保健医の高杉せんせー
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結局・・・
今日は一日中せんせーのメールを待って
ケイタイ画面とにらめっこしてたけど、
学校にいる間中、せんせーからメールが届くことはなかった。
諦めて、
とぼとぼと夕日を見ながら
学校を出て帰る。
そしたら・・・
“や~ん!///高杉せん~せっ///
次、どこ行きますぅ~?///”
“高杉せんせー”
その言葉に耳が勝手に反応した。
え・・・?
そう思って、声がする方を見ると・・・
道路を挟んで反対側に、
まぎれもない・・・
高杉せんせーが歩いてた・・・。
そして・・・
その隣には、せんせーに
べったりくっついて腕を絡ませる
女の人・・・
その姿を見た時、
私の中で、なにかがガラガラと崩れるような音がした。
身体が鉛みたいに重くて・・・
動かない・・・
あんなの・・・
みたくないのに、
視線を逸らせない・・・
私が動けずに、
せんせーの姿を見ていたら、
その視線に気付いたのか、
せんせーがこっちを見た。
「・・・・!!
ゆい・・・?!」
「・・・・っ!」
せんせーに名前を呼ばれた瞬間、
とっさに逃げなきゃって思った。
そしたら、
さっきまで鉛のように動かなかった
身体が勝手に動いてた。
**************
「オイこらゆい・・・!!!!
なんで逃げんだ、テメーーー!!!!!」
「ぎゃぁぁぁぁーーーー!!!!
せ、せんせーこそ、なんで追っかけてくるんですかぁぁぁぁぁーーーー!!!!!!」
街を歩く人がみんなこっちを振り返って見てた。
そりゃそうだろ、
制服来た女子高生が逃げてて、
その後ろからチンピラみたいな口ぶりの男が
追っかけてたら。
けど、
今はそんな事を気にしてる場合じゃない。
「お前ェが逃げっからだろーが!!!!」
せんせーと目が合って逃げ出した後、
せんせーは
私を追っかけて走ってきたのだ。
まさか、追っかけてくるとは思ってなくて、
なんか本能的に逃げてたら、こうなった。
気付けば私は
来た道を逆走してて・・・
目の前には、
見慣れた校舎。
私はとっさに、学校へと逃げる。
「ゆいっ・・・・!!」
「きゃっ・・・!」
学校の・・・
どこだろ、ココ・・・
あんまり来たことのないような、
人のいない廊下で、
私はせんせーに腕を捕まれた。
「はっ・・・!
離してください!!」
「・・・落ち着け、ゆい!」
「いやです!
せんせーの顔なんか見たくない!」
「あ?
んだと、コラ!」
「さ、さっきの女の人・・・
待ってますよ?」
「は?
・・・お前、なんか勘違いしてねーか?」
「わ、私みたいなガキより、
さっきの女の人みたいな色気ムンムンな女の人の方がいいですもんね・・・!
分かりますっ、私が男でもそうしますもん!」
「おい、待て。
勝手に話し進めんな。」
「わ、私の事、好きとか言ったのも、気の迷い?的な?ものめずらしさみたいなもんでしょ?
まぁ、それも飽きて、せんせーは元通り、大人の女性の方へ戻って行ったってだけの話しなわけで・・・?わ、私は別になんとも思ってませんから。エロ大魔神がどこで何をしようと、別にっ・・・・!」
「・・・ゆい!」
「・・・・・!!///」
突然、
腕を引かれたかと思えば、せんせーの腕の中へと
身体をすっぽり収められた。
ふんわりと・・・
いつも保健室で嗅ぐせんせーのいい匂いがした・・・。
「悪ぃ・・・お前を泣かせちまって・・・」
「え・・・?」
せんせーにそう言われた時、
初めて自分が泣いているって事に気付いた。
「ゆい・・・。
俺の話しを聞いてくれ・・・。」
「・・・・。」
せんせーのその声色は、
信じられないくらいに優しくて・・・
波立っていた心が一気に
落ち着きを取り戻す。
「まず、さっきの事だが・・・
ありゃ、研修で一緒になったセンコーだ。」
「え・・・?」
「研修後に無理矢理飲みに連れられてな。
お前ェにメールしようとしたら携帯取り上げられっし・・・。
メールするっつったのに、できなくて悪ィ」
「・・・・っ、
そ、それは、いい、っですっ・・・」
喋ったら、
自分がめちゃめちゃ泣き声で
恥かしくなった。
そしたら、
せんせーがゆっくりと身体を離して、
私と向き合った。
「・・・で、メールで言ってた
会って話してー事なんだが・・・」
「・・・・はい。」
「研修前、俺ァ、
お前にわざとそっけない態度とって、
距離とってた。」
「わ、私、何かせんせーに嫌われるような事しました?」
「違ぇ・・・!
むしろその逆っつーか・・・!」
「・・・・?」
せんせーは、自分の前髪をくしゃってすると、
めずらしく余裕のない顔をする。
「・・・正直に話す。」
「は、はい。」
何か腹を決めたみたいにせんせーが言うから、
なにを言われるんだろうと、ドキドキしていると・・・
「・・・俺ァ、お前ェを抱きたくてしょうがなかったんだ・・・。」
「・・・・・。
は・・・?」
「お前ェんそばにいると、無償に抱きたくて溜まんなくなる・・・でも・・・無理矢理襲ってお前に嫌われたくねーから・・・
だから、あんなマネを・・・・」
「・・・・・//////」
「けど研修行っても・・・ずっとお前の事考えてた。・・・お前にすげぇ会いたくて・・・会えないと、余計に会いたくなって・・・」
「・・・・!!///」
私と同じだ。
私も・・・
この一週間ずっとせんせーの事考えてた。
すっごくすっごく会いたくて・・・
会えないと思うと余計に会いたくなって・・・
「だからゆい。
俺ァ、お前ェにもう一度言おうと思う。
俺はお前のことが好きだ。
今度は焦らなくていいなんて言えねぇ。
今すぐ答えが欲しい。」
「・・・・!!!!///」
せんせーはいつも
強引に私の心を引っ張っては
奪っていく・・・
今もそうだ。
決して離してなんかくれない。
せんせーのその熱すぎるくらいの瞳から・・・
一秒だって逃がしてはくれない。
「ゆい・・・
答えを聞かせてくれ・・・」
まるですがるみたいにそう言う
せんせーに、
心締め付けられる・・・
私はせんせーの話しを聞いてる時から、
すでに涙が溢れていて・・・
その涙が意味する事は・・・
せんせーなら分かるはずだ。
それでも・・・
せんせーは、私の“言葉”を待っている。
その瞳が・・・
私が逃げることを許さないと言っている。
せんせー・・・
私は今まで、
誰かにこんなに熱く気持ちを伝えたいって
思った事、
一度もなかったよ。
いつも・・・
ただなんとなく過ぎる日々を・・・
黙ってやり過ごしてた。
気持ちを言葉に乗せなくたって、
相手に伝わらなくたって・・・
そんなの何も困らないじゃないかって、
そう思ってた。
でも今は違うよ?
いつも・・・
保健室のドアを開くたび、
微笑んでくれるせんせーが好き。
どうしたって、
頭をなででくれるせんせーが好き。
私のしょうもない話しを、
愛おしそうな顔で聞いてくれるせんせーが好き。
大好き・・・。
「私・・・・っ」
「・・・・あぁ。」
せんせー。
私ね・・・・?
「私っ・・・・
せっ、せんせーのことがっ・・・!」
「・・・・あぁ。」
こんなにもっ・・・
こんなにも・・・・・
「好きっ・・・・・」
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