未知との遭遇
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、そしてもう一人の三人体制で見ることになった」
相澤先生の「なった」という口ぶりに疑問を持つ。まるで特例ような言い方だ。
「ハーイ! なにするんですか⁉」
「災害水難なんでもござれ。人命救助訓練だ‼」
相澤先生が「Rescue」と書かれたカードを見せた。
水場での訓練……! 私でも活躍ができそうだ。
「今回コスチュームの着用は各自の判断でかまわない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」
学校の敷地内のはずなのに、バスで移動とか雄英本当にスゴイな。
「バスの席順でスムーズに行くように番号順に二列で並ぼう!」
飯田くんが委員長の仕事をフルスロットルでこなそうとする。残念なことに、飯田くんの想定していたバスの構造と実際の構造が違っていたから出鼻を挫かれてしまったけれど。
「派手で強えっつったら、やっぱ轟と爆豪だよな」
移動中、切島くんあたりから始まった各々の個性談義。
「よかったね、勝己」
「ケッ」
褒められたのに、勝己は興味なし。
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」
「んだとコラ! 出すわ‼」
「うるさいよ、勝己」
ブチギレて大声を出す勝己。隣で大声出されるとうるさいからやめてほしい。
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認定されるってすげぇよ」
上鳴くんの言い得て妙な勝己の性格の分析。
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ! 殺すぞ‼」
入学してから数日。数日そこらで勝己の性格をここまで表し、いじり倒す。今までだったら絶対に見ることができなかったものだ。雄英スゴイ。
バスは訓練場に到着。
「すっげー‼ USJかよ⁉」
訓練場はまるでどこかのアミューズメントパークみたいに色々なエリアに分かれている。
「水難事故、土砂災害、火事……etc……あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も……ウソの災害や事故ルーム‼」
ああ、本当にUSJなのか。
相澤先生とオールマイト以外のもう一人の先生――スペースヒーロー「13号」だ。災害救助で活躍しているヒーローだ。
「えー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」
小言が増えたが先生の話が続く。
私たちの“個性”には、簡単に「人を殺せてしまう」ものもある。相澤先生の体力テストで、力の可能性を知った。オールマイトの対人戦闘で、人に向ける危うさを知った。
しかし、この授業では人命の為に“個性”を活用するかを学ぶのだと。私たちの“個性”は、人を傷つける為の個性じゃない。救ける為にあるのだと。
「人を救ける為に」その言葉に胸がざわめく。自分の中にずっしりと沈み込んでくる。
「そんじゃあまずは……?」
相澤先生が広場を見て固まる。
「一塊になって動くな‼」
「え?」
広場に黒いナニカ。それが広がって――
「13号‼ 生徒を守れ」
それは、奇しくも命を救える訓練時間に私たちの前に現れた。
「何だありゃ⁉ また入試の時みたいなもう始まってんぞパターン?」
プロが何と戦っているのか。
「動くな、あれは敵だ‼」
何と向き合っているのか。
それは、途方もない悪意。
黒いナニカ――まるでモヤのようなものから出てきた敵たち。有象無象だが、数が多い。
「敵ンン⁉ バカだろ⁉ ヒーローの巣窟に入り込んで来るなんてアホすぎるぞ!」
敵。足がすくんだ。ここの所は落ち着いていたから久しぶりだった。
私を狙った可能性――
「奏の血を狙ったんじゃねぇだろうな」
勝己が私の前に立つ。震えを隠すように勝己の戦闘服を掴んだ。
相澤先生が単独正面の敵たちに向かう。13号先生に従って避難を開始する。
「させませんよ」
最初の黒い――モヤが入口に現れた。
こいつが……敵たちの出入り口役だ……!
「初めまして。我々は敵連合。せんえつながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴・オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」
自分の耳を疑った。この敵は、何て言った?
あの、『平和の象徴』を殺す?
