爆豪告白大作戦
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中央の森を抜けて、反対側の道に出る。もう一度森に入ってそこを抜ければ施設だ。
「麗日⁉」
道に出た途端に見えたのは、お茶子ちゃんと梅雨ちゃんの姿。
セーラー服を着た敵と思われる少女。
「人増えたので殺されるのは嫌だから、バイバイ」
人数が増えたのを察知して森の中へと消えていった。今は追いかけるべきではない。
「とりあえず無事でよかった……そうだ一緒に来て! 僕ら今かっちゃんと奏ちゃんを護衛しつつ施設に向かってるんだ」
「………ん?」
「奏ちゃんはわかるけど、爆豪ちゃんを護衛?」
梅雨ちゃんの言葉に違和感を覚える。
「その爆豪ちゃんはどこにいるの?」
「え?」
誰も油断なんてしていなかった。それなのに。
振り返るとそこには誰もいなかった。
「彼なら俺のマジックで貰っちゃったよ。こいつぁヒーロー側にいるべき人材じゃあねえ。もっと輝ける舞台へ俺たちが連れてくよ」
木の上からの声。シルクハットに仮面の男が立っていた。
手には二つの小さな水晶玉を持っていた。
「返せ‼‼」
私と出久は同時に叫んでいた。動いたのは私。
轟くんの木の上目掛けた氷を足場に敵の所まで跳んだ。
「その青髪! 不死の人魚姫‼ 自分から飛び込んでくれるとは僥倖!」
「んなわけねぇだろ‼‼」
後ろに誰もいなかった、ってことは常闇くんも取られた! 多分二つの水晶玉、あれに勝己と常闇くんがいる。
何の個性なのかはわからないけど、音も出さずに勝己と常闇くんをさらった……警戒しなくちゃ……
『――勝己を……返して‼‼』
範囲とか対象の選択とか多分そういうの全部を放り投げて叫んだ。
いつだって私を守ってくれていた勝己をここで失いたくない。
何かを言いたそうにしていた。それを聞かずにのこのこ敵に連れ去られるなんて嫌だ!
「はは、彼は誰のモノでもない、って言ったろ?」
「知るかよ、てめぇらのでもねぇだろ」
こんなチンピラに勝己をいいようにされてたまるか。
「悪いね俺ァ逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ! ヒーロー候補生なんと戦ってたまるか」
身のこなしが軽い。私の蹴りが入らない。空中での体勢が整えにくいと言っても、この敵慣れていやがる。
「開闢行動隊! 目標回収達成だ! 短い間だったがこれにて幕引き! 予定通りこの通信後五分以内に“回収地点”へ向かえ!」
地面に着地して逃げ去って行く敵を追う。
幕引き、ダメだ。嫌だ。
「させねえ‼ 絶対逃がすな‼‼」
「ちくしょう速え! あの仮面……!」
「飯田くんいれば……!」
森の木々に飛び移りながらの敵と地上から走る私たちでは進む速度が違う。
クラス一の機動力の飯田くんはいないし、空中移動もできる勝己はそれこそ連れ去られた本人。
どうしようもないこの状況。
「諦めちゃ……ダメだ……‼ っ……! 追いついて……取り返さなきゃ!」
ボロボロの出久が言う。もう痛みで意識もくそもない状況なのに、なおも動こうとする。
「麗日さん! 僕らを浮かして早く!」
お茶子ちゃんの個性で浮かして、梅雨ちゃんの舌で思いっきり投げる。人間弾をやるつもりだ。
「梅雨ちゃん、私も投げて! 出久、お前は残れ!」
「ダメだ‼ 君は行っちゃダメだ‼ 君まで捕まったら最悪の事態になる‼」
「なんっ……!」
「敵の……狙いは奏ちゃんだって含まれてるんだ……! 君は、絶対に敵の手に渡っちゃ行けない……!」
正論だ。私も狙われている以上、敵の懐に飛び込むのはよくない。わかってる。
張本人だ、一番理解している。
でも、それでも私は勝己を取り戻したい。
「絶対に行かせられないよ、かっちゃんならそうする」
「……くそ、わかった。“一緒には”行かない」
出久は頑固だ。私が折れなきゃいけない。
でも、出久だって行かせられない状態だ。大怪我の出久と狙われている私。天秤にかけたらどっこいだ。
出久は多分止められない。
「必ず二人を救けてね」
お茶子ちゃんの個性で浮いた三人が梅雨ちゃんの舌で投げ出された。
「……行くから」
投げ出されたのと同時に私は走り出した。
「ダメよ、奏ちゃん‼」
