共犯
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「はぁ・・・っ、はぁっ・・
なんとか・・・逃げれたみたいね」
「あぁ・・・」
人影の少ない路地裏に入り、私たちは身を隠す。
ふと自分の姿を見ると、
必死に走ったせいか、髪や服が乱れていた。
そして、晋助の方も私と同じように
髪や服が乱れていた。
「ふふっ・・・
私たち、すごい格好ね?」
「フッ・・・そうだな・・・
花魁の名が聞いて飽きれる格好だぜ・・・」
「晋助。さっきは言えなかったんだけど、
その着物、似合ってるわ」
「・・・!」
「いつもきらびやかな着物もとても似合ってたけど・・・その着物姿も、本当のあなたが見れた気がして、とても好きよ?」
「そ、そうかぃ。
ありがとよ・・・」
晋助はそう言って、照れた顔をした。
晋助が照れた顔・・・
初めて見た・・・
「だが、ほんと、
俺はもう花魁じゃねぇんだな・・・」
「えぇ・・・」
「花魁の頃・・・俺ァよく、
客から自分だけのものになってくれと言われたよ。」
「・・・晋助?」
「そう言われる度に俺ァ、今宵だけは俺はてめェのモンだって・・・全ての客にそう言ってた。」
「・・・・」
「客がどういう意味で、自分のモンになってくれって言ってんのか・・・理解してなかったんだな、俺は。だけど・・・
今なら分かる。」
「・・・・」
「これは花魁の殺し文句でもなんでもねェ・・・。
俺ァ、一生お前だけのモンだ。」
「・・・・!
晋助・・・」
***
そして2人での生活が始まった。
晋助は6歳から遊郭にいたから、
色んなことが普通の人とは違う。
それは分かってはいたけど…
だけど、思ってた以上に晋助はなにも知らなかった。
「?こりゃなんだ?」
そう言って私になんでも聞いてくる晋助に教えてあげる日々はとても不思議な感じで…
遊郭で彼に会ってた頃は、
彼があんなに大人に見えていたのに、
今は子供にものを教えるようで、
それもまた新鮮で面白い。
「晋助は本当にキセルが好きね…」
優雅にキセルをふかす晋助はさながら美しい蝶のようで…
思わず見入ってしまう。
キセルを持つ手、煙を吐く時に顎をあげるクセ…
やはり普通の暮らしをしても色香は人気花魁の時のまんま…
「まぁな…
花魁ん時からのクセでな…
これだけはやめらんねぇ…」
そう言う晋助はなんだか楽しそう
「…晋助は、花魁に戻りたいと思ったことある?」
「……あ?
あるわけねぇだろ。なに言ってんだ、お前ェ」
「でも花魁の頃は、綺麗な蝶として、なにもしなくてよかったじゃない?
今は自分でなんでもしなきゃいけないわけだし、やっぱり嫌だとか思ってないのかなぁって…」
「綺麗な蝶?
好きでもねぇヤツを抱かなきゃなんねぇ苦悩がお前に分かるか?」
「…!」
「自分がどんどん空っぽになってく気がすんぜ?
今の暮らしは…まだ慣れねぇが、
自分がどんどん満たされてく気がする…」
「…晋助…」
「お前のおかげだ、##NAME1##…
オマエが俺を地獄から救いあげてくれた…どんなに感謝しても感謝しきれねぇ…」
「晋助…」
「…##NAME1##…」
「えっ…ちょっ…?!///」
急に押し倒されたからビックリした。
「…俺がお前にしてやれることっつったらこれしかねぇからな…」
「っ…///」
「…俺ァ手練手管はすげぇだろ?」
「そ、そりゃもう…///」
日常生活に必要な事柄はなにも知らないクセに、
キセルの吸い方と、
避妊具と手練手管の知識だけは
ものすごいという、
なんともアンバランスな人だ…
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