爆豪勝己:オリジン
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「素晴らしいぞ少年少女たち! 不本意ながら協力し、敵に立ち向かう…ただ三人とも‼ それは今試験の大前提だからね。って話だぞ。――あと二十分ほどかな……? さて……この暴れ馬たちどう拘束したものか……」
数十秒前――
「もうすぐだ! もう!すぐそこ! 脱出ゲート!」
「何か無駄にかわいいけど、一人でもあれくくればクリアなんでしょ!」
校長先生がかわいく描かれた脱出ゲートが見えてきた。
オールマイトのスタートはゲート前。
最初の衝撃がスタート地点から来てる。私たちがいた中心部まで距離が離れてるってのに……チートかよ。
「オールマイト、追ってくる様子無いね……まさか気絶しちゃったんじゃ……」
「てめぇ散々倒せるわけねえつっといて何言ってんだアホが。あれでくたばるハズねえだろクソ」
「勝己、語尾に暴言つけるのやめなね」
「次もし追いつかれたら今度は俺の籠手で吹っ飛ばす」
となると特大火力はもう一回しか使えないってことか。二回も食らえばさすがのオールマイトでも……
「うんうん」
「え……」
私でも出久でもない相槌が耳に入った。
「それでそれで⁉」
オールマイトだった。
勝己が振りかりざまに籠手を開放する。即座にオールマイトの拳で粉砕された。
「何を驚いているんだ⁉」
ついでに出久の方の籠手も破壊された。
「もう追いつかれたっての⁉」
「早すぎる……」
「これでも重りの所為で全然トップギアじゃないんだぜ? さぁ……くたばれヒーローども‼」
「ぎゃ」
「奏‼」
オールマイトに腕を掴まれて投げ飛ばされた。全身に激痛が走った。
『報告だよ。条件達成最初のチームは、轟・八百万チーム!』
建物の壁に叩きつけられた。よりにもよって動きにくいところだ……
叩きつけられた時の怪我は……あと少しで治る。勝己も出久もオールマイトに抑えつけられている。動きがまだ封じられていない私が何とかしなくちゃなんだ。
少しずつ息を整える。大丈夫だ。
「驚いた……相澤君がやられたとは!ウカウカしてらんないな……よし、埋めるか!」
まずい、オールマイトが畳みかけにくる。もう無茶してでも動くしかない。
私に必要なのは、動く足と声だけだ。
「『最大火力で私を引き離しつつ脱出ゲートをくぐる』これが君たちの答えだったようだが、その最大火力も消えた。終わりだ‼」
今、このタイミング!
敵が勝利を確信した今――!寝首をかけ‼
「うおらぁぁあああああ‼‼」
走り出して勢いをつける。オールマイトの頭目掛けて右脚を蹴り上げた。
「奏っ‼」
並より動けると言っても、私の戦闘能力は凡人に等しい。オールマイトには通用しない。
それでも、勝己が技を出す隙なら作れる。
知ってるんだ、籠手なしでも最大火力が出せること。
勝己は、『勝つ』ためならその手段を選ぶって知ってる。
「まさか、魚住少女が……」
オールマイトが驚く。肉弾戦なんて、今までの私じゃ想像できない。
「――何もしてないわけじゃない。好きな人の隣に立つために……大切な人を傷つけさせないために……歌だけで勝てるわけないでしょ……‼‼」
いっつも二人は私を置いていくんだから……少しでも追いつかないとでしょ。
「勝己! 今‼」
「うるせぇよ」
体育祭で見せた最大火力……リスクが大きい。
「ってぇ……」
「ぶっ飛ばす」
「え⁉」
煙幕の中、勝己が出久を抱える。マジでやる気だ。
「スッキリしねぇが今の実力差じゃまだこんな勝ち方しかねえ」
「ちょ、待、まさか」
