デクVSかっちゃん
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昔から勝己は何でも出来ていた。
「やればなんでも出来てしまう」タイプでガキ大将の乱暴者。
良し悪しはともかく、自信に満ちた勝己の背中は格好良くて、大好きだった。
けど、“個性”が発現してからは、それらが悪い方向へ加速していった。ヒーロー向きの派手な“個性”だったからか、自分が凄いって過信していた。
そんな中、周りで出久だけが“無個性”だった。だから出久を下に見た。
そして、今。
出久はどういうわけか“個性”を持っていて、成長して、勝己の自尊心にひびが入った。
モニターに勝己と出久が映る。出久はほぼ追い詰められたような状態だ。
「爆豪少年、ストップだ。殺す気か!」
オールマイトの制止する声。
勝己は手の籠手をいじっている。
戦闘服に着替えた後に勝己と話したことを思い出す。あの籠手の構造。
あれは、勝己の最大火力を出すようにするための――
ドオン‼
地下にあるモニタールームまで爆音が轟いた。
「先生、止めた方がいいって! 爆豪あいつ相当クレイジーだぜ。殺しちまうぜ⁉」
「これじゃあ……出久が死んじゃいますよ‼」
あんな火力の爆破をまだやるって言うなら、訓練の範疇を越えている。
「いや……爆豪少年、次それ撃ったら……強制終了で君らの負けとする」
これ以上勝己と出久を戦わせちゃダメだ。勝己が出久を殺しかねない!
それなのに、私はなんで、どうして、何もできないんだ。
「魚住? 顔色悪いぞ?」
瀬呂くんが私の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫……」
取り繕ったが、誤魔化せた気はしない。
「……あの二人とは昔からの知り合いなんだっけ?」
「――うん。幼馴染。私は小学校まで」
「心配だよなァ」
二人とも心配だ。
勝己による一方的なリンチ。訓練だと言ってもやりすぎなくらいだ。
「目くらましを兼ねた爆破で軌道変更。そして、即座にもう一回……考えるタイプに見えねえが、意外と繊細だな」
「慣性を殺しつつ有効打を加えるには、左右の爆発力を微調節しなきゃなりませんしね」
「才能マンだ。才能マンヤダヤダ……」
元々勝己の身体能力は高い。いつも駆けっこは一番だったし、体育も何でもできた。
そして、あの“個性”だ。神様は不公平だ。
「しかし変だよな……爆豪の方が余裕なくね?」
勝己が出久を追い詰めている。そのはずなのに、付き合いの浅い人からも焦っているのが伝わっている。
どうして、あの二人はこんなことになってしまったんだ。
「先生‼ ヤバそうだってコレ! 先生!」
勝己と出久がぶつかり合う。
「双方……中止……!」
オールマイトが止めようとした時、出久の腕は上へと振り上げられた。
二人の事ばかりを見ていたから忘れていた。核――飯田くんとお茶子ちゃんの二人は、ちょうど勝己と出久が戦っていた場所の上にいた。
破片を飛ばして飯田くんの隙をついてお茶子ちゃんが核を回収する……出久は、訓練の勝利を見て戦っていた。
核は回収。ヒーローコンビの条件達成。
ヒーローコンビの勝利。
勝己が初めて負けた。
「やればなんでも出来てしまう」タイプでガキ大将の乱暴者。
良し悪しはともかく、自信に満ちた勝己の背中は格好良くて、大好きだった。
けど、“個性”が発現してからは、それらが悪い方向へ加速していった。ヒーロー向きの派手な“個性”だったからか、自分が凄いって過信していた。
そんな中、周りで出久だけが“無個性”だった。だから出久を下に見た。
そして、今。
出久はどういうわけか“個性”を持っていて、成長して、勝己の自尊心にひびが入った。
モニターに勝己と出久が映る。出久はほぼ追い詰められたような状態だ。
「爆豪少年、ストップだ。殺す気か!」
オールマイトの制止する声。
勝己は手の籠手をいじっている。
戦闘服に着替えた後に勝己と話したことを思い出す。あの籠手の構造。
あれは、勝己の最大火力を出すようにするための――
ドオン‼
地下にあるモニタールームまで爆音が轟いた。
「先生、止めた方がいいって! 爆豪あいつ相当クレイジーだぜ。殺しちまうぜ⁉」
「これじゃあ……出久が死んじゃいますよ‼」
あんな火力の爆破をまだやるって言うなら、訓練の範疇を越えている。
「いや……爆豪少年、次それ撃ったら……強制終了で君らの負けとする」
これ以上勝己と出久を戦わせちゃダメだ。勝己が出久を殺しかねない!
それなのに、私はなんで、どうして、何もできないんだ。
「魚住? 顔色悪いぞ?」
瀬呂くんが私の顔を覗き込む。
「だ、大丈夫……」
取り繕ったが、誤魔化せた気はしない。
「……あの二人とは昔からの知り合いなんだっけ?」
「――うん。幼馴染。私は小学校まで」
「心配だよなァ」
二人とも心配だ。
勝己による一方的なリンチ。訓練だと言ってもやりすぎなくらいだ。
「目くらましを兼ねた爆破で軌道変更。そして、即座にもう一回……考えるタイプに見えねえが、意外と繊細だな」
「慣性を殺しつつ有効打を加えるには、左右の爆発力を微調節しなきゃなりませんしね」
「才能マンだ。才能マンヤダヤダ……」
元々勝己の身体能力は高い。いつも駆けっこは一番だったし、体育も何でもできた。
そして、あの“個性”だ。神様は不公平だ。
「しかし変だよな……爆豪の方が余裕なくね?」
勝己が出久を追い詰めている。そのはずなのに、付き合いの浅い人からも焦っているのが伝わっている。
どうして、あの二人はこんなことになってしまったんだ。
「先生‼ ヤバそうだってコレ! 先生!」
勝己と出久がぶつかり合う。
「双方……中止……!」
オールマイトが止めようとした時、出久の腕は上へと振り上げられた。
二人の事ばかりを見ていたから忘れていた。核――飯田くんとお茶子ちゃんの二人は、ちょうど勝己と出久が戦っていた場所の上にいた。
破片を飛ばして飯田くんの隙をついてお茶子ちゃんが核を回収する……出久は、訓練の勝利を見て戦っていた。
核は回収。ヒーローコンビの条件達成。
ヒーローコンビの勝利。
勝己が初めて負けた。