爆豪告白大作戦
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「私有地につき個性の使用は自由だよ! 今から三時間! 自分の足で施設までおいでませ! この……『魔獣の森』を抜けて‼」
まるでスライムが出てきそうなネーミングだ。
「雄英こういうの多すぎだろ……」
「文句言ってもしゃあねえよ。行くっきゃねえ」
尿意に耐えながらそそくさと峰田が茂みを探した。その先には……
「マジュウだーーーー⁉」
文字通り、魔獣が現れた。
「静まりなさい、獣よ。下がるのです」
個性で魔獣を下がらせようとする口田くん。
私も歌で対抗した。
『(私に従え)』
口田くんの「静まれ」、私の「従え」どちらにも反応しない。というか動きを止めない。
口田くんや私の個性じゃ効かない、ってことは動物じゃないのか!
「口田くん、下がって‼」
口田くんを下がらせようとした瞬間、四つの影が通った。
勝己、出久、轟くん、飯田くんの四人だった。
通称・『魔獣の森』を抜けたのは、日も傾いた午後五時半ごろだった。
「やーーっと来たにゃん」
全員が満身創痍。個性のキャパギリギリで土だらけ。
「とりあえず、お昼は抜くまでもなかったねぇ」
「何が『三時間』ですか……」
「腹減った……死ぬ」
「悪いね、私たちならって意味。アレ」
プロ基準の時間はずるいよ。やらしい。
「ねこねこねこ……でも、正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ、君ら……特に、そこ四人」
ピクシーボブが指さしたのは先陣を切った四人。
確かにクラスの中でも火力ある面子だしな。
「躊躇のなさは経験値によるものかしらん?三年後が楽しみ!ツバつけとこーーー‼‼」
本当にツバをつけておくピクシーボブ。四人が迷惑そうにしている。
「口田くん、のど飴いる~? 喉痛いよね~」
ポケットに入っていた飴玉を口田くんに渡す。私たちはひたすら声を出し続けていたから喉が痛い。
昼前にもプッシーキャッツの二人についていた男の子は、マンダレイの従甥らしく、出久が挨拶をしたのだが、陰嚢がやられてしまった。
「緑谷君‼ おのれ従甥‼ 何故緑谷君の陰嚢を‼」
「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねえよ」
随分と尖ったお子さんのようだ。誰かに似ている。
「マセガキ」
「おまえに似てねぇか?」
言わないでおいたことを言ってしまったか、轟くん…
「あ? 似てねえよ。つーかてめぇ喋ってんじゃねえぞ舐めプ野郎」
「悪い」
うーん、似てるなぁ…
あ、でも、子どもの頃の勝己よりはガキ大将感はないか、あの子。
バスから荷物を降ろして宿泊する部屋に荷物を運んでようやく飯にありつけた。
プッシーキャッツの皆さんが用意してくれた食べ物を見た途端、お昼抜きで森を抜けてきたことを思い出し、一気にご飯をかきこんだ。
「美味しい‼ 米美味しい‼」
「五臓六腑に染み渡る‼ ランチラッシュに匹敵する粒立ち‼ いつまでも嚙んでいたい! ――土鍋……⁉」
「土鍋ですか⁉」
空腹でテンションがおかしくなってる人もいた。
さて、遅い昼飯兼、晩飯も食べ終わり、今日はもう風呂に入って就寝になった。
「はー生き返るーーー‼」
「気持ちいいねぇ」
「温泉あるなんてサイコーだわ」
露天風呂だ…凄い、広い。
「魚住さん、湯船につからないんですの? 冷えますわよ」
「あー……足乾かないと歩けないから……大きいお風呂行くとこれだけが不便で」
「まあ、大変ですね」
私も早く温泉つかりたい。タオルで拭ってしまおう。
それにしても、皆発育がいいなぁ…ヤオモモちゃんはもう、発育の暴力だよね。
自分の胸元を見る。一般的には十分なんだろうけど、周りに比べるとやはりささやかだ。いや、動くと邪魔になるんだからなくていいんだ、そうだ、そういうことにしないと。