「南無三、出久」
「っ……死ね‼‼‼」
やっぱり死ねか‼‼
勝己の爆破とともに吹っ飛ばされた出久が脱出ゲートへと向かう。
さっきの爆破で飛んだオールマイトが地面に着くまであと一、二秒はかかるはずだ。それなら動きが機敏になった出久でゴールできる。
「ニューハンプシャー……SMASH‼‼」
「あっ!」
「チッ」
空気を蹴って出久を攻撃しやがった……何でもありかよ。
「いやいや甘いぞヒーローども‼」
くそっ……仕方ない、この手しか……
「勝己、意識引っ張られないようにしてよ……私が一瞬でもオールマイトを止める。思いっきりやっていいよ。手なら……いくらでも私が治すから」
「ハッ」
歌声が長期的に聞く拘束術なら、この声は一瞬だけフリーズさせる技だ。
威力は私ができる最大限。確実だけど、長くは持たない。
『オールマイト……止まれ‼‼‼』
「!」
「籠手は『最大火力』をノーリスクで撃つ為だ。バカだったぜ、リスクも取らずアンタに勝てるはずなかったわ」
勝己の最大火力……これで二回目だ。汗腺が痛みまくってるはずだ。
「行け出久/デク‼」
「早よしろ‼ ニワカ仕込みのてめぇよか俺の方が立ち回れてんだ! 役に立てクソカス‼」
「出久、早く‼」
今ゴールに最も近いのは出久だ。私と勝己でオールマイトを足止めはしているけど、確実にオールマイトは出久を狙っていく。
出久の新技ならあと少しの跳躍で届く距離……早く‼‼
『ここからなら、オールマイトでもさすがに――⁉ ゲホッ!』
オールマイトから距離を取って歌い続けた。喉が……声がかすれ始めていた。
勝己の爆発の熱で乾燥しているからか?
「くそっ……――勝己‼」
オールマイトの圧倒的な力で勝己が抑え込まれる。
「寝てな、爆豪少年。そういう身を滅ぼすやり方は、悪いが私的にも少しトラウマもんでね」
「勝己っ……ゲホッゴホッ‼」
もうまともに歌が歌えない…
「早よ……行けや、クソナード……‼ 折れて折れて自分捻じ曲げてでも選んだ勝ち方で、それすら敵わねえなんて――嫌だ……!!」
「かつ、き……」
「っと行かせんぞ緑谷少年‼」
「どいてください、オールマイト」
出久がオールマイトを殴った。
なんで、今…
「ゲホッ……」
「奏ちゃん、動けるよね⁉ 君が人質にされたら本末転倒だ! だから走って‼」
勝己を抱えて出久が先を行った。
「……わかった!」
そうだ、出久は、昔からそうだった。考えるのとか後回しにして、身体が動く。
出久は、助けちゃう子なんだ。
「ありがとうございます……リカバリーガール……」
リカバリーガールの治癒を受けると、リカバリーガールはオールマイトにお説教を始めた。
「あんた本当加減を知らないね! もう少し強く打ってたら、取り返しのつかん事になってたよ! 特に緑谷の腰。これぎりぎりだったよ! 爆豪の方はしばらく目覚めないだろう。取り敢えず二人とも校舎内のベッドで寝かしておきな。魚住、アンタはしばらく歌うの禁止さね! 喉を傷めすぎている……しばらくはマスクして過ごしんさい」
「はーい」
リカバリーガールからマスクを渡されてそれをつける。家に紙マスクあったかなぁと記憶を辿る。
「あの……リカバリーガール、僕……ここで見てちゃダメですか?」
「フラフラだろう、しっかり寝とかんと……」
「あ、いや……でもっ……その、大丈夫です! こんなにプロや皆との戦い見れる機会、あんまりないので……」
出久はどこまで行ってもヒーローオタクだなぁ。
「ん――……まぁ、駄目とは言わんが無茶しなさんな」
「じゃ、出久。私は勝己連れて校舎戻るね」
