未知との遭遇
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オールマイトが雄英の教師に就任したということで、最近雄英の周りには多くのマスコミが押し寄せている。
今日も今日とてマスコミさんたちは、朝早くから生徒の登校の邪魔をしていた。
「オールマイト……あれ⁉ 君『ヘドロ』の時の‼」
マスコミの一人が勝己を見て声を上げる。勝己は心底不快そうな顔をした。
「あれ? 青い髪だ。珍しい……」
隣の私を見てマスコミの中の誰かが呟いた。
「チッ」
勝己が私の位置をマスコミから遠ざけるように移動させた。
私の青髪は目立つ。いい意味でも悪い意味でも。それをわかってて勝己は私をマスコミの目から遠ざけた。
「ありがと、勝己」
『ヘドロ』のことは詮索しないでおこう。
ホームルーム。
「さて、ホームルームの本題だ……急で悪いが今日は君らに……学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいの来たーー‼」
クラスのみんな立ち上がって我こそはと立候補する。
一般的には雑用係な委員長だが、ことヒーロー科においては、集団を導くトップヒーローの素地を鍛えられる役割なのだ。
「静粛にしたまえ‼」
収拾のつかないクラスで飯田くんが声を上げる。
なにやらカッコイイこと言って投票で決めるべきという飯田くん。
だが、私は目の前を見て目を細めた。
私の席は飯田くんの後ろで、お茶子ちゃんの前。因みに隣は砂藤くんだ。
私の視界はちゃんと捉えている。民主主義、投票などと言ってはいるが、やりたいという思いが溢れてしかたがない、そびえ立つ飯田くんの腕。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」
飯田くんはマジメを通り越して固いね、石だね‼
「だからこそそこで複数票を獲った者こそが真にふさわしい人間という事にならないか⁉ どうでしょうか、先生‼」
「時間内に決めりゃ何でも良いよ」
そんなわけで。
「ぼく、三票ーー⁉」
出久が三票。八百万さんが二票。
私は色々悩んだが、自分に投票してしまった。
「〇票……わかってはいた‼ さすがに聖職といったところか……‼」
「他に入れたのね……」
「おまえもやりたがってたのに……何がしたいんだ飯田……」
結果、出久が委員長。八百万さんが副委員長になった。
お昼。食堂。
クックヒーロー・ランチラッシュによる一流の料理が提供される大食堂は、いつも人が多い。
「あっ勝己を早速見失った!」
少し目を離したら勝己の姿が人並みの中に消える。今日はついていない。
「あれ? 魚住」
声をかけられて振り返る。金髪に黒色のメッシュ。確か同じクラスの――
「俺、上鳴。一人?」
一緒に飯どう? と誘われる。
「あ、いや、勝己と一緒に来てたんだけど……今見失っちゃったから、申し訳ないんだけど――」
「おい‼ 奏‼」
人垣の向こうから勝己がやってくる。大声で顔が怖いから人がどんどん避ける。
「てめー勝手にどっか行ってんじゃねえ‼」
「か、勝己がどっか行っちゃったんでしょ! 私動いてないもん‼」
「ガキかてめーは‼」
上鳴くんそっちのけでギャイギャイと言い合う私たち。上鳴くんは呆気に取られている。
「ば…爆豪見つかってよかったな、魚住」
「うん。ありがとう。上鳴くん」
「誰だコイツ」
勝己がやっと上鳴くんの存在を認識した。クラスメイトの顔も覚えていないのか、失礼にもほどがあるぞ、この男。
「じゃあな、魚住。飯はまた今度」
「あ、うん」
勝己が無礼だから上鳴くんはそそくさと去って行ってしまった。
ようやく見つけた空席に腰を落ち着けて、頼んだお昼に箸をつける。
勝己は相変わらずの辛いやつ。どんぶりが痛ましいほどに赤い。私はスープ付きの日替わりランチだ。
ウウーーーーーーー‼
『セキュリティ三が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください』
けたましい警報音のあとに機械的なアナウンスが流れる。
「警報……? ――うわっ!」
うかつにも無防備に立ち上がった私は、迅速すぎてパニックになった周りの人波に飲み込まれた。
「奏‼」
とっさに勝己が手を伸ばすも、人の波はあっという間に私たちを引き離した。
人の波で揉みくちゃにされ、息もまともにできない。勝己の姿は完全に見えなくなっていた。
「勝己……!」
波の中からどうにか抜け出そうともがいていると、誰かが私の手を掴んだ感触があった。
皮の厚いこの感触は――
私はその手を握り返すと、手はすぐに私を人波から引っぱり出してくれた。
「げほっ」
ようやく息ができるようになって、思い切り肺に酸素を取り込んだ。
「平気か」
「……やっぱ、勝己だったね」
私を引っぱり出してくれたのは、勝己だった。どうにか私に追いついて手を握ってくれたんだろう。
個性の影響で厚くなった手のひらの皮。すぐに気づくことができた。
