そして、期末試験……座学の方は終了し、演習試験当日がやってきた。

「それじゃあ演習試験を始めていく。――この試験でももちろん赤点はある。林間合宿行きたけりゃ、みっともねえヘマはするなよ」

相澤先生以外の先生。補助とかがあるとしても先生が多い中、説明が始まった。

「諸君なら事前に情報仕入れて何するか薄々わかってるとは思うが……」

相澤先生の捕縛武器がもぞもぞ動く。いつもより大きい気もする。

「残念！　諸事情あって今回から内容変更しちゃうのさ！」

ネズミの校長先生がひょこっと出てきた。
対人戦闘・活動を見据えて、教師一人と戦闘を行ってもらうというのだ。
だからこんなに先生たちがいるわけか。敵連合とかヒーロー殺しが影響しているんだろう。

「尚、ペアの組と対戦する教師はすでに決定済み。動きの傾向や、成績、親密度…諸々を踏まえて独断で組ませてもらったから発表していくぞ。――まず、轟と八百万がチームで俺とだ。――そして緑谷と爆豪。――魚住」

嘘、だろ……

「で……相手は――……」
「私がする‼　協力して勝ちに来いよ、三人とも‼」

オールマイトが、相手……

「すげぇじゃん！　幼馴染でとか！」
「……いや、一番最悪の組み合わせだ」


「……………しりとりとかする……？」

演習場へと移動するバスの中。気まずい空気が漂っていた。
今回の試験の三人は、単純に仲の悪さで組まされた。
しかし、オールマイトは仲が悪いで済ませるレベルじゃないことを感じ取っていた。
魚住は男子二人の仲を取り持つ清涼剤になりそうである反面、爆豪との関係が複雑になっている。入学当初にはなかった拗れが発生しているとわかる。
そして、爆豪自身も緑谷、魚住どちらにも複雑な感情を抱いているようだ。
バスの中離れて座る幼馴染三人を見て、オールマイトは不安げに息をついた。