職場体験
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体育祭終了の休み明け、今日の天気は、雨。
「……髪の毛が……!」
くそう……‼ ものすごく久しぶりに短くしたから髪の毛がまとまらない……!
「あー、雨だと髪の毛うねるよな~ショートカットだと束ねられないし」
「上鳴くんがこの事情を理解してくれるとは思わなかったよ」
「魚住っていつから髪伸ばしてたんだー? 結構長かったよな、この前まで」
「う~ん……伸ばし始めてのはまが勝己の事をかっちゃんって呼んでた頃だったと思うからなぁ……小学校の低学年くらいかなぁ?」
あの時の衝撃と挫折は、幼稚園の時に歌声を照れ隠しでも貶された時以来だよ……
「そう言えば新しい髪留め勝己がまたくれるって言ってたけど、ホントかなぁ……」
ちらりと勝己を見る。不機嫌に席についている。話しかけにくい……
「おはよう」
予鈴が鳴って先生が入ってきた。
あ、先生包帯取れたんだ。よかったけど、傷跡残ってしまったみたいだ。
「んなもんより今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
う……テストか何かか……?
勉強苦手組が口を閉じる。私も不安だ。
「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」
「胸膨らむヤツきたあああああああああ‼」
皆が立ち上がって叫ぶ。おーすごい。
「で、その指名の集計結果がこうだ。例年はもっとバラけるんだが、二人に注目が偏った」
一位が轟君で、二位に勝己。決勝戦に出場した人たちを中心に指名が集まっている。
私にも少し来てる……!
「だー白黒ついた‼」
「見る目ないよね、プロ」
「一位二位逆転してんじゃん」
「表彰台で拘束された奴とかビビるもんな……」
「ビビってんじゃねーよ! プロが‼‼」
さすがにビビるでしょうよ。顔がヒーローしてないし。思いっきり敵だし。
「二人とも指名来てたね」
前後の二人に声をかける。
「奏ちゃんもだね!」
「いやぁ、私の場合、勝己と当たったから注目されたわけだし……ホラ私、昔から悪い意味で有名だったから……」
「それでも自分の力だ!自信を持ちたまえ‼」
「これを踏まえ……指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
この前母さんが言っていたやつだ。
「おまえらは一足先に経験してしまったが、プロ活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」
やっぱ、母さんの事務所に行ってみるべきかな。
「まあ仮ではあるが、適当なもんは……」
「つけたら地獄を見ちゃうよ‼ この時の名が!世に認知され、そのままプロ名になってる人多いからね‼」
バァン!とミッドナイト先生が入ってくる。ネーミングセンスに関してはミッドナイト先生の方が適任だとかで相澤先生の代わりだそうだ。
兄ちゃんのヒーロー名の『スノーマン』も授業で考えたって言ってたもんな。
それにしてもヒーロー名かぁ……ある、んだよなぁ。
確か、幼稚園の時だったかな。
「出久~何書いてんの?」
「ヒーローになった時の名前だよ‼」
出久が落書き帳に書いたヒーロー名を見せる。オールマイトジュニア、マイティボーイ……
「オールマイトみたいだね、出久の。ねえ、私だったらどんなかな⁉」
「うーん……」
「メロディーだろ」
すぐ近くで私たちの話を聞いていた勝己が呟いた。
「メロ……?」
「いいか、メロディーってのは歌とかそーゆー意味があんだよ! 奏にピッタリだろ!」
「じゃあ、奏ちゃんは『マーメイドヒーロー・メロディー』だね‼」
「メロディー……か、……えへへ……かっちゃんに名前つけてもらった。かっちゃんはどんなのにする?」
「爆殺王‼‼」
――やっぱりこれかなぁ……
『マーメイドヒーロー メロディー』
いくら考えてもこれしか思いつかないんだよなぁ……
「じゃそろそろ、できた人から発表してね!」
え、発表形式⁉
これはかなり度胸がいるなぁ……
先陣を切ったのは青山くんだった。
「行くよ。輝きヒーロー I cannot stop twinkling.」
「短文‼」
えっと……日本語でキラキラが止められないよ。か……
なんとも青山くんらしい……
「お茶子ちゃん決めた?」
「うん」
大喜利の空気だった発表が梅雨ちゃんのおかげで変わり、他の人たちもどんどん自分のヒーローネームを発表していった。
「良いじゃん良いよさぁどんどん行きましょー‼」
「はい! 私‼ 『マーメイドヒーロー メロディ』‼」
「おおおおーーーー」
クラスの勢いに乗って発表した。
私と入れ替わりに勝己が発表に行った。
「爆殺王」
「そういうのはやめた方がいいわね」
勢いに乗って興奮していたミッドナイト先生が冷静に叩き切った。
子供のころのままだ…
「……なんで私はこんな奴に惚れたんだろう……」
席に戻ってミッドナイト先生に噛みつく勝己を見る。頭を抱えたくなってしまう。
こういうの見ると自分の好みが世間とは逸脱しているのがよくわかってしまうなぁ…でも、やっぱり勝己が好きなんだよなぁ。
「じゃ、私も……『ウラビティ』…考えてありました」
「しゃれてる‼」
「お茶子ちゃんって感じだね」
「思ったよりスムーズ!残ってるのは再考の爆豪君と……飯田君、そして緑谷君ね」
「飯田君決めた~? 残ってんの三人だけだよ」
立ち上がって飯田君のボードをのぞき込む。
ちらりと『イン』の文字。
……イン……インゲニウム……?