『一緒には』行かない。
全力で走れば、追いつける。
梅雨ちゃんの制止の声は聞こえないふりをした。
「麗日⁉」
道に出た途端に見えたのは、お茶子ちゃんと梅雨ちゃんの姿。
セーラー服を着た敵と思われる少女。
「人増えたので殺されるのは嫌だから、バイバイ」
人数が増えたのを察知して森の中へと消えていった。今は追いかけるべきではない。
「とりあえず無事でよかった……そうだ一緒に来て! 僕ら今かっちゃんと奏ちゃんを護衛しつつ施設に向かってるんだ」
「………ん?」
「奏ちゃんはわかるけど、爆豪ちゃんを護衛?」
梅雨ちゃんの言葉に違和感を覚える。
「その爆豪ちゃんはどこにいるの?」
「え?」
誰も油断なんてしていなかった。それなのに。
振り返るとそこには誰もいなかった。
「彼なら俺のマジックで貰っちゃったよ。こいつぁヒーロー側にいるべき人材じゃあねえ。もっと輝ける舞台へ俺たちが連れてくよ」
木の上からの声。シルクハットに仮面の男が立っていた。
手には二つの小さな水晶玉を持っていた。
「返せ‼‼」
私と出久は同時に叫んでいた。動いたのは私。
轟くんの木の上目掛けた氷を足場に敵の所まで跳んだ。
「その青髪! 不死の人魚姫‼ 自分から飛び込んでくれるとは僥倖!」
「んなわけねぇだろ‼‼」
後ろに誰もいなかった、ってことは常闇くんも取られた! 多分二つの水晶玉、あれに勝己と常闇くんがいる。
何の個性なのかはわからないけど、音も出さずに勝己と常闇くんをさらった……警戒しなくちゃ……
『――勝己を……返して‼‼』
範囲とか対象の選択とか多分そういうの全部を放り投げて叫んだ。
いつだって私を守ってくれていた勝己をここで失いたくない。
何かを言いたそうにしていた。それを聞かずにのこのこ敵に連れ去られるなんて嫌だ!
「はは、彼は誰のモノでもない、って言ったろ?」
「知るかよ、てめぇらのでもねぇだろ」
こんなチンピラに勝己をいいようにされてたまるか。
「悪いね俺ァ逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ! ヒーロー候補生なんと戦ってたまるか」
身のこなしが軽い。私の蹴りが入らない。空中での体勢が整えにくいと言っても、この敵慣れていやがる。
「開闢行動隊! 目標回収達成だ! 短い間だったがこれにて幕引き! 予定通りこの通信後五分以内に“回収地点”へ向かえ!」
地面に着地して逃げ去って行く敵を追う。
幕引き、ダメだ。嫌だ。
「させねえ‼ 絶対逃がすな‼‼」
「ちくしょう速え! あの仮面……!」
「飯田くんいれば……!」
森の木々に飛び移りながらの敵と地上から走る私たちでは進む速度が違う。
クラス一の機動力の飯田くんはいないし、空中移動もできる勝己はそれこそ連れ去られた本人。
どうしようもないこの状況。
「諦めちゃ……ダメだ……‼ っ……! 追いついて……取り返さなきゃ!」
ボロボロの出久が言う。もう痛みで意識もくそもない状況なのに、なおも動こうとする。
「麗日さん! 僕らを浮かして早く!」
お茶子ちゃんの個性で浮かして、梅雨ちゃんの舌で思いっきり投げる。人間弾をやるつもりだ。
「梅雨ちゃん、私も投げて! 出久、お前は残れ!」
「ダメだ‼ 君は行っちゃダメだ‼ 君まで捕まったら最悪の事態になる‼」
「なんっ……!」
「敵の……狙いは奏ちゃんだって含まれてるんだ……! 君は、絶対に敵の手に渡っちゃ行けない……!」
正論だ。私も狙われている以上、敵の懐に飛び込むのはよくない。わかってる。
張本人だ、一番理解している。
でも、それでも私は勝己を取り戻したい。
「絶対に行かせられないよ、かっちゃんならそうする」
「……くそ、わかった。“一緒には”行かない」
出久は頑固だ。私が折れなきゃいけない。
でも、出久だって行かせられない状態だ。大怪我の出久と狙われている私。天秤にかけたらどっこいだ。
出久は多分止められない。
「必ず二人を救けてね」
お茶子ちゃんの個性で浮いた三人が梅雨ちゃんの舌で投げ出された。
「……行くから」
投げ出されたのと同時に私は走り出した。
「ダメよ、奏ちゃん‼」
『一緒には』行かない。
全力で走れば、追いつける。
梅雨ちゃんの制止の声は聞こえないふりをした。