職場体験
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「コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりするなよ」
職場体験開始の日、雄英の最寄りの駅でクラスが集まり、相澤先生のきつい注意。
「はーい‼」
「伸ばすな。『はい』だ芦戸。くれぐれも失礼のないように! じゃあ行け」
九州や様々な方向にみんなが向かっていく。
「奏ちゃんのとこは近くなの?」
「うん。こっから普通に電車」
「お互い頑張りましょうね」
「おうよ‼」
事務所の前で仁王立ちする。傍から見ると不審者みたいだ。
「……」
小さい頃、母さんや兄ちゃんに連れられて一緒に来たのとは違う。
今は、一人のヒーローとして来てるんだ。
「雄英高校から来ました! 一年A組魚住奏です! よろしくお願いします‼」
「来たか」
「かあ……社長、よろしくお願いします」
「ん。早速だけど、これはサポート会社に注文しておいたもの」
社長が箱を渡す。私のヒーローコスチュームのサポート会社の箱だ。
「アンタ、体育祭で勝己君に耳栓されて負けたでしょ。耳栓にも対応できるスピーカーよ。相手の耳の裏につけることで脳に直接届くようになってる。一度相手に接触しないといけないのがミソになるけどね。奏は近接格闘できるよね?」
「もちろんです」
「ならよし。あと、この歌詞覚えておいて」
続いて渡したのは歌詞カード。
「ナニコレ」
「うちの所属タレントが出す曲のカップリング曲よ」
「……わかりました」
「じゃあヒーロー活動に関しては『スノーマン』頼むわよ」
母が社長室に戻っていくと入れ替わりに兄がやって来た。ヒーローとして兄と接するのは初めてだ。
「んじゃ、メロディーちゃん。よろしくな。最初は簡単なパトロール。コスチューム着て三十分後から。詳しいことは道中な」
「はい、よろしくお願いします」
サイドキックの人が更衣室の場所を教えてくれる。コスチュームの入ったスーツケースを持ち上げて歩き出そうとすると、スノーマンが声をかけてきた。
「奏」
「……何でしょうか?」
「今は兄としてな。――母さんが奏をカップリング曲とはいえども歌を出させるってことは、この事務所に入れたいって意思表示だ」
「わかってるよ」
「ここは芸能活動も積極的な事務所だ。奏のなりたいヒーローには遠いかもしれない」
「……うん」
勝己の隣で戦えるヒーローになる。それが私のなりたいもの。芸能活動は極論を言えば重視するものじゃない。
「目標の為には使えるものはすべて使っておきたい。それが一番目標に近づけると思ってるから」
「雄英卒業したら俺のサイドキックだぞ?」
「いいよ。私は、ヒーローとしての兄ちゃんは尊敬してるよ。一番は勝己だけど……いつか兄ちゃんの人気も食ってやるからね」
「――それならいい! んじゃ、着替えてこい」
「うん」
職場体験開始の日、雄英の最寄りの駅でクラスが集まり、相澤先生のきつい注意。
「はーい‼」
「伸ばすな。『はい』だ芦戸。くれぐれも失礼のないように! じゃあ行け」
九州や様々な方向にみんなが向かっていく。
「奏ちゃんのとこは近くなの?」
「うん。こっから普通に電車」
「お互い頑張りましょうね」
「おうよ‼」
事務所の前で仁王立ちする。傍から見ると不審者みたいだ。
「……」
小さい頃、母さんや兄ちゃんに連れられて一緒に来たのとは違う。
今は、一人のヒーローとして来てるんだ。
「雄英高校から来ました! 一年A組魚住奏です! よろしくお願いします‼」
「来たか」
「かあ……社長、よろしくお願いします」
「ん。早速だけど、これはサポート会社に注文しておいたもの」
社長が箱を渡す。私のヒーローコスチュームのサポート会社の箱だ。
「アンタ、体育祭で勝己君に耳栓されて負けたでしょ。耳栓にも対応できるスピーカーよ。相手の耳の裏につけることで脳に直接届くようになってる。一度相手に接触しないといけないのがミソになるけどね。奏は近接格闘できるよね?」
「もちろんです」
「ならよし。あと、この歌詞覚えておいて」
続いて渡したのは歌詞カード。
「ナニコレ」
「うちの所属タレントが出す曲のカップリング曲よ」
「……わかりました」
「じゃあヒーロー活動に関しては『スノーマン』頼むわよ」
母が社長室に戻っていくと入れ替わりに兄がやって来た。ヒーローとして兄と接するのは初めてだ。
「んじゃ、メロディーちゃん。よろしくな。最初は簡単なパトロール。コスチューム着て三十分後から。詳しいことは道中な」
「はい、よろしくお願いします」
サイドキックの人が更衣室の場所を教えてくれる。コスチュームの入ったスーツケースを持ち上げて歩き出そうとすると、スノーマンが声をかけてきた。
「奏」
「……何でしょうか?」
「今は兄としてな。――母さんが奏をカップリング曲とはいえども歌を出させるってことは、この事務所に入れたいって意思表示だ」
「わかってるよ」
「ここは芸能活動も積極的な事務所だ。奏のなりたいヒーローには遠いかもしれない」
「……うん」
勝己の隣で戦えるヒーローになる。それが私のなりたいもの。芸能活動は極論を言えば重視するものじゃない。
「目標の為には使えるものはすべて使っておきたい。それが一番目標に近づけると思ってるから」
「雄英卒業したら俺のサイドキックだぞ?」
「いいよ。私は、ヒーローとしての兄ちゃんは尊敬してるよ。一番は勝己だけど……いつか兄ちゃんの人気も食ってやるからね」
「――それならいい! んじゃ、着替えてこい」
「うん」