保健医の高杉せんせー
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なぜだろう・・・。
ハンドルを回す手の動きとか、
何気ない目線の動きとか・・・
せんせーの運転にはやたら色気があって・・・
車の運転なんて、
お父さんが運転してるのよく見てるはずなのに、
お父さんとは同じ運転でもなんか全然違くて・・・
カーブする時の
カチッ・・カチッ・・て音ですら、
なんだか特別な感じがして緊張する。
「・・・・。」
「・・・・。」
助手席だから思ったよりせんせーと距離が近くて・・・
ていうか、
せんせーとなに話していいか分かんないし、
なにも喋らなかった。
せんせーの方も、
なにも喋ってこないし、車の密室で無言のまま。
信号が赤になって、
車が停まった時、なにか喋りかけようと
せんせーの方をチラッと見る。
そしたら、
せんせーは、ハンドルーをひとさし指で軽く叩きながら信号の方を眺めてた。
外からのライトの光が、
せんせーにあたってて・・・
その表情と仕草がサマになってて、
ドキッとした。
「家にはちゃんと連絡したか?」
「え?」
急になんの前触れもなくせんせーが喋りだしたから、びっくりした。
一瞬、
せんせーのことマジマジ見てたのを何か言われるのかと思った・・・。
「今日、遅くなっただろ?」
「あ、あぁ・・・。
それならさっきメールしましたから・・・。」
「そうか。」
「はい。」
そんなせんせーっぽいことも言うんだ・・・
(いや、実際先生なんだけど)
「せんせーはデートの約束でもあったんじゃないですか?」
「ククッ・・・
なんだそりゃ、嫉妬かァ?」
そう言って窓に腕を置きながら笑うせんせーは
やっぱり大人の雰囲気たっぷり。
なんだか全てを見透かしたみたいに言われて
しまい、急に自分の言ったことが恥かしくなった。
「?!
ち、違いますよ!」
「ガキがいっちょ前にんな心配すんな。」
ガキ、か・・・・。
まぁせんせーから見たら、
私は女にもカウントされないただのガキなわけであって・・・
せんせーが相手にするような人は、
ボッキュッボンの
大人な女性で・・・・
って!
なに考えてんだ!
別にせんせーにどう思われようが、どーでもいいし!
「どうした?
エラく静かじゃねーか?」
私の事を横目で見ながら
ちょっと不思議そうにせんせーはそう言う。
ていうか、
せんせーだって、なんにも喋らないじゃないですか・・・。
「う、運転の邪魔しちゃ悪いかな~と。」
「・・意識でもしてんのか?」
「は?!///
ど~してそういう発想になるんですか!!」
「そりゃ俺がイイ男だからだ」
「自分で言ったよ、この人!!!」
「ククッ・・・
ガキでも意識はすんだなァ」
「だから意識なんてしてないし・・・!
ど、どうせ、私はガキですよ・・・」
意識してないなんて言ったらウソになる。
でもそれを当の本人に言われると、
全力で否定したくなるし、
別にせんせーだから意識してるってわけじゃないし・・・
だから、せんせーに“ガキ”って言われたからって別にどーってことないし・・・
「・・・・ククッ、
拗ねんなや」
「拗ねてません。」
「・・・んなにガキ扱いされたくねーなら、
女として・・扱ってやってもいーぜ?」
「・・・・・?」
初め、なんの事か分かんなかった。
でも、その言葉の意味を、次にせんせーの口から出た言葉で知ることになる。
「ホテル・・・行くかぃ?」
「・・・・・?!!!!!//////」
「お前の親には俺から上手く連絡してやるよ」
「じょ・・・冗談・・・
です・・・よね?」
「・・・・。」
「えっと・・・
そ、そうです、よね・・・?」
「・・・・まぁお前ェがそう言うなら冗談って事にしといてやるよ」
「・・・・?!」
**************
「あ、こ、ココです!」
やっと見えた私の家。
「ほんとにここでいいのか?」
「は、はい!
もうすぐ見えてるので・・・!
送って頂きありがとうございました!」
そう言って、私は
車から降りる。
「ゆい。」
「え?」
突然、名前を呼ばれたと思って、
振り返れば、せんせーの手が私の頬に触れる。
てか、顔近ッ・・・・///
「・・・ホテル・・・。
お前がいいなら俺ァ、いつでもいいぜ?」
「・・・・?!!!///」
顔が近づいてきたから一瞬、キスされるのかと思った。
そしたら、私の耳元で囁くようにそう言われ・・・
耳から身体中にカッと一気に熱が上がった。
なにがなんだかもう分からなくて、
頭ん中パニック状態であわあわなってたら、
せんせーはそんな私を面白そうに
見て半笑い。
「じゃぁな。
明日また学校で会おうぜ。」
「・・・・・・///」
せんせーが“また明日学校で”とか言ってたけど、
その時の私はそんなせんせーの言葉なんてまったく耳に入ってなくて・・・
せんせーの車が見えなくなるのを
固まったまんまで見てた。
ガチャン・・・
『ゆい!
遅かったわね~。ご飯片付かないからさっさと食べて・・・ちょ!ゆい?!』
ダダダダッ・・・・!!!!
お母さんが何か言ってるのも無視して、
階段を駆け上がると、自分の部屋へと駆け込みドアを勢いよく閉める。
びっ・・・
びっ・・・・
びっ・・・・・
ビックリしたぁぁぁぁあああああああ!!!!!!//////
“『ホテル・・・行くかぃ?』”
“『・・・ホテル・・・。
お前がいいなら俺ァ、いつでもいいぜ?』”
エロス大魔王パネェエエエエエエエ!!!!
いつもあぁやって学校の女子を毒牙にかけてるわけかっ!!!!
そりゃ学校でも有名な女ったらしになるはずだ!!!
何アノ色気!!
なにあの不意打ち!!
ていうか、
学校の生徒に「ホテル」とか何言ってんだ、あの人は。
バレたら即刻クビだろーが!!
ていうか、
私があそこで「うん」とか言ってたら、
マジで私とそうなる気だったわけ・・・?
って!!!
何言ってんだ、私!!
なんで私がOKしなくちゃいけないの!!
あのエロス大魔王の良い様にされなきゃなんないのっっ!!!
「はぁ・・・
な、なんでこっちかこんな振り回されなきゃなんないんだ・・・」
ふいに思い出すのは、
せんせーの淹れてくれた美味し過ぎるコーヒーの匂いと、
私の頬に触れたせんせーの手の感触。
そして、
私を見て微笑むせんせーの顔だった。
・・・・・。
・・・・・・。
「せんせー・・・。」
いつからだったのだろう。
『せんせー』
その言葉が、
私の心の大半を占めるようになったのは。
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