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか⁉」
モヤに切島くんと勝己が向かって行く。
「二人とも!」
二人を止めるように私も前に出た。勝己の爆破を食らったはずなのに、モヤにはダメージ一つなかった。
「危ない危ない……そう……生徒といえど、優秀な金の卵」
「ダメだ、どきなさい。二人とも!」
13号先生が私たちを下がらせようとする。モヤに個性を使うつもりだったんだ。
「――その青い髪……」
モヤが私を見たような気がすると、一体に黒いモヤが広がった。
「奏」
勝己に手を握られた気がすると、私たちはモヤに包まれていた。
相澤先生の「なった」という口ぶりに疑問を持つ。まるで特例ような言い方だ。
「ハーイ! なにするんですか⁉」
「災害水難なんでもござれ。人命救助訓練だ‼」
相澤先生が「Rescue」と書かれたカードを見せた。
水場での訓練……! 私でも活躍ができそうだ。
「今回コスチュームの着用は各自の判断でかまわない。中には活動を限定するコスチュームもあるだろうからな。訓練場は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」
学校の敷地内のはずなのに、バスで移動とか雄英本当にスゴイな。
「バスの席順でスムーズに行くように番号順に二列で並ぼう!」
飯田くんが委員長の仕事をフルスロットルでこなそうとする。残念なことに、飯田くんの想定していたバスの構造と実際の構造が違っていたから出鼻を挫かれてしまったけれど。
「派手で強えっつったら、やっぱ轟と爆豪だよな」
移動中、切島くんあたりから始まった各々の個性談義。
「よかったね、勝己」
「ケッ」
褒められたのに、勝己は興味なし。
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ」
「んだとコラ! 出すわ‼」
「うるさいよ、勝己」
ブチギレて大声を出す勝己。隣で大声出されるとうるさいからやめてほしい。
「この付き合いの浅さで既にクソを下水で煮込んだような性格と認定されるってすげぇよ」
上鳴くんの言い得て妙な勝己の性格の分析。
「てめぇのボキャブラリーは何だコラ! 殺すぞ‼」
入学してから数日。数日そこらで勝己の性格をここまで表し、いじり倒す。今までだったら絶対に見ることができなかったものだ。雄英スゴイ。
バスは訓練場に到着。
「すっげー‼ USJかよ⁉」
訓練場はまるでどこかのアミューズメントパークみたいに色々なエリアに分かれている。
「水難事故、土砂災害、火事……etc……あらゆる事故や災害を想定し、僕がつくった演習場です。その名も……ウソの災害や事故ルーム‼」
ああ、本当にUSJなのか。
相澤先生とオールマイト以外のもう一人の先生――スペースヒーロー「13号」だ。災害救助で活躍しているヒーローだ。
「えー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」
小言が増えたが先生の話が続く。
私たちの“個性”には、簡単に「人を殺せてしまう」ものもある。相澤先生の体力テストで、力の可能性を知った。オールマイトの対人戦闘で、人に向ける危うさを知った。
しかし、この授業では人命の為に“個性”を活用するかを学ぶのだと。私たちの“個性”は、人を傷つける為の個性じゃない。救ける為にあるのだと。
「人を救ける為に」その言葉に胸がざわめく。自分の中にずっしりと沈み込んでくる。
「そんじゃあまずは……?」
相澤先生が広場を見て固まる。
「一塊になって動くな‼」
「え?」
広場に黒いナニカ。それが広がって――
「13号‼ 生徒を守れ」
それは、奇しくも命を救える訓練時間に私たちの前に現れた。
「何だありゃ⁉ また入試の時みたいなもう始まってんぞパターン?」
プロが何と戦っているのか。
「動くな、あれは敵だ‼」
何と向き合っているのか。
それは、途方もない悪意。
黒いナニカ――まるでモヤのようなものから出てきた敵たち。有象無象だが、数が多い。
「敵ンン⁉ バカだろ⁉ ヒーローの巣窟に入り込んで来るなんてアホすぎるぞ!」
敵。足がすくんだ。ここの所は落ち着いていたから久しぶりだった。
私を狙った可能性――
「奏の血を狙ったんじゃねぇだろうな」
勝己が私の前に立つ。震えを隠すように勝己の戦闘服を掴んだ。
相澤先生が単独正面の敵たちに向かう。13号先生に従って避難を開始する。
「させませんよ」
最初の黒い――モヤが入口に現れた。
こいつが……敵たちの出入り口役だ……!
「初めまして。我々は敵連合。せんえつながら……この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴・オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」
自分の耳を疑った。この敵は、何て言った?
あの、『平和の象徴』を殺す?
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか⁉」
モヤに切島くんと勝己が向かって行く。
「二人とも!」
二人を止めるように私も前に出た。勝己の爆破を食らったはずなのに、モヤにはダメージ一つなかった。
「危ない危ない……そう……生徒といえど、優秀な金の卵」
「ダメだ、どきなさい。二人とも!」
13号先生が私たちを下がらせようとする。モヤに個性を使うつもりだったんだ。
「――その青い髪……」
モヤが私を見たような気がすると、一体に黒いモヤが広がった。
「奏」
勝己に手を握られた気がすると、私たちはモヤに包まれていた。