確か兄ちゃんが保須でインゲニウムがヒーロー殺しに襲われたって言ってたけど……
飯田君…インゲニウムの弟なんだっけ……
「あなたも名前ね」
飯田君は結局『イン』の字を消して本名の『天哉』にしてしまった。
何か、悩んでるのかな……
続いて、出久の番。
「いいの⁉ 出久、それ……」
出久のヒーロー名を見てクラスがざわつく。
「うん。今まで好きじゃなかった。けど、ある人に意味を変えられて……僕には結構な衝撃で……嬉しかったんだ」
『デク』
「これが僕のヒーロー名です」
もう、出久は何もできない木偶の坊じゃなくなったんだなぁ。
「奏ちゃん……泣いてる?」
「…ちょっと涙腺がゆるくなっちゃって……!」
一方勝己は――
「爆殺卿‼」
「違う、そこじゃない」
考え直しになっていましたとさ。
「……髪の毛が……!」
くそう……‼ ものすごく久しぶりに短くしたから髪の毛がまとまらない……!
「あー、雨だと髪の毛うねるよな~ショートカットだと束ねられないし」
「上鳴くんがこの事情を理解してくれるとは思わなかったよ」
「魚住っていつから髪伸ばしてたんだー? 結構長かったよな、この前まで」
「う~ん……伸ばし始めてのはまが勝己の事をかっちゃんって呼んでた頃だったと思うからなぁ……小学校の低学年くらいかなぁ?」
あの時の衝撃と挫折は、幼稚園の時に歌声を照れ隠しでも貶された時以来だよ……
「そう言えば新しい髪留め勝己がまたくれるって言ってたけど、ホントかなぁ……」
ちらりと勝己を見る。不機嫌に席についている。話しかけにくい……
「おはよう」
予鈴が鳴って先生が入ってきた。
あ、先生包帯取れたんだ。よかったけど、傷跡残ってしまったみたいだ。
「んなもんより今日のヒーロー情報学、ちょっと特別だぞ」
う……テストか何かか……?
勉強苦手組が口を閉じる。私も不安だ。
「『コードネーム』ヒーロー名の考案だ」
「胸膨らむヤツきたあああああああああ‼」
皆が立ち上がって叫ぶ。おーすごい。
「で、その指名の集計結果がこうだ。例年はもっとバラけるんだが、二人に注目が偏った」
一位が轟君で、二位に勝己。決勝戦に出場した人たちを中心に指名が集まっている。
私にも少し来てる……!