「大丈夫なんかなー」
「向こうに落ちたし、誰かが拾ってくれたといいけど」
「どうしたの?」
足を乾かして湯舟へと歩いていると皆が、男湯と隔てている壁の向こうを見ていた。
「見張りをしていた洸汰ちゃんがこっちを振り向いたはずみで落ちちゃったの」
「あらま」
洸汰っていうと、出久の陰嚢やった奴か。勝己似の。
「それで、誰かが向こうで拾ってくれたらいいねーって話してたんだ」
『なるほど』
「あ、奏の人魚の姿だ」
「珍しいね」
「最近はめっきりだよね」
『人魚になると動けなくなるからね。体育祭の時みたいに奥の手にしか使えないよ』
体育祭は、勝己をダウンさせて勝つってのが目的だったから動けなくなってもよかったんだよなぁ。耳栓されちゃったけど。
「あ、じゃあさ――何か歌って‼」
「いいわね」
「滅多に聞けませんからね」
歌ってって言われると、なんか恥ずかしくなるんだよなぁ。
『仕方ないなぁ――』
男湯――
女湯を覗こうとした峰田は壁から落下。落っこちた従甥は緑谷が拾った。
夜風に乗って女湯の方から歌声が聞こえてきた。
「この声……」
「魚住の、だな」
「綺麗だよな、歌声」
魚住の歌声はよく通る。個性の影響もあるけど、本人の才能でもあるんだろう。
「落ち着いた状態で魚住の歌聞くのって珍しいかも」
「あー普段は戦闘中だもんな」
最近は戦闘訓練でもバンバン使うようになった武器の歌声。少し前までは躊躇いがちだったのを思い出す。
確か、理由を本人から聞いたことがある。
「音痴って言った爆豪はなんなんだよ……」
『小さい頃に勝己に音痴って言われちゃって…それがトラウマで勝己の前で歌えなかったんだよね』
魚住は素直じゃないから。なんて言ってたけど、これは酷い。
「あ゛⁉ あ゛⁉」
魚住の歌声に何も反応しなかった爆豪がキレる。
「どんなに耳が腐ってても、音痴はねーぜ? バクゴー」
多分、爆豪の悪意のない一言が十年以上魚住を縛り付けていたんだろう。
「……音痴とは思ってねぇよ、今はな」
爆豪の静かな一言に切島と俺は顔を見合わせた。
まるでスライムが出てきそうなネーミングだ。
「雄英こういうの多すぎだろ……」
「文句言ってもしゃあねえよ。行くっきゃねえ」
尿意に耐えながらそそくさと峰田が茂みを探した。その先には……
「マジュウだーーーー⁉」
文字通り、魔獣が現れた。
「静まりなさい、獣よ。下がるのです」
個性で魔獣を下がらせようとする口田くん。
私も歌で対抗した。
『(私に従え)』
口田くんの「静まれ」、私の「従え」どちらにも反応しない。というか動きを止めない。
口田くんや私の個性じゃ効かない、ってことは動物じゃないのか!
「口田くん、下がって‼」
口田くんを下がらせようとした瞬間、四つの影が通った。
勝己、出久、轟くん、飯田くんの四人だった。
通称・『魔獣の森』を抜けたのは、日も傾いた午後五時半ごろだった。
「やーーっと来たにゃん」
全員が満身創痍。個性のキャパギリギリで土だらけ。
「とりあえず、お昼は抜くまでもなかったねぇ」
「何が『三時間』ですか……」
「腹減った……死ぬ」
「悪いね、私たちならって意味。アレ」
プロ基準の時間はずるいよ。やらしい。
「ねこねこねこ……でも、正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ、君ら……特に、そこ四人」
ピクシーボブが指さしたのは先陣を切った四人。
確かにクラスの中でも火力ある面子だしな。
「躊躇のなさは経験値によるものかしらん?三年後が楽しみ!ツバつけとこーーー‼‼」
本当にツバをつけておくピクシーボブ。四人が迷惑そうにしている。
「口田くん、のど飴いる~? 喉痛いよね~」
ポケットに入っていた飴玉を口田くんに渡す。私たちはひたすら声を出し続けていたから喉が痛い。
