THE 試験
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
途中、敵が追撃を開始、救助をしながら敵を制圧しなくてはならなくなったが――
「私たちのところは、全然敵がいないね……」
「救護場所近くに出たみてーだからな」
「魚住ーこの人診てやってくんね?」
「はーい。勝己一応周り警戒してね、一番火力あるんだし」
「わーっとるわ‼」
うーんイラついてるなぁ。勝己を敵襲撃の中心に送るべきか否か……これは難しい決断だ。勝己の個性なら敵制圧に向かわせた方がいい。でも、こっちにも敵が出てきたら抑えられるかわからない。
「優先すべきは救助者……か……――切島くん、この人は頭の出血を抑えながら安全地帯に。できるだけ意識の確認をお願いします」
「了解」
救護場所には多分処置をしてくれる人がいるんだろう。だから私が前線に出て救助者を確認していくのは間違いではない、と思う。
一人でも多くの救助者を助ける。救けるんだ。
「この辺りにはもういない、ね⁉ 切島くん、上鳴くんこの二人は軽傷だから、あまり動かさないように安全地帯に連れて行こう」
「おー」
ビーーーーッ
サイレンが鳴った。
『えー只今をもちまして、配置された全てのHUCが危険区域より救助されました』
今ってことは……
「俺らじゃん」
私たちが連れていた人たちが最後、だったのか。
『まことに勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程終了となります‼‼』
終わったのか……合否の発表はこの後。退場とかなかったからどんな基準で採点されているのかわからないな。緊張するな。
そして――
「皆さん長いことおつかれ様でした。これより発表を行いますが……その前に一言。採点方式についてです。我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式であなた方を見させてもらいました。つまり……危機的状況でどれだけ間違いのない行動をとれたかを審査しています。とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。今の言葉を踏まえた上でご確認下さい……」
減点方式だってことは加点は一切なし。合格点を下回ればチャンスは失われているのに、途中退場者は無し……か。
公安委員の人の後ろの大きなモニターに名前が映し出される。
「う……う……」
名簿の最初の方に目を凝らす。
「う、魚、住――奏‼ あったぁ‼‼」
魚住奏。名前を見つける。合格だ。
「っしェーい‼」
「あった……けど」
上鳴くんと切島くんも名前を見つけたみたいだ。あとは、勝己の……
「ねえ‼」
勝己が……落ちた……⁉
私ももう一度モニターを見る。爆豪勝己の文字が見つからない。
「勝己……」
「轟……落ちたの?」
「うちのツートップが両方落ちてんのかよ!」
A組で落ちたのは轟くんと勝己だけか。実力もトップのあの二人が。
『えー全員ご確認いただけたでしょうか? 続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されてますので、しっかり目を通しておいて下さい』
スーツの公安委員の人たちがプリントを配りに来る。私にも用紙が渡された。
「83点」
「え、魚住すっげ‼」
「うーん……」
やっぱり勝己を戦闘に行かせるかどうかの指示で減点されたか。勝己を活かすなら救助よりも戦闘に行かせた方がいい。
勝己の隣に立てるヒーローを目指すには、まだまだ足りないんだ。勝己を活かして、フォローして。勝己がいなくても十分に戦えなくちゃ。
『――えー……不合格となってしまった方々。点数が満たなかったからとしょげてる暇はありません。君たちにもまだチャンスは残っています。三か月の特別講習を受講の後、個別テストで結果を出せば、君たちにも仮免許を発行するつもりです』
三か月後ってことは、12月。今年中には仮免許が貰える。
「勝己……!」
隣の勝己の顔を見た。さっきまでの焦りのような顔ではない、闘争心に燃えた勝己らしい顔だ。
こうしてようやく、私たちはまた一歩、ヒーローへと近づいていく。
試験会場から戻り、日も暮れハイツ・アライアンス。
「明日からフツーの授業だねえ!」
「色々ありすぎたな」
「一生忘れられない夏休みだった」
皆が皆、思い思いに身体を休める。明日からは後期が始まる。座学の授業もあるし、今のうちに身体も頭も休めておかないとだ。
「奏ちゃん、携帯が鳴ってるわよ」
「兄ちゃんだと思うからいいよ……」
試験が終わり、発行してもらった仮免許の写真を兄に送った。多分興奮して大量のメッセージを送っていると思うから、落ち着くまで無視だ。
