魚住:オリジン
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
轟くんの言葉に私の中の色んな感情が渦巻き始めた。
私が勝己を好きって気持ちや……小さい頃のトラウマ……
「迷った時は『原点』を思い出すこと」
私の……『原点』……
私は、どうしてこの道を歩もうとした?
何で私は雄英に来た?
――勝己と一緒にいたいから……?
違う。
私は、また勝己が傷ついてほしくないから…私の為に誰かが傷付いて欲しくないから……
私の個性でも…役に立たせたいから……!
勝己の背中を見ているだけじゃ嫌だったから……
ヒーローになった勝己の隣に……! ヒーローとして一緒に立ちたかったから‼‼
――たった、それだけの事だったんじゃないか。
「私は……ヒーローになりたい……! 皆みたいに立派な理由も憧れもないけど……それでも……それでもヒーローになりたい‼」
今は……今だけは……
「勝己が好きっての……忘れる……‼」
私はそう言って髪留めを外した。
長い間、勝己の為だけに伸ばし続けた長い、長い青髪が爆風に揺れた。
「……私だってもう、追いかけるだけじゃない……!」
背中を追いかけていたってヒーローにはなれない。
守られているだけじゃ、ヒーローになんかなれない!
「やっと本気出したな」
勝己の嬉しそうな顔。勝己は、私が本気で戦うのを待っていてくれてたんだね。
――それなら、お望み通りやってやるだけ‼
まず、隙を作らなきゃいけない。それさえあれば、人魚になって特大火力で歌を歌える。
私は迷わず駆け出した。
『防戦一方だった魚住が攻撃に出た――⁉』
マイク先生の声が上がる。客席もどよめいていた。
――昔、個性を使わなかった頃のケンカなら私が勝ってた。これでもヤンチャしていたのは自覚している。――でも、今はきっと敵わない……それでも……! 少しでも……
一気に接近して爆風を直に浴びる。これくらいなら人魚の回復力があればなんてことはない。爆風で一気に勝己との距離を離す。
勝己の右手から嗅ぎなれたニトロの匂い。
来る!
勝己が煙の向こうに隠れる。上手く視界を塞ぐことに成功した。
そして、一か八かの大勝負だ‼
手持ちのペットボトルの蓋を開けて、水を頭からすべてぶっかけた。
『私の出せる…最大限…戦意喪失……! 歌え、私‼』
精一杯声を出した。勝己の耳に絶対届いたはずだ。
けど、その反撃も虚しく
『なっ……』
勝己は平然と立っている。戦意喪失させるための歌だ。立っているのは明らかにおかしい。効いてないってこと?
「……歌うと思ってた」
勝己の耳元を見た。耳栓が見えた。
『チッ‼』
「残念だったな。――――――綺麗な声だったぞ」
呟かれた言葉はきっと、審判のミッドナイト先生にも聞こえなかった。
けど、その一言は私のトラウマを消すには十分すぎた。
「魚住場外‼ 勝者、爆豪勝己」
大きな爆発に私は場外となった。
ああ、負けちゃった。
私が勝己を好きって気持ちや……小さい頃のトラウマ……
「迷った時は『原点』を思い出すこと」
私の……『原点』……
私は、どうしてこの道を歩もうとした?
何で私は雄英に来た?
――勝己と一緒にいたいから……?
違う。
私は、また勝己が傷ついてほしくないから…私の為に誰かが傷付いて欲しくないから……
私の個性でも…役に立たせたいから……!
勝己の背中を見ているだけじゃ嫌だったから……
ヒーローになった勝己の隣に……! ヒーローとして一緒に立ちたかったから‼‼
――たった、それだけの事だったんじゃないか。
「私は……ヒーローになりたい……! 皆みたいに立派な理由も憧れもないけど……それでも……それでもヒーローになりたい‼」
今は……今だけは……
「勝己が好きっての……忘れる……‼」
私はそう言って髪留めを外した。
長い間、勝己の為だけに伸ばし続けた長い、長い青髪が爆風に揺れた。
「……私だってもう、追いかけるだけじゃない……!」
背中を追いかけていたってヒーローにはなれない。
守られているだけじゃ、ヒーローになんかなれない!
「やっと本気出したな」
勝己の嬉しそうな顔。勝己は、私が本気で戦うのを待っていてくれてたんだね。
――それなら、お望み通りやってやるだけ‼
まず、隙を作らなきゃいけない。それさえあれば、人魚になって特大火力で歌を歌える。
私は迷わず駆け出した。
『防戦一方だった魚住が攻撃に出た――⁉』
マイク先生の声が上がる。客席もどよめいていた。
――昔、個性を使わなかった頃のケンカなら私が勝ってた。これでもヤンチャしていたのは自覚している。――でも、今はきっと敵わない……それでも……! 少しでも……
一気に接近して爆風を直に浴びる。これくらいなら人魚の回復力があればなんてことはない。爆風で一気に勝己との距離を離す。
勝己の右手から嗅ぎなれたニトロの匂い。
来る!
勝己が煙の向こうに隠れる。上手く視界を塞ぐことに成功した。
そして、一か八かの大勝負だ‼
手持ちのペットボトルの蓋を開けて、水を頭からすべてぶっかけた。
『私の出せる…最大限…戦意喪失……! 歌え、私‼』
精一杯声を出した。勝己の耳に絶対届いたはずだ。
けど、その反撃も虚しく
『なっ……』
勝己は平然と立っている。戦意喪失させるための歌だ。立っているのは明らかにおかしい。効いてないってこと?
「……歌うと思ってた」
勝己の耳元を見た。耳栓が見えた。
『チッ‼』
「残念だったな。――――――綺麗な声だったぞ」
呟かれた言葉はきっと、審判のミッドナイト先生にも聞こえなかった。
けど、その一言は私のトラウマを消すには十分すぎた。
「魚住場外‼ 勝者、爆豪勝己」
大きな爆発に私は場外となった。
ああ、負けちゃった。