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「なんやこれ」

外出から帰ってきた真島は自分の机にあるものを見て一言呟いた。

真島が見ていたのはある1枚の紙切れ。
その紙切れは裏返っていて、表側がどんなものなのかは分からない。

「誰が置いたんやろか」

真島は椅子にどっかりと座ってその紙切れをひっくり返す。

途端に彼は目を見開き、そしてしばらくその紙切れの表に釘付けになってしまった。

驚愕していた真島の顔は次第に綻び、机に頬杖をついて何度も何度もその紙を見返す。

彼の机に置かれていた紙切れというのは写真で、その写真に映っていたのは、自分が今着ている蛇柄のジャケットを力いっぱい抱き締めながら蹲って寝ている愛しいその姿。

ジャケットがいつ持ち出されたのかは分からないが、自分の着ている一張羅を抱きしめて眠るその顔を見てしまうと、真島は今すぐにでも会いたい衝動に駆られてしまう。

「ほんま、可愛ええ所は素直に見せへんよなあいつも……」

写真上とはいえ、意外にも可愛い一面を見た真島は机に写真を置くと、すぐに部屋を出た。

行先は当然、写真に移っていた愛しい姿の元。

早く会って、今度はジャケットじゃなくて生身の自分を抱き締めてもらいたい。

軽い足取りで歩く真島の顔は今までにないくらい明るく、清々しかった。



Fin.
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オマケ


「上手く行きましたね西田さんっ!」

「あぁ。そうだな」

「けど、姐さんが寝てる時部屋に忍び込んで写真撮ったなんて、親父にバレたら殺されません?」

「……」

この会話が行われた翌日、西田さんは真島の兄さんに追いかけ回されたんだとか。



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