が見えてきた…!
そう思った時だった。
「痛…!」
誰かと肩がぶつかった。
「わ!ごめんなさい!」
とっさに私は相手に謝った。
男の人だ。
スーツ着てる…
学校の前でなんの用だろう?
キーンコーンカーンコーン…
校舎から、チャイムの音がなった。
「ぎゃ!!もうチャイムなった!私!急いでるのでこれで!」
相手の顔を見る余裕もなく、
私は校舎へと走った。
「……。
変な女…。
銀魂高校の学生か…。
チッ…それより、新任のセンコーの研修会だァ?めんどくせェ。
イイ女のセンコーでもいねーかな…」
2人はまだ知らない。
すでに運命の歯車は動き始めていたことに…
2021.09.15
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