「だー白黒ついた‼」
「見る目ないよね、プロ」
「一位二位逆転してんじゃん」
「表彰台で拘束された奴とかビビるもんな……」
「ビビってんじゃねーよ! プロが‼‼」
さすがにビビるでしょうよ。顔がヒーローしてないし。思いっきり敵だし。
「二人とも指名来てたね」
前後の二人に声をかける。
「奏ちゃんもだね!」
「いやぁ、私の場合、勝己と当たったから注目されたわけだし……ホラ私、昔から悪い意味で有名だったから……」
「それでも自分の力だ!自信を持ちたまえ‼」
「これを踏まえ……指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう」
この前母さんが言っていたやつだ。
「おまえらは一足先に経験してしまったが、プロ活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」
やっぱ、母さんの事務所に行ってみるべきかな。
「まあ仮ではあるが、適当なもんは……」
「つけたら地獄を見ちゃうよ‼ この時の名が!世に認知され、そのままプロ名になってる人多いからね‼」
バァン!とミッドナイト先生が入ってくる。ネーミングセンスに関してはミッドナイト先生の方が適任だとかで相澤先生の代わりだそうだ。
兄ちゃんのヒーロー名の『スノーマン』も授業で考えたって言ってたもんな。
それにしてもヒーロー名かぁ……ある、んだよなぁ。
確か、幼稚園の時だったかな。
「出久~何書いてんの?」
「ヒーローになった時の名前だよ‼」
出久が落書き帳に書いたヒーロー名を見せる。オールマイトジュニア、マイティボーイ……
「オールマイトみたいだね、出久の。ねえ、私だったらどんなかな⁉」
「うーん……」
「メロディーだろ」
すぐ近くで私たちの話を聞いていた勝己が呟いた。
「メロ……?」
「いいか、メロディーってのは歌とかそーゆー意味があんだよ! 奏にピッタリだろ!」
「じゃあ、奏ちゃんは『マーメイドヒーロー・メロディー』だね‼」
「メロディー……か、……えへへ……かっちゃんに名前つけてもらった。かっちゃんはどんなのにする?」
「爆殺王‼‼」
――やっぱりこれかなぁ……
『マーメイドヒーロー メロディー』
いくら考えてもこれしか思いつかないんだよなぁ……
「じゃそろそろ、できた人から発表してね!」
え、発表形式⁉
これはかなり度胸がいるなぁ……
先陣を切ったのは青山くんだった。
「行くよ。輝きヒーロー I cannot stop twinkling.」
「短文‼」
えっと……日本語でキラキラが止められないよ。か……
なんとも青山くんらしい……
「お茶子ちゃん決めた?」
「うん」
大喜利の空気だった発表が梅雨ちゃんのおかげで変わり、他の人たちもどんどん自分のヒーローネームを発表していった。
「良いじゃん良いよさぁどんどん行きましょー‼」
「はい! 私‼ 『マーメイドヒーロー メロディ』‼」
「おおおおーーーー」
クラスの勢いに乗って発表した。
私と入れ替わりに勝己が発表に行った。
「爆殺王」
「そういうのはやめた方がいいわね」
勢いに乗って興奮していたミッドナイト先生が冷静に叩き切った。
子供のころのままだ…
「……なんで私はこんな奴に惚れたんだろう……」
席に戻ってミッドナイト先生に噛みつく勝己を見る。頭を抱えたくなってしまう。
こういうの見ると自分の好みが世間とは逸脱しているのがよくわかってしまうなぁ…でも、やっぱり勝己が好きなんだよなぁ。
「じゃ、私も……『ウラビティ』…考えてありました」
「しゃれてる‼」
「お茶子ちゃんって感じだね」
「思ったよりスムーズ!残ってるのは再考の爆豪君と……飯田君、そして緑谷君ね」
「飯田君決めた~? 残ってんの三人だけだよ」
立ち上がって飯田君のボードをのぞき込む。
ちらりと『イン』の文字。
……イン……インゲニウム……?
確か兄ちゃんが保須でインゲニウムがヒーロー殺しに襲われたって言ってたけど……
飯田君…インゲニウムの弟なんだっけ……
「あなたも名前ね」
飯田君は結局『イン』の字を消して本名の『天哉』にしてしまった。
何か、悩んでるのかな……
続いて、出久の番。
「いいの⁉ 出久、それ……」
出久のヒーロー名を見てクラスがざわつく。
「うん。今まで好きじゃなかった。けど、ある人に意味を変えられて……僕には結構な衝撃で……嬉しかったんだ」
『デク』
「これが僕のヒーロー名です」
もう、出久は何もできない木偶の坊じゃなくなったんだなぁ。
「奏ちゃん……泣いてる?」
「…ちょっと涙腺がゆるくなっちゃって……!」
一方勝己は――
「爆殺卿‼」
「違う、そこじゃない」
考え直しになっていましたとさ。