魚住:オリジン
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「――はい。これでまあマシにはなったんじゃない? 両腕ボロボロはさすがに完治させられないけど。轟くんと何があったのか知らないけどさぁ、短時間で無理しすぎ。おばさんの心臓やばいよ、絶対」
心配性なおばさんが自宅のテレビで試合を見ていただろうと想像する。気絶してそうだ。
「そ、そうかも……――かっちゃんとは、どうにかなった?」
出久の言葉に身体が強張る。
「勢いあまって告白しちゃった。私としては後悔はないかな」
「……奏ちゃんはいつも後先を考えないよね……奏ちゃん、返事はしてもらった?」
「返事? 何で?」
私の言葉に出久が盛大にため息をついた。出久がこんなことするなんて珍しい。
「……あのね、奏ちゃん。告白したらさ、返事を貰いたいとは思わないの?」
「……た、確かにそっすね。――でも、勝己だしさ…」
もう一度出久がため息をついた。物凄い長い。さっきより盛大だ。
「(このままじゃ、絶対かっちゃん返事しなさそうだよな……昔から奏ちゃんの気持ちに胡坐かいてるし……)――奏ちゃん、君は十年以上前からずっと好きだったかっちゃんに告白したんだよ⁉ 正真正銘で真剣なのは初めてだと思う」
「おーそう言えばそうだったね」
出久のまくしたてる言葉に押されてしまう。
「かっちゃんに返事を急かす……のはかっちゃんが怒るからやめた方が良いけど……奏ちゃん、今の状態に満足しちゃだめだよ?」
「ウィッス」
出久がなんだかお母さんみたいだ。
なんというか、言われると絶対従わなくちゃいけないと思ってしまう感覚。
最近……高校に入ってからかもしれないけど、出久もちゃんと成長してるんだなぁ、ってヒシヒシと感じてしまう。
嬉しい反面、ちょっと寂しい感じだ。
あんな小さくて泣き虫だった出久が、だもんなぁ…
観覧席に戻って梅雨ちゃんやお茶子ちゃんと一緒に試合を見ることにした。
「緑谷ちゃん、どうだった?」
「立って歩けるくらいには回復したかな。さっきお説教されちった」
「お説教?」
お茶子ちゃんが首を傾げた。あまり出久がお説教をするイメージがないんだろう。
「さっきの……告白…の返事だってさ。今の状況に満足しちゃだめだーって。まあ、勝己に返事を強要するわけにはいかないけど。……やっぱ返事って貰うのが一般的?」
「そうね。イエスでもノーでも返事をすると思うわ。爆豪ちゃんに常識があれば返事をしてくれるでしょうね」
「爆豪くん……常識あるんかなぁ……」
お茶子ちゃんが心配そうに呟く。やはりそう思うみたいだ。
「でも、奏ちゃんも勢いで言った所あるし、そのまま流してそうでもあるね」
「そもそも爆豪ちゃんが告白の返事をするとか想像できないわね」
それに関しては、付き合いの長い私でも想像できないから納得だ。
「……それでさ、私はこれから勝己とどう接していけばいいのかな」
隣に立つヒーローになるとは言ったけど、私生活においてあまり関係ないことだし……
「一度、引いてみるとかいいんじゃないかしら」
「押してダメなら引いてみろって奴⁉」
よく少女漫画とかで見るあれってことか。
「無理してやることはないわ。奏ちゃんはいつも爆豪ちゃんと居たんだから」
「そうだけど、ちょっとでも何かが変わるならやってみようかな……勝己がどう思ってるのか知りたいし。ちょっと距離置いて様子見してみる」
こうして私の『押してダメなら引いてみろ爆豪作戦(命名:お茶子ちゃん)』が開始されたのである。
心配性なおばさんが自宅のテレビで試合を見ていただろうと想像する。気絶してそうだ。
「そ、そうかも……――かっちゃんとは、どうにかなった?」
出久の言葉に身体が強張る。
「勢いあまって告白しちゃった。私としては後悔はないかな」
「……奏ちゃんはいつも後先を考えないよね……奏ちゃん、返事はしてもらった?」
「返事? 何で?」
私の言葉に出久が盛大にため息をついた。出久がこんなことするなんて珍しい。
「……あのね、奏ちゃん。告白したらさ、返事を貰いたいとは思わないの?」
「……た、確かにそっすね。――でも、勝己だしさ…」
もう一度出久がため息をついた。物凄い長い。さっきより盛大だ。
「(このままじゃ、絶対かっちゃん返事しなさそうだよな……昔から奏ちゃんの気持ちに胡坐かいてるし……)――奏ちゃん、君は十年以上前からずっと好きだったかっちゃんに告白したんだよ⁉ 正真正銘で真剣なのは初めてだと思う」
「おーそう言えばそうだったね」
出久のまくしたてる言葉に押されてしまう。
「かっちゃんに返事を急かす……のはかっちゃんが怒るからやめた方が良いけど……奏ちゃん、今の状態に満足しちゃだめだよ?」
「ウィッス」
出久がなんだかお母さんみたいだ。
なんというか、言われると絶対従わなくちゃいけないと思ってしまう感覚。
最近……高校に入ってからかもしれないけど、出久もちゃんと成長してるんだなぁ、ってヒシヒシと感じてしまう。
嬉しい反面、ちょっと寂しい感じだ。
あんな小さくて泣き虫だった出久が、だもんなぁ…
観覧席に戻って梅雨ちゃんやお茶子ちゃんと一緒に試合を見ることにした。
「緑谷ちゃん、どうだった?」
「立って歩けるくらいには回復したかな。さっきお説教されちった」
「お説教?」
お茶子ちゃんが首を傾げた。あまり出久がお説教をするイメージがないんだろう。
「さっきの……告白…の返事だってさ。今の状況に満足しちゃだめだーって。まあ、勝己に返事を強要するわけにはいかないけど。……やっぱ返事って貰うのが一般的?」
「そうね。イエスでもノーでも返事をすると思うわ。爆豪ちゃんに常識があれば返事をしてくれるでしょうね」
「爆豪くん……常識あるんかなぁ……」
お茶子ちゃんが心配そうに呟く。やはりそう思うみたいだ。
「でも、奏ちゃんも勢いで言った所あるし、そのまま流してそうでもあるね」
「そもそも爆豪ちゃんが告白の返事をするとか想像できないわね」
それに関しては、付き合いの長い私でも想像できないから納得だ。
「……それでさ、私はこれから勝己とどう接していけばいいのかな」
隣に立つヒーローになるとは言ったけど、私生活においてあまり関係ないことだし……
「一度、引いてみるとかいいんじゃないかしら」
「押してダメなら引いてみろって奴⁉」
よく少女漫画とかで見るあれってことか。
「無理してやることはないわ。奏ちゃんはいつも爆豪ちゃんと居たんだから」
「そうだけど、ちょっとでも何かが変わるならやってみようかな……勝己がどう思ってるのか知りたいし。ちょっと距離置いて様子見してみる」
こうして私の『押してダメなら引いてみろ爆豪作戦(命名:お茶子ちゃん)』が開始されたのである。