保健医の高杉せんせー
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今日は待ちに待った修学旅行。
「おい!
おめーら!おやつは500円までだかんな!」
「とか言って、
銀ちゃん、かばんにいっぱいお菓子入ってたアル」
「せんせーは大人だからいいんですぅ~。
つー事で、おめーら全員、せんせーに持ってる菓子全部上納しろ~」
「いや意味分かんないし!」
「ええ~!」
京都行きのバスの中、
銀ちゃんと生徒たちがお菓子を取り合ってギャアギャア騒いでるのを横目に見ながら、
せんせーは今頃どうしてるんだろう・・・
なんて考えてた。
せんせーとは残念ながら、
別のバスなわけで・・・
まぁせんせーの事だから、
かったるそうに寝てそうだ。
なんてせんせーの姿を想像すると面白かった。
*******
「あー!
けっこうバス長かったね~!」
「そうね~」
「早く抹茶飲みたいアル!」
京都について、
私はお妙ちゃんと神楽ちゃんと一緒にバスを降りる。
そしたら、
どこからか女の子がキャァキャァ言う声が聞こえてきて・・・
なんだろ?と思って、
何気なく声のする方を見ると・・・
「高杉先生!
喉渇いてませんか~?
よかったらコレどうぞ~///」
「先生~。
今日の自由時間なんですけどっ///
一緒に回りませんか?!///」
なっ・・・!!
私の目に映ったのは、
高杉せんせーと、
せんせーの周りに群がる数人の女子生徒。
なっ、
なっ、
なっ、
なんじゃありゃぁあああああああああ!!!!!!?
「あぁ。アレ?
最近けっこうあぁだぜ?」
どこからともなく声が降って来たかと思えば・・・
「って!銀ちゃん?!」
私の隣には銀ちゃん。
「さ、最近、あぁって?!」
「なに?お前、気付いてなかったの?
アイツ、最近、怖いオーラが和らいだとかで、
女子生徒に人気なんだわ。
まぁ、元々、惚れてる女子生徒は多かったけど、今までは近寄りがたかったってだけなんだけどな。」
「まっ・・・!
マジですか・・・!」
「ったく、
アイツばっか女子高生にモテやがって・・。
マジむかつくよな。マジ死ねよ、アイツ」
「・・・・。」
「あり?
ゆいサン、心配ですかー?
旦那の浮気が。」
「は?!
し、心配じゃねーし!
ていうか、旦那じゃないって何度も言ってるじゃないですか!」
「・・・まぁ、心配する必要なんざ、全くねーぜ?
今のアイツは、お前にベタ惚れだから」
「・・・!///」
「むしろ、お前がやきもち焼いてるなんて聞いたら、泣いて喜ぶんじゃね?アイツ。」
「・・・!///
お、おおげさな・・・」
「おおげさじゃねぇって!
そんくれー、お前にゾッコンだから!
・・・今の高杉見てると、まじ、
あの頃のアイツを思い出すわ・・・。」
「え・・・?
なに・・・?」
「あ!いやっ!なんでもねぇ!」
「・・・?」
「とにかく!
今のアイツに浮気はあり得えねー。
たとえどんな女が現れよーとな。
俺が保障する!」
「・・・・!
銀ちゃん・・・」
「ん・・・?」
「自由時間、
なんかおごります。」
「おぉ!
そういう事なら抹茶パフェがいい~」
私たちはそう言いながら、
集合場所へと歩いていった。
あの時銀ちゃんが言っていた、
“あの頃の高杉せんせー”に・・・
もうすぐ出逢うことになるなんて・・・
この時は想像もしていなかったんだ。
**********:
「よし!
ここからは自由時間だー!」
自由時間、
私は
お妙ちゃんと神楽ちゃんと、
京都の町を遊んだり、
銀ちゃん抹茶パフェ食べたり、
そりゃもう、
楽しすぎるくらい楽しかった。
でも、
今頃高杉せんせーは、
さっきの女子生徒たちと一緒にいるのかと
思うと、心苦しかったけど。
「ふーっ」
お妙ちゃんと神楽ちゃんが、
男子生徒たちのケンカに突然わって入って、
ケンカをし始めて・・・
その間、
私は休憩がてらにその辺のベンチに座ってた。
京都はほんと、どこを切り取っても絵になるなぁ~なんて、
ぼんやりとそんな事を考えながら、
京都の町並みを見ていたら・・・
「ククッ・・・
修学旅行に来てまで一人たァ、哀しいヤツだなァ?」
「・・・・!!」
後ろからものすごく聞き覚えのある声が聞こえて・・・
一気に身体の血が沸きあがった。
「たっ・・・!
高杉せんせっ・・・・?!」
振り返った瞬間、ほっぺに暖かい感触がしたかと思えば、
私の頬にコーヒー缶が押し当てられていて・・・
高杉せんせーが
私の頬にコーヒー缶を当てたのだと分かった。
「飲んでいいぜ?」
そう言いながら、
なんの許可もなく、私のベンチの横に腰掛けて、せんせーもコーヒーを飲みだした。
「あ、ありがとうございます・・・
って!わ、私、別にずっと一人じゃなかったですから!人を寂しい人間みたいに・・・!」
「知ってる。
さっき、銀八とパフェ食ってたなァ」
「・・・!
な、なんで知ってるんですか?!」
「えらく銀八と仲良さそーだったじゃねーか。」
「え?」
そう言うせんせーの声は不機嫌で…
もしかして…
「あの…
ヤキモチやいてくれてます?」
「…。」
せんせーが分かりやすく図星っ顔して黙るから、おかしくなった。
「ぷっ!
フハハっ!」
「…てめ、
なに笑ってやがる」
思わず堪えきれなくて吹いたら、せんせーがギロリと睨んできた。
「ふふっ
せ、せんせーにも、可愛いとこあるんですね!ププ!」
「お前…
のんきに笑ってる場合か。
銀八には気をつけやがれ。男はみんな獣だかんな」
「いやソレ、せんせーがいいます?」
さっきまで、せんせーに会えなくてもやもやしてた気持ちはどこへやら…
こうしてるだけで、
あったかくて幸せな気持ちがこみ上げてくるよ…
せんせー、
大好きだよ…
「そろそろ戻んねーとな、
集合時間だろ?」
「そうですね」
もうそんな時間か…
もうちょっとせんせーとこうしてたかったな…
そうおもったら…
「どーした?
まだ俺と一緒にいてーってツラしてんぜ?」
「⁈///」
いきなりそんなことを言われたからビックリした。
「なっ、ななな!」
「ククッ、さっきの仕返しだ。」
「?!///
せっ、せんせーのバカ!」
「ククッ。
おら行くぞ、ゆい」
大好きなせんせーが
私に微笑みながら手を差し伸べてくれた
私は迷うことなくその手を取ろうとする。
その時…
「しん…すけ?」
知らない声。
でも、とても透き通った素敵な声。
「?」
誰?と振り向くと、
そこには女の人が立ってた。
綺麗な声に相応しい、
モデルのようなスタイルがよくて綺麗な人…
そんな人が…
こっちを見て驚いたような…
せつないような…
そんな表情でこっちを見てる。
それはもちろん、
私ではなく、
高杉せんせーに向けられたもので…
「椿…」
「!!!」
よく聞きなれた大好きな声が、
私の知らない名前を呼んだ。
ほんとはその時、
せんせーの表情を見たくなんてなかったんだ。
せんせーとあの女の人は別になんの関係もない人だと思いたかったから…
でもそんな期待は、
一瞬で崩れ去ることとなった。
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