「あ、カワイイちゃん」
口田くんがウサギを連れてきた。梅雨ちゃんと撫でていると、声が聞こえてきた。
「おい! 後で表出ろ」
勝己の声。出久に話している。
「てめェの“個性”の話だ」
「私たちのところは、全然敵がいないね……」
「救護場所近くに出たみてーだからな」
「魚住ーこの人診てやってくんね?」
「はーい。勝己一応周り警戒してね、一番火力あるんだし」
「わーっとるわ‼」
うーんイラついてるなぁ。勝己を敵襲撃の中心に送るべきか否か……これは難しい決断だ。勝己の個性なら敵制圧に向かわせた方がいい。でも、こっちにも敵が出てきたら抑えられるかわからない。
「優先すべきは救助者……か……――切島くん、この人は頭の出血を抑えながら安全地帯に。できるだけ意識の確認をお願いします」
「了解」
救護場所には多分処置をしてくれる人がいるんだろう。だから私が前線に出て救助者を確認していくのは間違いではない、と思う。
一人でも多くの救助者を助ける。救けるんだ。
「この辺りにはもういない、ね⁉ 切島くん、上鳴くんこの二人は軽傷だから、あまり動かさないように安全地帯に連れて行こう」
「おー」
ビーーーーッ
サイレンが鳴った。
『えー只今をもちまして、配置された全てのHUCが危険区域より救助されました』
今ってことは……
「俺らじゃん」
私たちが連れていた人たちが最後、だったのか。
『まことに勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程終了となります‼‼』
終わったのか……合否の発表はこの後。退場とかなかったからどんな基準で採点されているのかわからないな。緊張するな。
そして――
「皆さん長いことおつかれ様でした。これより発表を行いますが……その前に一言。採点方式についてです。我々ヒーロー公安委員会とHUCの皆さんによる二重の減点方式であなた方を見させてもらいました。つまり……危機的状況でどれだけ間違いのない行動をとれたかを審査しています。とりあえず合格点の方は五十音順で名前が載っています。今の言葉を踏まえた上でご確認下さい……」
減点方式だってことは加点は一切なし。合格点を下回ればチャンスは失われているのに、途中退場者は無し……か。
公安委員の人の後ろの大きなモニターに名前が映し出される。
「う……う……」
名簿の最初の方に目を凝らす。
「う、魚、住――奏‼ あったぁ‼‼」
魚住奏。名前を見つける。合格だ。
「っしェーい‼」
「あった……けど」
上鳴くんと切島くんも名前を見つけたみたいだ。あとは、勝己の……
「ねえ‼」
勝己が……落ちた……⁉
私ももう一度モニターを見る。爆豪勝己の文字が見つからない。
「勝己……」
「轟……落ちたの?」
「うちのツートップが両方落ちてんのかよ!」
A組で落ちたのは轟くんと勝己だけか。実力もトップのあの二人が。
『えー全員ご確認いただけたでしょうか? 続きましてプリントをお配りします。採点内容が詳しく記載されてますので、しっかり目を通しておいて下さい』
スーツの公安委員の人たちがプリントを配りに来る。私にも用紙が渡された。
「83点」
「え、魚住すっげ‼」
「うーん……」
やっぱり勝己を戦闘に行かせるかどうかの指示で減点されたか。勝己を活かすなら救助よりも戦闘に行かせた方がいい。
勝己の隣に立てるヒーローを目指すには、まだまだ足りないんだ。勝己を活かして、フォローして。勝己がいなくても十分に戦えなくちゃ。
『――えー……不合格となってしまった方々。点数が満たなかったからとしょげてる暇はありません。君たちにもまだチャンスは残っています。三か月の特別講習を受講の後、個別テストで結果を出せば、君たちにも仮免許を発行するつもりです』
三か月後ってことは、12月。今年中には仮免許が貰える。
「勝己……!」
隣の勝己の顔を見た。さっきまでの焦りのような顔ではない、闘争心に燃えた勝己らしい顔だ。
こうしてようやく、私たちはまた一歩、ヒーローへと近づいていく。
試験会場から戻り、日も暮れハイツ・アライアンス。
「明日からフツーの授業だねえ!」
「色々ありすぎたな」
「一生忘れられない夏休みだった」
皆が皆、思い思いに身体を休める。明日からは後期が始まる。座学の授業もあるし、今のうちに身体も頭も休めておかないとだ。
「奏ちゃん、携帯が鳴ってるわよ」
「兄ちゃんだと思うからいいよ……」
試験が終わり、発行してもらった仮免許の写真を兄に送った。多分興奮して大量のメッセージを送っていると思うから、落ち着くまで無視だ。
「あ、カワイイちゃん」
口田くんがウサギを連れてきた。梅雨ちゃんと撫でていると、声が聞こえてきた。
「おい! 後で表出ろ」
勝己の声。出久に話している。
「てめェの“個性”の話だ」