保健医の高杉せんせー
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その後、
せんせーから保健室に来いって、
メールが入った。
「おぅ、ゆい。
来たか。」
私が保健室のドアを開けた瞬間、
いつもみたいにせんせーが
私を見てそう言って微笑んでくれた。
「今日は焼き菓子、用意してあるぜ?」
「え・・・。」
「どうした?」
「あ。
いえっ・・・なんでもっ・・・」
最近、せんせーの様子が変だと思ったのは、
私の気のせいなのかな・・・?
「ほら。
コーヒー。」
そう言って、
せんせーがコーヒーを淹れてくれた。
「あ、ありがとうございます・・・」
「どうした?
なんか元気ねぇなぁ?」
「そっ、そんな事ないですよ!」
そう言ってククッと笑うせんせーは
いつも通りに見える。
やっぱ、
せんせーの様子が違うように見えたのは、
私の気のせいだったのかもしれない・・・
仕事が忙しかっただけとか?
「あぁ、そうだ、ゆい。
忘れねぇうちに言っときてぇ事がある。」
「?はい?」
「明日から一週間、
保健医研修があってな、しばらく保健室は空ける事になっから、遊びに来ても菓子出せねーぜ?」
「えっ・・・。
あ、そ、そうなんですか・・・。」
「全く嫌になんぜ・・・。。
なんでこの俺がんな研修出なくちゃなんねーんだつーの。
出る必要ねーっつったんだけど、保健医は参加必須だってうるさくてな・・・」
出たくないなら、
出なきゃいいのに・・・。
思わず、そんな言葉が口まででかかった。
だけど、
これは仕事なんだし、
そもそも、
私がせんせーを引き止める理由なんてないんだし・・・
「いいんじゃないですか?
ソコで口の悪さと態度の悪さでも叩き直してもらったらどうです?」
「あ?
どーいう意味だ、コラ」
「ほら!その口の悪さですよ!
まぁ、私は、せんせーのエロ発言から開放されて、超快適スクールライフが戻ってくるわけですけどっ?」
思ってもいない減らず口が勝手に出てくる。
ほんと、
自分の可愛げのなさに反吐が出る・・・。
「・・・・そうか。」
「・・・はい?なにか言い・・・
「そういやお前、
保健委員やんのも、保健室来んのも、すっげー嫌がってたっけな?」
え、ちょっと・・・
せんせーいつの話ししてるの?
今では、
保健委員の仕事もちゃんとやってるし、
保健室に来ることが、私の何よりの楽しみなんだよ?
「この際、保健委員誰かに変わってもらうか。」
「えっ・・・」
この際って、どの際・・・?
「心配すんな。
銀八には俺から言っといてやるからよォ。」
「え、ちょっと、待って・・・」
心配すんなって、何?
私が心配してんのはそんな事じゃなくて・・・
「今まで散々嫌がらせして悪かったな、ゆい。」
悪かったってなに?
せんせー、キャラ変わってるよ・・・?
そう言いたかったのに・・・
その言葉が出てこない。
私はその場から
逃げるように去った。
せんせーが放った言葉が
まるでナイフのように私の心に突き刺さって
えぐる。
なにコレ・・・?
痛いよ、苦しいよっ・・・
保健室から遠く離れたところまで来ると、
立ち止まる。
「うっ・・・うっ・・・」
私の目から零れ落ちる涙。
「せっ、せんせー・・・っ」
気付けば・・・
私は、“せんせー”・・・。
この言葉を、他のどんな言葉よりも、
使っていたよ・・・。
保健室までの道のりは・・・
スキップしたくなるくらい、
心躍る瞬間で・・・
ガラッとドアを開けた時、
フッと私を見て微笑むせんせーを見る度、
私の居場所はここだよって言ってくれてる
みたいで、
すっごくすっごく嬉しかった。
何の取りえもなくて・・・
地味な私を・・・
せんせーは見つけ出してくれた。
せんせーの世界まで連れて行ってくれた。
せんせーが強引に私の手をひっぱって、
こっちだって、言ってくれた。
こんな私を・・・
好きだって言ってくれた・・・
口は悪くても・・・
態度は悪くても・・・
いつも優しくしてくれた・・・
可笑しそうに・・・でも愛おしそうに・・・
私を見つめてくれた・・・
どうしてせんせーの淹れる
コーヒーがあんなにおいしかったのか・・・
どうして、せんせーが私の頭を撫でてくれるたび、心がくすぐられるような気持ちになるのか・・・
キスされた時・・・
あんなに心満たされたのか・・・
せんせーが私を見て、
微笑むたび、幸せだって心から思えたのか・・・
今気付いたよ・・・
私は・・・
せんせーが・・・・・
こんなにも・・・・
好きなんだ・・・・。
「うっうっ・・・・
せんせーーーー!!!!!」
私はワンワン叫びながら、泣いた。
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