策策策
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「奏ちゃん、三回戦出場おめでとう」
「ありがと、梅雨ちゃん」
お昼を食べに食堂に向かう途中で梅雨ちゃんが声をかけてくれた。
「爆豪ちゃんは?」
「何か先行ってろって」
「あら」
「奏~さっきのB組に話しかけられてたけど、なんかあった?」
芦戸ちゃんもこちらにやってきた。
「ハンカチ落としてたみたいで、拾ってもらった。でも……なんか歌声綺麗だって言われて……」
「奏ちゃんの歌声は綺麗よ」
「人魚だし!」
二人が全肯定してくる。こういうのは慣れない。
「――あ、もしかして、歌ったときの効果が効いたまんまなんじゃない?」
「あー……制御とか考えずにやっちゃったからなぁ……一応しばらくしたら効力は薄れるから大丈夫」
のはずなんだけどなぁ。変に長引いたら申し訳ないな。
「奏ちゃん、今日はお弁当なのね」
「うん。お兄ちゃんが作ってくれたみたいで」
少し照れくさく感じながら弁当箱の蓋を開けた。
「……」
『奏♡ 頑張れよ♡♡ お兄ちゃんより☆』
またもや無駄にファンシーなお弁当に言葉を失う。
私は黙って蓋を閉めた。
「――さて、学食買ってくるかな」
私は何も見ていない。見てないぞ。
ご飯を食べ終わると、クラスの女の子たちが集まっていた。
「皆どうしたの?」
「それがねぇ……」
チアガール。ねぇ。
「誰が言ってたんだよ……」
「峰田と上鳴。相澤先生からの指示なんだって」
あの二人ってなんだか一番怪しいよなぁ。……でも、先生からの指示って言われると反対できないしなぁ。
『最終種目発表前に予選落ちの皆へ朗報だ! あくまで体育祭! ちゃんと全員参加のレクリエーションも用意してんのさ! 本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ……どーしたA組⁉』
結局素直にチアの格好をした私たち。悪い意味で目立っていた。やはり二人の策略か。
「なんだ、そのカッコ」
「八百万ちゃんが創造で出してくれたチアガールの服。見事に騙された」
「腹壊すぞ」
ですよね。
そして、最終種目はトーナメント。サシの対決である。
尾白くんとB組の庄田くんが棄権をして、繰り上がりでB組の鉄哲くんと塩崎さんが入った。
トーナメントの組み合わせはくじで決める。騎馬戦の一位から順に引いていく形だ。
「じゃあ二位の爆豪チーム……あら五人チームだったわね。じゃあ……――シード追加ね」
あ、今適当にシード枠が付け足された。
「え……わ、私がシード……?」
自分の引いたくじをまじまじと見る。「シード」と確かに書かれてしまっている。
「魚住がシードね」
「あ、あの、こういうのって轟くんとか勝己とかの上位者が妥当なんじゃないでしょうか?」
「残念ながらくじ運よ」
私の抵抗は虚しく終わった。対戦相手はお茶子ちゃんか勝己のどちらか。
「どっちとも戦いたくないな」
特に勝己だ。すべての組み合わせが決まり、レクリエーションに移る中、私は人の流れに紛れて更衣室で眠ることにした。
「ありがと、梅雨ちゃん」
お昼を食べに食堂に向かう途中で梅雨ちゃんが声をかけてくれた。
「爆豪ちゃんは?」
「何か先行ってろって」
「あら」
「奏~さっきのB組に話しかけられてたけど、なんかあった?」
芦戸ちゃんもこちらにやってきた。
「ハンカチ落としてたみたいで、拾ってもらった。でも……なんか歌声綺麗だって言われて……」
「奏ちゃんの歌声は綺麗よ」
「人魚だし!」
二人が全肯定してくる。こういうのは慣れない。
「――あ、もしかして、歌ったときの効果が効いたまんまなんじゃない?」
「あー……制御とか考えずにやっちゃったからなぁ……一応しばらくしたら効力は薄れるから大丈夫」
のはずなんだけどなぁ。変に長引いたら申し訳ないな。
「奏ちゃん、今日はお弁当なのね」
「うん。お兄ちゃんが作ってくれたみたいで」
少し照れくさく感じながら弁当箱の蓋を開けた。
「……」
『奏♡ 頑張れよ♡♡ お兄ちゃんより☆』
またもや無駄にファンシーなお弁当に言葉を失う。
私は黙って蓋を閉めた。
「――さて、学食買ってくるかな」
私は何も見ていない。見てないぞ。
ご飯を食べ終わると、クラスの女の子たちが集まっていた。
「皆どうしたの?」
「それがねぇ……」
チアガール。ねぇ。
「誰が言ってたんだよ……」
「峰田と上鳴。相澤先生からの指示なんだって」
あの二人ってなんだか一番怪しいよなぁ。……でも、先生からの指示って言われると反対できないしなぁ。
『最終種目発表前に予選落ちの皆へ朗報だ! あくまで体育祭! ちゃんと全員参加のレクリエーションも用意してんのさ! 本場アメリカからチアリーダーも呼んで一層盛り上げ……どーしたA組⁉』
結局素直にチアの格好をした私たち。悪い意味で目立っていた。やはり二人の策略か。
「なんだ、そのカッコ」
「八百万ちゃんが創造で出してくれたチアガールの服。見事に騙された」
「腹壊すぞ」
ですよね。
そして、最終種目はトーナメント。サシの対決である。
尾白くんとB組の庄田くんが棄権をして、繰り上がりでB組の鉄哲くんと塩崎さんが入った。
トーナメントの組み合わせはくじで決める。騎馬戦の一位から順に引いていく形だ。
「じゃあ二位の爆豪チーム……あら五人チームだったわね。じゃあ……――シード追加ね」
あ、今適当にシード枠が付け足された。
「え……わ、私がシード……?」
自分の引いたくじをまじまじと見る。「シード」と確かに書かれてしまっている。
「魚住がシードね」
「あ、あの、こういうのって轟くんとか勝己とかの上位者が妥当なんじゃないでしょうか?」
「残念ながらくじ運よ」
私の抵抗は虚しく終わった。対戦相手はお茶子ちゃんか勝己のどちらか。
「どっちとも戦いたくないな」
特に勝己だ。すべての組み合わせが決まり、レクリエーションに移る中、私は人の流れに紛れて更衣室で眠ることにした。