昼前にもプッシーキャッツの二人についていた男の子は、マンダレイの従甥らしく、出久が挨拶をしたのだが、陰嚢がやられてしまった。
「緑谷君‼ おのれ従甥‼ 何故緑谷君の陰嚢を‼」
「ヒーローになりたいなんて連中とつるむ気はねえよ」
随分と尖ったお子さんのようだ。誰かに似ている。
「マセガキ」
「おまえに似てねぇか?」
言わないでおいたことを言ってしまったか、轟くん…
「あ? 似てねえよ。つーかてめぇ喋ってんじゃねえぞ舐めプ野郎」
「悪い」
うーん、似てるなぁ…
あ、でも、子どもの頃の勝己よりはガキ大将感はないか、あの子。
バスから荷物を降ろして宿泊する部屋に荷物を運んでようやく飯にありつけた。
プッシーキャッツの皆さんが用意してくれた食べ物を見た途端、お昼抜きで森を抜けてきたことを思い出し、一気にご飯をかきこんだ。
「美味しい‼ 米美味しい‼」
「五臓六腑に染み渡る‼ ランチラッシュに匹敵する粒立ち‼ いつまでも嚙んでいたい! ――土鍋……⁉」
「土鍋ですか⁉」
空腹でテンションがおかしくなってる人もいた。
さて、遅い昼飯兼、晩飯も食べ終わり、今日はもう風呂に入って就寝になった。
「はー生き返るーーー‼」
「気持ちいいねぇ」
「温泉あるなんてサイコーだわ」
露天風呂だ…凄い、広い。
「魚住さん、湯船につからないんですの? 冷えますわよ」
「あー……足乾かないと歩けないから……大きいお風呂行くとこれだけが不便で」
「まあ、大変ですね」
私も早く温泉つかりたい。タオルで拭ってしまおう。
それにしても、皆発育がいいなぁ…ヤオモモちゃんはもう、発育の暴力だよね。
自分の胸元を見る。一般的には十分なんだろうけど、周りに比べるとやはりささやかだ。いや、動くと邪魔になるんだからなくていいんだ、そうだ、そういうことにしないと。
「大丈夫なんかなー」
「向こうに落ちたし、誰かが拾ってくれたといいけど」
「どうしたの?」
足を乾かして湯舟へと歩いていると皆が、男湯と隔てている壁の向こうを見ていた。
「見張りをしていた洸汰ちゃんがこっちを振り向いたはずみで落ちちゃったの」
「あらま」
洸汰っていうと、出久の陰嚢やった奴か。勝己似の。
「それで、誰かが向こうで拾ってくれたらいいねーって話してたんだ」
『なるほど』
「あ、奏の人魚の姿だ」
「珍しいね」
「最近はめっきりだよね」
『人魚になると動けなくなるからね。体育祭の時みたいに奥の手にしか使えないよ』
体育祭は、勝己をダウンさせて勝つってのが目的だったから動けなくなってもよかったんだよなぁ。耳栓されちゃったけど。
「あ、じゃあさ――何か歌って‼」
「いいわね」
「滅多に聞けませんからね」
歌ってって言われると、なんか恥ずかしくなるんだよなぁ。
『仕方ないなぁ――』
男湯――
女湯を覗こうとした峰田は壁から落下。落っこちた従甥は緑谷が拾った。
夜風に乗って女湯の方から歌声が聞こえてきた。
「この声……」
「魚住の、だな」
「綺麗だよな、歌声」
魚住の歌声はよく通る。個性の影響もあるけど、本人の才能でもあるんだろう。
「落ち着いた状態で魚住の歌聞くのって珍しいかも」
「あー普段は戦闘中だもんな」
最近は戦闘訓練でもバンバン使うようになった武器の歌声。少し前までは躊躇いがちだったのを思い出す。
確か、理由を本人から聞いたことがある。
「音痴って言った爆豪はなんなんだよ……」
『小さい頃に勝己に音痴って言われちゃって…それがトラウマで勝己の前で歌えなかったんだよね』
魚住は素直じゃないから。なんて言ってたけど、これは酷い。
「あ゛⁉ あ゛⁉」
魚住の歌声に何も反応しなかった爆豪がキレる。
「どんなに耳が腐ってても、音痴はねーぜ? バクゴー」
多分、爆豪の悪意のない一言が十年以上魚住を縛り付けていたんだろう。
「……音痴とは思ってねぇよ、今はな」
爆豪の静かな一言に切島と俺は顔を見合わせた。