職場体験
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保須での事件の後、これと言った事件もなく。スノーマンの元で職場体験を続けた。
そして、職場体験の期日がやって来た。
「今までお世話になりました!」
事務所の前。兄や母を筆頭に手のすいた事務所の人たちが見送りに出ていた。
「CDは期末試験の前には出るから、学校で宣伝しておきなさいね」
「うぅ……奏ぇ……!」
兄はさっきからずっと泣いている。大方今まで一緒に居られた私がいなくなることが嫌らしい。
「大変お世話になりました。ここでの経験を糧にこれからの訓練に励み、皆様のようなヒーローになりたい所存です」
「奏ぇ……」
感謝の言葉を続けて、事務所を発った。看板ヒーローの醜態をサイドキックの人たちは冷めた目で見ていた。
次の日。久しぶりの登校。
一緒に登校する勝己はいなかった。さっさと行ってしまったのか。避けられているんじゃないか不安だ。
「やってみろよ、8:2ぃ坊や‼ アッハハハハハハハ」
教室に着くと大きな笑い声。切島くんだ。
「おー魚住おはよー」
「お、おはよう瀬呂くん……どうしたの、切島くん……」
クラスの賑やかし勢にしてはいつもと違う気がする。
「いやいや……これを見ろって……」
めっちゃ笑って震える指で瀬呂くんが指さしたのは、勝己。
いつものツンツンした髪が抑えつけられている。しかも、分け目が8:2だ。7:3じゃなくて8:2。
「職場体験……色々、あったんだね……」
テレビや雑誌のベストジーニストの顔を思い出す。そうだ、あの人って髪の毛8:2に分けてあったかも。
「どう思うよ、これ」
「勝己らしくはないよねぇ」
アッハハと笑う二人に耐えかねた勝己が二人を爆破する。髪も元通りになっていた。
もしかして朝さっさと行ったのは私に見られたくなかったから?
「飯田くん~腕の調子どう?」
勝己のご機嫌斜めが私に飛び火しないうちにさっさと退散して出久や飯田くん達の所へ移った。飯田くんの腕の経過が心配だ。
「うむ、支障はない」
「それならよかった。――みんな、この一週間でみんな変わったよね。お茶子ちゃんとか特に」
「確かに」
ガンヘッドの事務所へ行ったお茶子ちゃん。背負っている雰囲気が麗らかじゃない。コォォォって。
「魚住、CDはいつ発売なんだ」
「買う気満々だね、轟くん」
轟くんがソワソワしている。病院で話したときも何か楽しみにしてそうだったもんな。
「え、魚住CD出すの⁉」
耳ざとい上鳴くんが即座に反応してきた。声が大きいからクラス全員が注目してる。
「う、うん……事務所でCD出す人のカップリング曲を歌っただけだから……私のCDではないんだけど……期末試験の頃……六月末には出ると思うので……よろしければ」
「もちろん買うぜ‼」
「MVとかついてんのか?」
「いや、ついてなくて……ジャケットの写真もシングルの人だけだから」
クラスの皆が買うって言ってくれる。一回自分の聴いただけだからどうなるかわからない。
「爆豪買ってやれよ」
「誰が買うか」
勝己の言葉に少し安心した。正直勝己に聴かれるのが一番恥ずかしい。歌声のトラウマはなくなったけど、恋愛ソングを勝己に聴かれるとか…海に飛び込みたくなる。
職場体験終了後初のヒーロー基礎学。
「はい、私が来た」
ぬるっとオールマイトが入ってきた。今回は遊び要素含めた救助訓練レース。
「出久と轟くんコスチューム変えたんだね」
出久は最初の戦闘訓練でボロにしたから修理で…轟くんは大幅に変わった感じだ。
「ああ」
「……なんて言うか、あれだね。カッコよくなったね! 轟くんの! 前のは清掃業者の人っぽかった‼」
左側も使えるデザインなのかな。
「……たとえが独特だな」
「褒めてる?」
「いや」
褒めてないんかい。
今日の訓練は、運動場γでオールマイトのとこまで誰が一番に辿り着くかを競う。運動場γは複雑に入り組んでいる迷路状態だからめちゃくちゃ動きにくい。
「じゃあ初めの組は位置について!」
「誰が一番になるかな」
一番手は瀬呂くん、出久、尾白くん、芦戸ちゃん。機動力のある面子だ。
「やっぱ瀬呂じゃねえか」
「瀬呂くんのテープは使い勝手がいいよねー、入り組んだとことか動きやすいし。ほら」
ひょいひょいとテープを伸ばして進んでいく瀬呂くん。先頭を走っている。
最初の戦闘訓練の時の時も瀬呂くんのテープに助けられたもんな、さすがだ。
「え……」
出久は、個性を使うと身体を壊すから今回も個性を使わないで行くのかと思っていた。
出力は多分落としている、でも楽々と入り組んだ運動場を走っている。
「この動き……」
勝己の動きだ……! 一週間のうちにここまで使いこなしているなんて……
ああ、でもこれだと勝己は……
「どうかしたか」
「……いや、これは勝己の機嫌悪くなるなーって」
「ああ……緑谷の動き、爆豪にそっくりだからな」
ただでさえ職場体験先で髪の毛変なことになって機嫌が悪いのにこれだ。
「勝己は昔から息するように個性使ってたから、個性の使い方上手いし、手本にするにはもってこいなんだよね……出久の場合、見てきた年季も違うし。私でも出久みたいな個性があれば勝己の動きは参考にするよ。……私だったら機嫌は悪くはならないだろうけど……出久だからなぁ……」