「魚住少女、私が運ぶよ」
「大丈夫ですよ。体格差ないので」
よいしょ。と眠ったままの勝己を背負って出張医務室を出た。
膝で殺すための装備が当たって痛いが、なんとか運べそうだ。
数十秒前――
「もうすぐだ! もう!すぐそこ! 脱出ゲート!」
「何か無駄にかわいいけど、一人でもあれくくればクリアなんでしょ!」
校長先生がかわいく描かれた脱出ゲートが見えてきた。
オールマイトのスタートはゲート前。
最初の衝撃がスタート地点から来てる。私たちがいた中心部まで距離が離れてるってのに……チートかよ。
「オールマイト、追ってくる様子無いね……まさか気絶しちゃったんじゃ……」
「てめぇ散々倒せるわけねえつっといて何言ってんだアホが。あれでくたばるハズねえだろクソ」
「勝己、語尾に暴言つけるのやめなね」
「次もし追いつかれたら今度は俺の籠手で吹っ飛ばす」
となると特大火力はもう一回しか使えないってことか。二回も食らえばさすがのオールマイトでも……
「うんうん」
「え……」
私でも出久でもない相槌が耳に入った。
「それでそれで⁉」
オールマイトだった。
勝己が振りかりざまに籠手を開放する。即座にオールマイトの拳で粉砕された。
「何を驚いているんだ⁉」
ついでに出久の方の籠手も破壊された。
「もう追いつかれたっての⁉」
「早すぎる……」
「これでも重りの所為で全然トップギアじゃないんだぜ? さぁ……くたばれヒーローども‼」
「ぎゃ」
「奏‼」
オールマイトに腕を掴まれて投げ飛ばされた。全身に激痛が走った。
『報告だよ。条件達成最初のチームは、轟・八百万チーム!』
建物の壁に叩きつけられた。よりにもよって動きにくいところだ……
叩きつけられた時の怪我は……あと少しで治る。勝己も出久もオールマイトに抑えつけられている。動きがまだ封じられていない私が何とかしなくちゃなんだ。
少しずつ息を整える。大丈夫だ。
「驚いた……相澤君がやられたとは!ウカウカしてらんないな……よし、埋めるか!」
まずい、オールマイトが畳みかけにくる。もう無茶してでも動くしかない。
私に必要なのは、動く足と声だけだ。
「『最大火力で私を引き離しつつ脱出ゲートをくぐる』これが君たちの答えだったようだが、その最大火力も消えた。終わりだ‼」
今、このタイミング!
敵が勝利を確信した今――!寝首をかけ‼
「うおらぁぁあああああ‼‼」
走り出して勢いをつける。オールマイトの頭目掛けて右脚を蹴り上げた。
「奏っ‼」
並より動けると言っても、私の戦闘能力は凡人に等しい。オールマイトには通用しない。
それでも、勝己が技を出す隙なら作れる。
知ってるんだ、籠手なしでも最大火力が出せること。
勝己は、『勝つ』ためならその手段を選ぶって知ってる。
「まさか、魚住少女が……」
オールマイトが驚く。肉弾戦なんて、今までの私じゃ想像できない。
「――何もしてないわけじゃない。好きな人の隣に立つために……大切な人を傷つけさせないために……歌だけで勝てるわけないでしょ……‼‼」
いっつも二人は私を置いていくんだから……少しでも追いつかないとでしょ。
「勝己! 今‼」
「うるせぇよ」
体育祭で見せた最大火力……リスクが大きい。
「ってぇ……」
「ぶっ飛ばす」
「え⁉」
煙幕の中、勝己が出久を抱える。マジでやる気だ。
「スッキリしねぇが今の実力差じゃまだこんな勝ち方しかねえ」
「ちょ、待、まさか」
「南無三、出久」
「っ……死ね‼‼‼」
やっぱり死ねか‼‼
勝己の爆破とともに吹っ飛ばされた出久が脱出ゲートへと向かう。