その後、このパニックはマスコミの侵入だということがわかり、飯田くんがその場を治めて騒動は落ち着いた。
飯田くんは、まるで非常口のようだった。
あと、出久の推薦で飯田くんが委員長になりました。
今日も今日とてマスコミさんたちは、朝早くから生徒の登校の邪魔をしていた。
「オールマイト……あれ⁉ 君『ヘドロ』の時の‼」
マスコミの一人が勝己を見て声を上げる。勝己は心底不快そうな顔をした。
「あれ? 青い髪だ。珍しい……」
隣の私を見てマスコミの中の誰かが呟いた。
「チッ」
勝己が私の位置をマスコミから遠ざけるように移動させた。
私の青髪は目立つ。いい意味でも悪い意味でも。それをわかってて勝己は私をマスコミの目から遠ざけた。
「ありがと、勝己」
『ヘドロ』のことは詮索しないでおこう。
ホームルーム。
「さて、ホームルームの本題だ……急で悪いが今日は君らに……学級委員長を決めてもらう」
「学校っぽいの来たーー‼」
クラスのみんな立ち上がって我こそはと立候補する。
一般的には雑用係な委員長だが、ことヒーロー科においては、集団を導くトップヒーローの素地を鍛えられる役割なのだ。
「静粛にしたまえ‼」
収拾のつかないクラスで飯田くんが声を上げる。
なにやらカッコイイこと言って投票で決めるべきという飯田くん。
だが、私は目の前を見て目を細めた。
私の席は飯田くんの後ろで、お茶子ちゃんの前。因みに隣は砂藤くんだ。
私の視界はちゃんと捉えている。民主主義、投票などと言ってはいるが、やりたいという思いが溢れてしかたがない、そびえ立つ飯田くんの腕。
「日も浅いのに信頼もクソもないわ、飯田ちゃん」
飯田くんはマジメを通り越して固いね、石だね‼
「だからこそそこで複数票を獲った者こそが真にふさわしい人間という事にならないか⁉ どうでしょうか、先生‼」
「時間内に決めりゃ何でも良いよ」
そんなわけで。
「ぼく、三票ーー⁉」
出久が三票。八百万さんが二票。
私は色々悩んだが、自分に投票してしまった。
「〇票……わかってはいた‼ さすがに聖職といったところか……‼」
「他に入れたのね……」
「おまえもやりたがってたのに……何がしたいんだ飯田……」
結果、出久が委員長。八百万さんが副委員長になった。
お昼。食堂。
クックヒーロー・ランチラッシュによる一流の料理が提供される大食堂は、いつも人が多い。
「あっ勝己を早速見失った!」
少し目を離したら勝己の姿が人並みの中に消える。今日はついていない。
「あれ? 魚住」
声をかけられて振り返る。金髪に黒色のメッシュ。確か同じクラスの――
「俺、上鳴。一人?」
一緒に飯どう? と誘われる。
「あ、いや、勝己と一緒に来てたんだけど……今見失っちゃったから、申し訳ないんだけど――」
「おい‼ 奏‼」
人垣の向こうから勝己がやってくる。大声で顔が怖いから人がどんどん避ける。
「てめー勝手にどっか行ってんじゃねえ‼」
「か、勝己がどっか行っちゃったんでしょ! 私動いてないもん‼」
「ガキかてめーは‼」
上鳴くんそっちのけでギャイギャイと言い合う私たち。上鳴くんは呆気に取られている。
「ば…爆豪見つかってよかったな、魚住」
「うん。ありがとう。上鳴くん」
「誰だコイツ」
勝己がやっと上鳴くんの存在を認識した。クラスメイトの顔も覚えていないのか、失礼にもほどがあるぞ、この男。
「じゃあな、魚住。飯はまた今度」
「あ、うん」
勝己が無礼だから上鳴くんはそそくさと去って行ってしまった。
ようやく見つけた空席に腰を落ち着けて、頼んだお昼に箸をつける。
勝己は相変わらずの辛いやつ。どんぶりが痛ましいほどに赤い。私はスープ付きの日替わりランチだ。
ウウーーーーーーー‼
『セキュリティ三が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難してください』
けたましい警報音のあとに機械的なアナウンスが流れる。
「警報……? ――うわっ!」
うかつにも無防備に立ち上がった私は、迅速すぎてパニックになった周りの人波に飲み込まれた。
「奏‼」
とっさに勝己が手を伸ばすも、人の波はあっという間に私たちを引き離した。
人の波で揉みくちゃにされ、息もまともにできない。勝己の姿は完全に見えなくなっていた。
「勝己……!」
波の中からどうにか抜け出そうともがいていると、誰かが私の手を掴んだ感触があった。
皮の厚いこの感触は――
私はその手を握り返すと、手はすぐに私を人波から引っぱり出してくれた。
「げほっ」
ようやく息ができるようになって、思い切り肺に酸素を取り込んだ。
「平気か」
「……やっぱ、勝己だったね」
私を引っぱり出してくれたのは、勝己だった。どうにか私に追いついて手を握ってくれたんだろう。
個性の影響で厚くなった手のひらの皮。すぐに気づくことができた。
その後、このパニックはマスコミの侵入だということがわかり、飯田くんがその場を治めて騒動は落ち着いた。
飯田くんは、まるで非常口のようだった。
あと、出久の推薦で飯田くんが委員長になりました。