出久も強くなってる。置いて行かれるのは私の方かもな。
そして、職場体験の期日がやって来た。
「今までお世話になりました!」
事務所の前。兄や母を筆頭に手のすいた事務所の人たちが見送りに出ていた。
「CDは期末試験の前には出るから、学校で宣伝しておきなさいね」
「うぅ……奏ぇ……!」
兄はさっきからずっと泣いている。大方今まで一緒に居られた私がいなくなることが嫌らしい。
「大変お世話になりました。ここでの経験を糧にこれからの訓練に励み、皆様のようなヒーローになりたい所存です」
「奏ぇ……」
感謝の言葉を続けて、事務所を発った。看板ヒーローの醜態をサイドキックの人たちは冷めた目で見ていた。
次の日。久しぶりの登校。
一緒に登校する勝己はいなかった。さっさと行ってしまったのか。避けられているんじゃないか不安だ。
「やってみろよ、8:2ぃ坊や‼ アッハハハハハハハ」
教室に着くと大きな笑い声。切島くんだ。
「おー魚住おはよー」
「お、おはよう瀬呂くん……どうしたの、切島くん……」
クラスの賑やかし勢にしてはいつもと違う気がする。
「いやいや……これを見ろって……」
めっちゃ笑って震える指で瀬呂くんが指さしたのは、勝己。
いつものツンツンした髪が抑えつけられている。しかも、分け目が8:2だ。7:3じゃなくて8:2。
「職場体験……色々、あったんだね……」
テレビや雑誌のベストジーニストの顔を思い出す。そうだ、あの人って髪の毛8:2に分けてあったかも。
「どう思うよ、これ」
「勝己らしくはないよねぇ」
アッハハと笑う二人に耐えかねた勝己が二人を爆破する。髪も元通りになっていた。
もしかして朝さっさと行ったのは私に見られたくなかったから?
「飯田くん~腕の調子どう?」
勝己のご機嫌斜めが私に飛び火しないうちにさっさと退散して出久や飯田くん達の所へ移った。飯田くんの腕の経過が心配だ。
「うむ、支障はない」
「それならよかった。――みんな、この一週間でみんな変わったよね。お茶子ちゃんとか特に」
「確かに」
ガンヘッドの事務所へ行ったお茶子ちゃん。背負っている雰囲気が麗らかじゃない。コォォォって。
「魚住、CDはいつ発売なんだ」
「買う気満々だね、轟くん」
轟くんがソワソワしている。病院で話したときも何か楽しみにしてそうだったもんな。
「え、魚住CD出すの⁉」
耳ざとい上鳴くんが即座に反応してきた。声が大きいからクラス全員が注目してる。
「う、うん……事務所でCD出す人のカップリング曲を歌っただけだから……私のCDではないんだけど……期末試験の頃……六月末には出ると思うので……よろしければ」
「もちろん買うぜ‼」
「MVとかついてんのか?」
「いや、ついてなくて……ジャケットの写真もシングルの人だけだから」
クラスの皆が買うって言ってくれる。一回自分の聴いただけだからどうなるかわからない。
「爆豪買ってやれよ」
「誰が買うか」
勝己の言葉に少し安心した。正直勝己に聴かれるのが一番恥ずかしい。歌声のトラウマはなくなったけど、恋愛ソングを勝己に聴かれるとか…海に飛び込みたくなる。
職場体験終了後初のヒーロー基礎学。
「はい、私が来た」
ぬるっとオールマイトが入ってきた。今回は遊び要素含めた救助訓練レース。
「出久と轟くんコスチューム変えたんだね」
出久は最初の戦闘訓練でボロにしたから修理で…轟くんは大幅に変わった感じだ。
「ああ」
「……なんて言うか、あれだね。カッコよくなったね! 轟くんの! 前のは清掃業者の人っぽかった‼」
左側も使えるデザインなのかな。
「……たとえが独特だな」
「褒めてる?」
「いや」
褒めてないんかい。
今日の訓練は、運動場γでオールマイトのとこまで誰が一番に辿り着くかを競う。運動場γは複雑に入り組んでいる迷路状態だからめちゃくちゃ動きにくい。
「じゃあ初めの組は位置について!」
「誰が一番になるかな」
一番手は瀬呂くん、出久、尾白くん、芦戸ちゃん。機動力のある面子だ。
「やっぱ瀬呂じゃねえか」
「瀬呂くんのテープは使い勝手がいいよねー、入り組んだとことか動きやすいし。ほら」
ひょいひょいとテープを伸ばして進んでいく瀬呂くん。先頭を走っている。
最初の戦闘訓練の時の時も瀬呂くんのテープに助けられたもんな、さすがだ。
「え……」
出久は、個性を使うと身体を壊すから今回も個性を使わないで行くのかと思っていた。
出力は多分落としている、でも楽々と入り組んだ運動場を走っている。
「この動き……」
勝己の動きだ……! 一週間のうちにここまで使いこなしているなんて……
ああ、でもこれだと勝己は……
「どうかしたか」
「……いや、これは勝己の機嫌悪くなるなーって」
「ああ……緑谷の動き、爆豪にそっくりだからな」
ただでさえ職場体験先で髪の毛変なことになって機嫌が悪いのにこれだ。
「勝己は昔から息するように個性使ってたから、個性の使い方上手いし、手本にするにはもってこいなんだよね……出久の場合、見てきた年季も違うし。私でも出久みたいな個性があれば勝己の動きは参考にするよ。……私だったら機嫌は悪くはならないだろうけど……出久だからなぁ……」
出久も強くなってる。置いて行かれるのは私の方かもな。