さっきの爆破で飛んだオールマイトが地面に着くまであと一、二秒はかかるはずだ。それなら動きが機敏になった出久でゴールできる。
「ニューハンプシャー……SMASH‼‼」
「あっ!」
「チッ」
空気を蹴って出久を攻撃しやがった……何でもありかよ。
「いやいや甘いぞヒーローども‼」
くそっ……仕方ない、この手しか……
「勝己、意識引っ張られないようにしてよ……私が一瞬でもオールマイトを止める。思いっきりやっていいよ。手なら……いくらでも私が治すから」
「ハッ」
歌声が長期的に聞く拘束術なら、この声は一瞬だけフリーズさせる技だ。
威力は私ができる最大限。確実だけど、長くは持たない。
『オールマイト……止まれ‼‼‼』
「!」
「籠手は『最大火力』をノーリスクで撃つ為だ。バカだったぜ、リスクも取らずアンタに勝てるはずなかったわ」
勝己の最大火力……これで二回目だ。汗腺が痛みまくってるはずだ。
「行け出久/デク‼」
「早よしろ‼ ニワカ仕込みのてめぇよか俺の方が立ち回れてんだ! 役に立てクソカス‼」
「出久、早く‼」
今ゴールに最も近いのは出久だ。私と勝己でオールマイトを足止めはしているけど、確実にオールマイトは出久を狙っていく。
出久の新技ならあと少しの跳躍で届く距離……早く‼‼
『ここからなら、オールマイトでもさすがに――⁉ ゲホッ!』
オールマイトから距離を取って歌い続けた。喉が……声がかすれ始めていた。
勝己の爆発の熱で乾燥しているからか?
「くそっ……――勝己‼」
オールマイトの圧倒的な力で勝己が抑え込まれる。
「寝てな、爆豪少年。そういう身を滅ぼすやり方は、悪いが私的にも少しトラウマもんでね」
「勝己っ……ゲホッゴホッ‼」
もうまともに歌が歌えない…
「早よ……行けや、クソナード……‼ 折れて折れて自分捻じ曲げてでも選んだ勝ち方で、それすら敵わねえなんて――嫌だ……!!」
「かつ、き……」
「っと行かせんぞ緑谷少年‼」
「どいてください、オールマイト」
出久がオールマイトを殴った。
なんで、今…
「ゲホッ……」
「奏ちゃん、動けるよね⁉ 君が人質にされたら本末転倒だ! だから走って‼」
勝己を抱えて出久が先を行った。
「……わかった!」
そうだ、出久は、昔からそうだった。考えるのとか後回しにして、身体が動く。
出久は、助けちゃう子なんだ。
「ありがとうございます……リカバリーガール……」
リカバリーガールの治癒を受けると、リカバリーガールはオールマイトにお説教を始めた。
「あんた本当加減を知らないね! もう少し強く打ってたら、取り返しのつかん事になってたよ! 特に緑谷の腰。これぎりぎりだったよ! 爆豪の方はしばらく目覚めないだろう。取り敢えず二人とも校舎内のベッドで寝かしておきな。魚住、アンタはしばらく歌うの禁止さね! 喉を傷めすぎている……しばらくはマスクして過ごしんさい」
「はーい」
リカバリーガールからマスクを渡されてそれをつける。家に紙マスクあったかなぁと記憶を辿る。
「あの……リカバリーガール、僕……ここで見てちゃダメですか?」
「フラフラだろう、しっかり寝とかんと……」
「あ、いや……でもっ……その、大丈夫です! こんなにプロや皆との戦い見れる機会、あんまりないので……」
出久はどこまで行ってもヒーローオタクだなぁ。
「ん――……まぁ、駄目とは言わんが無茶しなさんな」
「じゃ、出久。私は勝己連れて校舎戻るね」
「魚住少女、私が運ぶよ」
「大丈夫ですよ。体格差ないので」
よいしょ。と眠ったままの勝己を背負って出張医務室を出た。
膝で殺すための装備が当たって痛いが、なんとか運べそうだ。